HSDL.blog.jp

主にラジオを中心としたジャンク・各種実験の同人誌

2007年08月

道具の話

 ここのところHSDLは改造の話が少ない。原因はこの暑さだ。ハンダゴテなど付けたら暑くて狂いそうだ。ましてやヒートガンなどもってのほか…。

 暑さと関連性は無いが工具の話でも書いてみる。口うるさい筆者のこと、さぞかし良い道具を使っているのだろうと思われるかもしれないが、実際に使っている工具と言えばハンダゴテ位のもので、それ以外は部品固定のための小物ばかり。もちろん素人垂涎の最新兵器などは全く無い。測定器も安物テスターだけで、オシロで確認しながら改造するなどは稀である。


tq95
 メインハンダゴテはTQ95であります。HAKKO-PRESTOよりもこちらをお勧め。なおカタログデータではワット数が違っているが、計測の仕方が違うだけでどちらも同じ物。コテ先が少々細いのが気になるが、HAKKO-PRESTO付属の極細コテ先よりはマシかな。アレはアレで使い道はあるんですけども。

 前に書いたHAKKO-PRESTOの不具合だが、加熱ボタンが押しているうちに戻らなくなってしまった(らしい)。気がつかずにコテ台に置いておいたら、何と火箸のように真っ赤になっている。あわててボタンを弄ったら元に戻った。それだけならまだ良いが、コテ先と保護チューブが溶着して取れなくなってしまった。これではコテ先を変えることが出来ないので、保護チューブを買いに行ったわけだ。だが、980/981用の保護チューブは売っているが、キャップ付きの984用のチューブは何処にも売っていない。何で共用じゃないんだろう。この時点でもう使う気は無くなった。ちなみにTQ95は共用だから何処でも売っている。HAKKOは兎に角パーツの入手性が悪いんだよね。


kotesaki
 ご覧の通り、一体成型?になってしまったコテ先。ペンチで摘んで回そうとした跡がある。勿論そんなことではビクともしない。大きな声では言えないが、チューブは別機種のを付けることにする。いちいち取り寄せなんて俺はイヤですぜ。アキバの2〜3倍の値段で買わされる通販なんてもってのほか(送料は電車賃より高いし、何より遅すぎ)。


handa
 何より重要なハンダ。筆者はメインはφ0.6の物を使用。ヘタクソな人の多くの共通点として太い奴(φ1.0以上)を使っているが、あれは真空管セットやアンテナ工事にでも使うものだ。あ、でも電源とかだったらφ1.0でも使えるよ。マザーボードでなら精々φ0.8位迄で、1608以下のSMDだとφ0.3も欲しくなる。どうせ千住のOEMだろうから、特に銘柄に対するこだわりはない。


tool
 通称「すっぽん」と呼ばれる半田吸い取り器。スルーホールのハンダ抜きなど、ある一定用途にしか使わないけど便利。大きさはこのくらいでよい。この大きさだとPCIバスの間にも先端が入る。吸引力は特に気にする必要は無い。ピンセットは正作用、逆作用など4本。ピンバイスは自分の作業には使わない。2度と交換しないであろう他人のマシンのときに使う事がある。


asi
 基板固定用具。基板を立てるのに使うものです。右の腕の付いた台は、マザーボード改造では殆ど使う事はないが、その他の工作で便利に使える。春に300円程度で売っていたときに買ったが、今はそんなに安くないみたいです。


 テスターはMETEX-P16である。もっとクロックが上がって欲しいけど、少なくともP10より性能は一段向上した。一体成型のリード線がすぐに死ぬ持病がある。リード線を当てても反応したりしなかったり、或いは全く反応しないといった故障は90%がこれ。残り10%はロータリースイッチの接触不良。けど実に役に立ちます。
shuuri
 リード線は2、3回修理しているうちに短くなってしまう。今度切れたら交換するつもりで新しいリード線を用意しているのだが、前の修理が良かったのか、それっきり故障は発生しなくなった。固めの熱収縮チューブが役に立つ。


futa
 ボディをぶつけたり、落としたりすると表示が出なくなることがある。携帯しているだけでも起動しなくなる場合が多い。これは故障ではなく、情けないことに電池がヅレただけなんだな。それを防ぐために、筆者は写真のように蓋にスポンジを張っている。これは日本メーカー製なら当然初めから付いているはずの物だ。

