マザーVRM焼損とコンデンサの相関
まずユーザーの責任に依る事故だが、マザーボードの仕様外のCPUを付けた為にVRM焼損事故は起こる。ピンアサインOK＋電圧供給が出来るからといって対応しているわけではないということを知るべきだ(電源の限界は経験によって見ただけで大体は解るようになる)。
もちろん一時期有名になった不良コンデンサによる事故もある。しかし意外に多いのが前記のユーザーの責任によるものである。特にP6世代SC242(Slot1)マザーでは殆どがこれによるもの。消費電力Wが同じ若しくは下であっても、最大電流Aが多くなっていれば危ない。KlamathとTualatinの消費電力は同程度だが、VRMはTualatinの方が比較にならないくらい厳しい。
★破壊の仕方
破壊の流れはこんなもの。仕様外CPUを付けると概ね設計値以上の過大な電流が流れる。そして…
�，泙再�力コンデンサが過大リプルにより損傷する。日本製コンデンサ等だと耐えて破損せずに�△帽圓�場合もある。壊れなくとも平滑不足によりFETの加熱を招く。
�⊂綢�FETが加熱・焼損。平滑が不足すると多くの場合上(スイッチング)FETが破損する。
�Ｋ悗匹��△涼奮�で停止するが稀に下側FETが不良または焼損。この時ステアリング・ダイオードが(あれば)同時に燃える場合がある。
VRMが焼損しても電圧がかからなくなるのでCPUは無事なハズだが、運が悪ければ過大な電圧で破損する。下側FETが根性で暫く(数ms)耐え抜いた場合、5VがCPUに直接掛かるからである。VRMコントローラが賢ければFETが耐え抜いている間に瞬時にスイッチングを停止する。もしCPUが死ななかったらVRMコントローラの大手柄。もうスイッチは入れないで直ちに修理する。止まっただけで燃えていない場合には入力コンデンサ交換だけで済む場合もある。
ところが殆どの素人は、安全機能で電源が落ちると何も考えずにまた入れようとするんですね。結果としてマザーは基板焼損等の致命的ダメージを負って再起不能になる。止まっただけなら(多くの場合)コンデンサ交換(+FET)で済んだのに。
7世代以降は12V入力(＃コネクタ)なので更に「罪と罰」が大きい(殆ど助からない)。入力コンデンサだけは良い物を使おう。出力を重視する人は多いが、ここは石が動く範囲ならソコソコ適当でよい。特に定格動作ならば出力コンデンサを換えても性能は全く変わらない。
★入力コンデンサの厳しさ
この構成を見れば分るとおり、入力コンデンサ(C_in)は遮るもの無くスイッチ(Q1)に直接繋がっている。コンデンサが傷みやすいのは一目瞭然。これに対し出力(C_out)はインダクタ(L2)を間に介しているのでリプル的には非常に楽。出力が厳しいのはリプルではなく、超高速に吸ったり吐いたりという「充放電の厳しさ」だ(だからESRが重視される訳ね)。
素人考えではここで、「入力もインダクタ(L1)の外に付ければリプルを浴びなくて良いのでは？」と思うだろうがそれはダメ。何故なら入力コンデンサの役割はその「強大なリプルを緩衝するため」だから。防壁(インダクタ)の外で仕事は出来ないのである。
厳密に正確ではないがイメージで解りやすく言えば、スイッチングFETは自分の投げたリプルが跳ね返ってきてぶつかって死んでしまうわけ。だから投げたリプルを受け止めてくれる入力コンデンサが必要なのだ。いわば入力コンデンサがリプルを浴びるのは宿命というか義務である。入力コンデンサを良くしろというのはそれが理由だ。
冒頭に書いた「電源の限界は経験で解るようになる」だが、台湾製の1000μF6.3Vが2本だけで入力を構成しているようなマザーでは99.9％で1GHz以上は無理。「ウチでは普通に動いてるよ？」という人も居るだろうけどそれは運(部品の個体差)が良いだけで、危ない橋をギリギリで渡っているのは間違いない(鈍感自慢は恥ずかしい)。ましてやそれで「故障した！どうしてくれる？」等と騒ぐのはクレーマーか吉害としか言いようがない。