 韓国は世界最高水準の技術を手に入れつつあるわけだが、それでいてこのような製品を作ってしまう。度の過ぎたバカは面倒を見る必要は無いが、この程度の気配りは製品としては当たり前でなくてはいけない。これは主に国民性(人間性)に基づく物なので、韓国製品が日本製を超えることは永久に無いのかもしれない。



注:冒頭で暑い暑いと書いているが、実は予約投稿なので(これを読んでいる時に)本当に暑いかどうかわからない。

夏だ!プールだ!(バカ記事)

 タイトルと全く関係無さそうだが、暑くてハンダゴテを握るのもイヤなのでマザーボードを洗ってみた。以前、P2B-Fを洗ったら動かなくなった(メモリが動作しない?)事があったが、何故なのか解らないのでもう一度やってみる。性懲りのない奴と言われそうだが、多分満足行くまで何回でもやる。

 マザーはIntelのD815EEA(逃げ牛バージョン)である。元々ジャンク品でこ汚く、触るのがイヤだった位なので丁度良い。ジャンク品を実用することはまず無いから、もし動かなくなっても問題はない。洗うところの写真は省略。今回は前回より過激に、台所洗剤をかけてブラシでゴシゴシ洗う。あまり激しくやると部品が取れそうだが…。後はシャワーで洗い流す。マンションなので水を出してもお湯が出てくるぞ。洗う場合には都合が良い。



zenkei
 写真はいきなり乾かすところから。チップセット上などに散見される黒い部分が水滴である。前にウンコ電源丸洗い記事で書いたように、夏の日中で晴れの日以外はやるべきではない(ウンコ電源を洗ったのも去年の今頃でしたね)。10分くらいで基板表面は完璧に乾くが、そこで掃除機をかけてみたらコネクタなどから相当量の水が出てきた。もしも掃除機を併用しないと、完全乾燥には恐らく丸一日以上かかるのではないか。


mizu
 乾燥を始めてから1時間を経過。見えますか?中央の3つの穴に水が溜まっている。これは掃除機を併用した後だから、やっぱりかけないと乾燥しないかもしれない。ちなみに基板を持って、水を切るために振るのは止めといた方が良いです。基板に力がかかり、多層基板の層内の毛細血管が切れたら始末に負えない。確認したくても出来ないし。チップセットのBGA配線もヤバイ。P2B-Fの時は思い切り振ったので、どこか配線が切れたのかもしれない。



 掃除機は水が吸い取れるタイプの吸引力の高い物を使う。水対応じゃない奴は故障するかもしれないので止めた方が良い(筆者はやってしまった)。もし金に糸目をつけないならば、無水エタノールの中に基板を漬けて(ドブ漬けで可)撹拌、2、3分後に吊るして乾かすという手もある。これだと風通しの良いところなら急速に乾く。マザーボードではやったことは無いが、ビデオカードならある。

 ちなみに直射日光下に置いておくと温度が心配な向きもあるだろうが、温度計で測ってみた限り60℃を大幅に超えることは無さそうだった。表面実装部品はリフロー炉で耐えているから全く問題ないし、唯一アルミ電解コンデンサ(液体電解コン)が不安だが、60℃なら全く問題無かろう。このマザーはニチコンVRという85℃品の一般用が使われているウンコマザーだが、それでもこの程度で音を上げることは無い。

 念のため半日乾かした後、いつものようにCeleron566で特攻する。どこかがショートしていたら一瞬でお亡くなりだが、特に問題なくBIOSが立ち上がった。OSをインストールするのは面倒なので止めたが、ここまで来て動かないと言うのはないだろう。動いてしまったと言うことはやはり、P2B-Fだけの問題なんでしょうか。それともD815EEAはインテル様なので水に強いのでしょうか(んな訳ねーだろ!)。でもこれで1勝1敗だから、もう一度洗って成功すれば勝ち越し?だ。次は何を洗おうか…うちは美品が多いから洗いたい奴は思い出せないんだなあ。

AX3S Pro[Rev57_33]実働編

 一緒にCeleron900(SL5LX)を借りたのでAX3S Proに付けてみる。勿論900MHzで動くのは分かっているので、いきなりFSB133MHzの1.2GHzで行っちゃいます。動けば鱈以上の総合パフォーマンス(消費電力も含む)が期待できる。だがしかし…起動しない。喝入れすれば動くのだろうが、たかが500円(現在のCeleron900のアキバ相場)とはいえ他人の石なので無理は出来ない。



1160MHz
 仕方が無いのでFSBを下げてみる。BIOS上で1段階下げ、FSB129MHzで漸く立ち上がった。この状態でMEMTEST86+を回したらご覧の通り、スピードは(内蔵ビデオでも)文句なしだがエラーの嵐。ウエイトを入れるのも癪だしどうしたものか。


990MHz
 不安になってFSB110MHzで立ち上げた。MEMTESTも無事完走したが、これだと990MHzだからSL5L5をFSB133MHzで使った方がマシなんじゃないか?と思えてきた。どうもノーマル電圧1.75Vの壁が1.1GHz辺りにありそうだ。でもビデオカードを付けたから、スピードは「AX3S Pro-U(その後)」の鱈セレ1.33GHzを上回る317MBを記録した。全て記録を残しているわけではないが、HSDLのSDR最高記録はAthlonXP1900+にて403MBというのがある。

 使用したCeleron900は裏のコンデンサが少ない(ビッシリ全て載っている物もある)。コンデンサが多くても限界が伸びることは少ないが、電圧を上げなくても限界近くまで伸びるようになる。エンジンで言うところの台形パワーって奴ですね。


1098MHz
 SL5LXのノーマル電圧での限界を探るとFSB122MHzだった。127でも起動するが1周もしないうちに1160MHzの時のようなエラーが出る。ご覧の通り速度は350MBとかなり高速。どう考えても鱈セレよりブッチ切りで速いんだけど(256kキャッシュは何やっているんだ)。感じとしては、鱈セレは地のメモリを直接アクセスするときにウエイトが大きい。これは河童セレも同様だが、鱈セレの方がペナルティが大きいのではなかろうか。


1130MHz
 何となく133MHzに届かず消化不良なので、使い慣れたSL5L5に換装。FSB133MHzで勿論回るが、最速設定ではエラーが出て使えず。電圧は定格の1.75Vだが、これはダメ牛のメモリがいけないんだと思う。速度はSDRのDuronに迫る。結論として河童セレは800〜850MHzのD-StepかSL5L5がベストと言うことで(どれも裏のコンデンサ以外は同じ物と思われる)。900MHzは当たり外れがあり、値段も566や800よりは高い。

 鱈セレと河童セレとの差だが、性能はエンコードや3Dではやはりキャッシュ相当な差があるので鱈セレの勝ち。しかし最早このクラスでエンコードや3Dをやる馬鹿はいないだろうから、電気代を考えても河童セレの方が実用価値は高い。



 適当に動かしていたら、前回指摘した下側のFDB6030Lがやたらに発熱している。上のFDB7030BLは至って平静だ。これはやっぱり逆にしたいよなあ。耐えられないほどの熱ではないし、張り替えても"激減"と言うほどは下がらない(と思う)のでやらないけど。

 このマザーはTNT2M64のカードとSPECTRA3200が認識されなかった。なぜかは解らないが、自前のレギュレータが載っているAGPx2カードは動かないのだろうか。変な仕様だなあ。なお今回の全てのテストにはGeForce2GTSを使用した。


この組み合わせも何となく飽きてきたので終了。

AX3S Pro[Rev57_33]