やっと終わった。
まずユーザーの責任に依る事故だが、マザーボードの仕様外のCPUを付けた為にVRM焼損事故は起こる。ピンアサインOK＋電圧供給が出来るからといって対応しているわけではないということを知るべきだ(電源の限界は経験によって見ただけで大体は解るようになる)。
もちろん一時期有名になった不良コンデンサによる事故もある。しかし意外に多いのが前記のユーザーの責任によるものである。特にP6世代SC242(Slot1)マザーでは殆どがこれによるもの。消費電力Wが同じ若しくは下であっても、最大電流Aが多くなっていれば危ない。KlamathとTualatinの消費電力は同程度だが、VRMはTualatinの方が比較にならないくらい厳しい。
★破壊の仕方
破壊の流れはこんなもの。仕様外CPUを付けると概ね設計値以上の過大な電流が流れる。そして…
�，泙再�力コンデンサが過大リプルにより損傷する。日本製コンデンサ等だと耐えて破損せずに�△帽圓�場合もある。壊れなくとも平滑不足によりFETの加熱を招く。
�⊂綢�FETが加熱・焼損。平滑が不足すると多くの場合上(スイッチング)FETが破損する。
�Ｋ悗匹��△涼奮�で停止するが稀に下側FETが不良または焼損。この時ステアリング・ダイオードが(あれば)同時に燃える場合がある。
VRMが焼損しても電圧がかからなくなるのでCPUは無事なハズだが、運が悪ければ過大な電圧で破損する。下側FETが根性で暫く(数ms)耐え抜いた場合、5VがCPUに直接掛かるからである。VRMコントローラが賢ければFETが耐え抜いている間に瞬時にスイッチングを停止する。もしCPUが死ななかったらVRMコントローラの大手柄。もうスイッチは入れないで直ちに修理する。止まっただけで燃えていない場合には入力コンデンサ交換だけで済む場合もある。
ところが殆どの素人は、安全機能で電源が落ちると何も考えずにまた入れようとするんですね。結果としてマザーは基板焼損等の致命的ダメージを負って再起不能になる。止まっただけなら(多くの場合)コンデンサ交換(+FET)で済んだのに。
7世代以降は12V入力(＃コネクタ)なので更に「罪と罰」が大きい(殆ど助からない)。入力コンデンサだけは良い物を使おう。出力を重視する人は多いが、ここは石が動く範囲ならソコソコ適当でよい。特に定格動作ならば出力コンデンサを換えても性能は全く変わらない。
★入力コンデンサの厳しさ
この構成を見れば分るとおり、入力コンデンサ(C_in)は遮るもの無くスイッチ(Q1)に直接繋がっている。コンデンサが傷みやすいのは一目瞭然。これに対し出力(C_out)はインダクタ(L2)を間に介しているのでリプル的には非常に楽。出力が厳しいのはリプルではなく、超高速に吸ったり吐いたりという「充放電の厳しさ」だ(だからESRが重視される訳ね)。
素人考えではここで、「入力もインダクタ(L1)の外に付ければリプルを浴びなくて良いのでは？」と思うだろうがそれはダメ。何故なら入力コンデンサの役割はその「強大なリプルを緩衝するため」だから。防壁(インダクタ)の外で仕事は出来ないのである。
厳密に正確ではないがイメージで解りやすく言えば、スイッチングFETは自分の投げたリプルが跳ね返ってきてぶつかって死んでしまうわけ。だから投げたリプルを受け止めてくれる入力コンデンサが必要なのだ。いわば入力コンデンサがリプルを浴びるのは宿命というか義務である。入力コンデンサを良くしろというのはそれが理由だ。
冒頭に書いた「電源の限界は経験で解るようになる」だが、台湾製の1000μF6.3Vが2本だけで入力を構成しているようなマザーでは99.9％で1GHz以上は無理。「ウチでは普通に動いてるよ？」という人も居るだろうけどそれは運(部品の個体差)が良いだけで、危ない橋をギリギリで渡っているのは間違いない(鈍感自慢は恥ずかしい)。ましてやそれで「故障した！どうしてくれる？」等と騒ぐのはクレーマーか吉害としか言いようがない。
やっと終わった。