 順序が逆になるが、先日のAX3S Pro-Uを納品?した際に借りてきた物。Pro-Uの前身とも言うべきマザーだが、結構回路が変わっているので興味深い。さてどんな改良(あるいは改悪)が行なわれたのでしょうか。



ax3s_pro
 Pro-Uはレジストが黒だったが、こちらは普通の緑である。高級感ではやや負けているだろうか。黒は汚れや傷が目立つので、修理人としての筆者にはこちらの方が好ましい。Pro-UのようにAGPカードとメモリスロットのレバーは干渉しないし、部品のレイアウトも無理がない。Pro-UはPCIスロットを6本にしてしまったのが敗因だ。


yxg2200
 注目の出力コンデンサは2000年製造のルビコンYXG2200μF6.3Vだが、データシートにある標準サイズ(10φx23mm,42mΩ,1650mA)ではなく特注サイズ(10φx20mm,46mΩ,1400mA)だった(黒金のAOpenカラーのスリーブも特注だよね)。この部分では日本ケミコンKZE2200μF6.3V(10φx25mm,22mΩ,2150mA)を採用したPro-Uの勝ち(尤もPro-Uは"電流ダダ漏れの鱈"を搭載するんだから当たり前)。ノーマルで1GHzのCPUを載せても、極限まで回さない限り耐久性に問題は無いだろう(但し静音バカは除外)。

 その他のコンデンサはTMZ(台ケミ?)1000μF6.3Vである。これについてはデータが無いけど、感じとしてはLXZ同等品かな。噴いた話はまだ聞かない。


rc5057m
 HSDLの読者にはお馴染みのSAHARA3810に搭載されていたRC5057Mであります。VRM8.4準拠のコントローラである。これの欠点はスイッチング周波数が固定であること。パンピーには全く関係ないが、改造君の我々としては非常に困る。おまけにVIDがご丁寧にバッファを介している。BIOSから弄れるようにするためだろうが、鱈を無理やり載せた場合は誤設定されそうだ。


fet_ul
 おかしいぞ〜おかしいぞ。こいつ上側が7030(低抵抗)、下側が6030(高速)になっている。これは本来6030が上で7030下が世間の常識。部品の付け間違えなんじゃないか?皆様の所有するProはどうなっているのだろうか(ぜひ教えてください)。ちなみにPro-Uは6035上7030下でした(前回記事参照)。このロットだけの欠陥かもしれない(-_-;)

 念のため書くが、付け間違えても回路は正常に動く。上下6030のマザーは世間にいっぱい流通しているし、見たことは無いけど上下7030でも大丈夫(7030の入力容量は2440PFだから結構速い筈)。だがベストの組み合わせを求めた部品選定でヘクってるところが情けないと思うのだ。部品が激しくもったいないぞ。でも今更AOpenに文句言ってもスルーされるだろうなあ。どうもAOpenの生産部門はおかしい。


gmch_dc1
 GMCH裏のデカップリング。ここを見ると設計者や会社のポリシーが良く分かる。このマザーはよろしいみたいですね。ただしPro-Uは4つほど省略されていた。高クロックでぶん回さない限りどうでも良い所だが。


gmch_dc2
 このコンデンサはチップセットの1.8V用だが、Pro-UではSMDの一般電解コン47μF16Vに格下げされていた。これはタンタル33μFだから文句は無いですね。


soket_dc
 ソケット内は可もなく不可もなく。PLL2のコンデンサ(TC3の事)がMLCCなのは時代背景から当然かもしれないが、この時期でも一般電解を使っているメーカーは沢山あるからね〜。もちろんギガヤバイトm9(^Д^)のことです。


w229bh
 クロックジェネレータW229BHの周辺。ダンパ抵抗が集合タイプでないのは気に入る。これは勿論意図的にやっており、集合抵抗タイプはクロストークが多いので性能が下がるからだろう。筆者は交換の容易性からもこのタイプを好む。通常は省略されがちな小容量コンデンサも全て付いている。しかし3.3Vラインと2.5Vラインのコンデンサが通常電解コンなのは戴けない。ここはタンタルかMLCCの10〜22μFにすべきところである。


dumper
 Vttの終端抵抗。これは何でこんな風についているんだろう。独創的な回路を組むAOoenの事だから何か目的があるのだろう。わざわざ複雑にしているのだから、性能向上の手段である事は疑いない。

 ところでVtt用のレギュレータICであるRC1585の出力コンデンサが無いじゃん。これって筆者は絶対に必要な物と認識しているんだけど。余裕ある5Aだから出力コンデンサは要らない?そうでもないと思うが。



 以上見てきたように、Pro-Uとは勝ったり負けたりで同程度。しかし地雷のLelonを使っていないということで、耐久性も含めた品質はこちら(Pro)に軍配が上がるだろう。筆者のように交換が苦にならない人ならどちらでも良さそうだが。でも部品の付け間違いがあるからなあ。



★同時にCeleron900(SL5LX)も借りたので、次回は無理しない程度に回してみます。

AX3S Pro-U(完結編)

 恒例のスイッチング波形測定。まずはデバイス構成。VRMコントローラは第6世代では珍しいフェアチャイルド製(RCシリーズはオリジナルではない筈)。末尾の85がVRM8.5準拠であることを表している(と思う…予想)。FETを上下で変えているところが渋いですね。上がスイッチングスピード重視、下がRds-on重視と言うところでしょうか。この組み合わせはSAHARA3810でも見られた定番であります。


VRMコントローラー:FAN5056MV85
スイッチングFET上:FDB6035AL
スイッチングFET下:FDB7030BL


switch
 VRM8.5マシンなのでいつものCeleron300Aは使えない。そこでCeleron566(SL5L5,1.75V)を使用した。リンギングがあるが問題になる量ではない。オーバーシュートは少なくアンダーシュートも問題とはならない。L1外の5Vのノイズも少なかった。電源を見た限りでは良いマザーと言えよう。スイッチング周波数は298kHz。


core
 ついでにコア出力波形も測定する。リプルは少々残ってはいるが、それでも20mVに収まっているので問題は無い。出力コンデンサはまだ充分に機能しているようだ。

AX3S Pro-U(その後)

 一日寝かせたら何故か最速設定が通るようになった。相変わらず差す位置によって相性が出るのは変わっていないが、前ほど酷い相性も無くなった。やっぱり使ったコンデンサ(松下FC)が古くなってボケていたのだろうか。使う前に喝入れ(電圧処理)をやるんだったな。メモリ関連のコンデンサは変えていないが、Vtt1.25Vのコンデンサは変えたのでその影響だろう。


301mb
 ついでにビデオカードを差して最速設定で回してみた。P6のSDRで300MBを超えれば上々だろう。前回FSB133の数値が悪かったのは内蔵ビデオだから。内蔵ビデオのときは全て強制100MHzになってしまうようだ。とりあえず、オーナーに顔が立つ程度の物は出来たので完成とする。


 余談ながらAOpenのBIOSは本当にアホだ。CPUを交換するとTime以外の全てのBIOSデータがクリアされてしまう。もちろん他社製もCPUやメモリデータはクリアされるが、マッサラにされてしまうのはこのBIOSだけ。CPUを換えたからと言ってPeripheralsデータをクリアする必要があるものか。やっぱりアホだ。

AX3S Pro-U

 友人がジャンクで手に入れた物(Rev.37_7B)。手に入れた時点で、AOpenマザーの地雷とも言うべきLelonRXA1000μF6.3Vが電解液を噴いていた。重要なCPU周りのコンデンサは日本ケミコンKZE2200μF6.3Vなので問題は無い。事実、噴いた状態でもマシンは難なく起動する。しかし不良コンデンサを放置することは出来ないので交換する。噴いた物を知らずに使っていると、漏れた電解液で基板配線が腐食して再起不能になる(可能性がある)。


zenkei1
 噴いたコンデンサを全て抜き去った。試しにこの状態で、MEMTEST86+を走らせたらエラー無く完走できた。要らないんじゃない?(^^;


lelon
 LelonRXAは(データシート上の性能では)三洋WX相当である。1000μF6.3Vの8φx11.5mmサイズはデータシートには記載されていないが、同じ大きさの560μF6.3Vが同等品である(70mΩ/570mA)。容量には特に意味は無いので同等以上の性能なら何でもよいが、余っている松下FC470μF25V(68mΩ/1050mA)に交換。10φx16mmなのでサイズ的にどうかと思ったが、幸いコンデンサ周りには何も無いので問題は無かった。


agp
 TC22はパターンのみで空いていたが、TC21のパラレルなので追加した。TC21ですら無くても動く位なので、効果は殆ど無いでしょう(笑)。但しAGPカードを付けた時は分からない。


pci
 PCIバスの2本は10φx12.5mmのルビコンZL470μF16V(53mΩ/1030mA)を使用する。これは背が高いとカードに当たる危険があるため。これでこのマザーの形而上学的寿命まで持つだろう。TC28は趣味の追加であるが、ATX電源の3.3V直結ラインなので省略はまずいんじゃないか?


gmch_dc
 GMCH裏のデカップリング。右下の2つが追加分で、TC20のパラレルとなっている。OC時に安定する可能性がある。容量は0.1μFだがベストかどうか分からない。残りの左上の2つは信号ラインっぽいので触らない方が良い。



 テストのため何も付けずに電源を入れてみた。そうしたら「CPUだめじゃん」とかしゃべりやがった。発作的に二枚に折って捨てたくなった(他人のだけど)。いちいちエラーのたびにしゃべるのだろう…鬱陶しい奴だ(消せるけど)。次にCPUだけ付ける。すると「メモリいけてない」とか何とか。メモリを付けたら「キーボードないしむかつくぅ」これでまたブチ切れですよ。しかしこれ、CPUが付いていなくてもしゃべると言うのは、BIOSとは関係ないソフトが頭に入っているんでしょう。これは不安要因が増えますね。


zenkei2
 VRM8.5はP-PGAには対応していないので、最初はFC-PGAのSL46Tでテストした。元々動作に問題は無かったので正常に動作する。1.30Vにしたり、MEMTEST86+を掛けてもなんともない。但しメモリにはうるさい。どうやら差す場所による模様。

 次は鱈でテスト。初期ロットの#77以外で、R1.07以降のBIOSならば鱈が動く(鱈鯖は公式には未対応)。ここではSL5VPでテストしてみる。当然、FSB133MHzx10倍動作に期待がかかる。まずFSB100MHz。ヒートシンクにグリスが付いていないが(面倒だから塗らなかった)、特に問題なく立ち上がる。MEMTEST86+を完走したのですぐにFSB133MHzへ。これも難なく起動。


memtest
 MEMTEST86+は順調に周回を続けているが、地のメモリが異様に遅いことに気が付いた。191MBというのは河童コアのSL46T+440BXより確実に遅い。キャッシュは流石に高速だが、地のメモリが遅いのでは大したパフォーマンスが得られないのではあるまいか。何しろFSBは2倍である。倍速とはいわないまでもそれに近い数値を期待していたのでガッカリだ。シェアメモリのせいもあるが、i810やSiS630でもこれくらいの数値は出ていたので言い訳は出来ない。これはマザーのメモリ設定が遅くしてあるからだ。遅くしないとメモリエラーが出るので仕方が無い。

 しかし曲がりなりにも1.33GHzである。この数値を見る前に普通の人は第6世代を卒業してしまっただろうから、案外こんなクロックを見たことのある人は少ないかもしれない。筆者も6世代で1.33GHzは初めてだ。既に遠い昔にAthlonで超えてしまった周波数ではあるが…。それでもこの状態で、SiS650+Celeron2.0GHzといい勝負が出来るし、体感では勝っている。

HSDL「修理・改造の歴史」

ホントどうでもいい(^^;

今日のライザーカード

 「今日のP6STP-FL」延長14回の表でVcc1.5V(AD36)とVcc2.5V(Z36)のデカップリングをやったが、実際に試してみて効果が高いような気がしてきた。具体的には、オーバークロックした時や低電圧駆動したときの限界が伸びる。

 手直に有ったライザーカード2枚を早速改造。Vttはここだけじゃないが、何故かここが一番効くようだ。他のところは使っていないものもあるみたい。P6STP-FLのノウハウは確実に生かされていますね。ところで久々にハンダ付けをやったら、手が上手く動かないのでイライラした。やっぱり2週間もやらないとまずいようだ(この記事は7/24の記事より前に書かれている)。
vtt_clk


 一頃はデカップリング中毒になって"デカップラー馬鹿"と呼ばれていた。最近はそうでもなくなったが、やっぱり市販機器のデカップリングは不充分と感じる。特に今回のようなSlot1ライザーカードにはどうしようもないのが多い。普通の人は知らずに使っているわけだから、大丈夫と言えば大丈夫なんですけどね。普段は相性で片付けている、何となく不調の原因がこれだったりする。
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