ずっと昔のまだ前世紀に買って、組み立てはしたが使わなくて放置していたマザー。ご覧の通りのATマザーである。ここ2、3年で起動した記憶が殆どない。ケースに入ったマザーとしてはいくら気の長いHSDLでも整理対象なのだが、このマザーがATフォームのため長生きしているのだ。しかしこのたび親会社(いまだにATケース使用)に採用されることが内定したので、オーバーホール&点検してやろうというわけだ。10年物だからアルミ電解コンデンサは全て交換対照となる。
zenkei
 いつものようにまずはコンデンサを電圧によって色分け。基本はATマザーだから3.3Vはボード上で作られ、ATX電源の3.3Vは使われていない。ボード上では3端子シリーズレギュレータによって5Vから実測3.4Vを生成している。あまり電力の大きなカードはつけられないが、品質から言えばこちらの方が断然良い。要は使う人間(の頭)次第である。



rc5051m
 このマザーはリヴィジョンによって河童対応とそうではないのがある。これはコントローラがRC5051Mなので対応している。本来ならRev2.4は対応していないはずだが、Web上の情報だけではアテにならないので自分で確かめるしかない。動かないと思っていただけにちょっとラッキーな気分(今まではカトマイ550MHzを使用)。



glaycore
 珍しい灰色のトロイダルコア。これは何だろう、灰色を使っているのは28材とか33材とかだけど。まさか3材じゃないよね?アレはRF用だからなあ。C37は追加したいところ。



coreout
 CPU周りは三洋DX1200μF6.3Vが使われている。まだギガバイトが安定していると信じられていた頃のマザーである。実際はそれはウソで、BIOSで思いっきり緩めてあるのと殆ど弄る所が無いからだ。例を挙げればFSBなど66/100MHzの二通りしかない。つまり遅くて弄れないから不安定にならないだけだ(品質は違うがインテルマザーと同じ)。チップセットのレジスタを弄ると速くて不安定になるのは他社製と同じ。しかしMLCCが省略されていないのが21世紀のギガヤバイトm9(^Д^)との違いだ。ここはポイント高いですね。



jenpo
 JENPO330μF25Vですか…後のギガヤバイトm9(^Д^)の萌芽が見られる。全部交換だが何に変えるかが資材担当者の腕だ。CPU周りは三洋WG1800μF、それ以外は優先的に消費したい奴に変える。Vtt1.5Vはシリーズレギュレータだから容量に迷いますね〜。あまりESRが低くなくて、容量が470μF程度の物が良い。LT108x(及び互換品)程ではないと思うが、超低ESRコンデンサでは発振したり不安定になる危険がある。LX838xはP54C時代のCPUコア電圧レギュレータ向けらしいが、当時はこれで足りてたんだねえ。



atx_at
 P2B-Bもそうだが、過渡期の製品だから電源はATXと両用である。このお陰でACPIに対応できるわけだが、古いACPIリヴィジョンだからまともに動作するかは分からない。恐らくS3、S4は無理でしょうなあ。

 間抜けなところも見てほしい。CPUFANコネクタがメモリの向こう側にある。勿論リテールファンはコードが届かないので普通には使えません。GIGAヤバスww。だが大きな欠点はこれくらいである。



vmem
 これらは恐らくVmemのデカップリングと思われる。台湾製なので勿論交換だが、オリジナルの330μFでは足りない。ここは三洋WG1000μF6.3Vを2本使用する。実用マシンなのであまりケチらない。



3vreg
 このレギュレータICが3.3Vを生成している(実測3.43V)。出力コンデンサが1本に省略されているので元に戻す。しかしあまり低ESRな物は使えないので、ルビコン220μF25Vを使用。買ったものが早速使えて嬉しい。チビコンは2本ともCHOYO22μF16Vなので、これはいつものニチコンPJ22μF50Vに交換する。



pci_dc
 PCIスロットも全て台湾製が使われている。JENPO[WR]330μF25Vは三洋WG1000μF6.3Vに交換する。



clock
 上側のICが、このマザーの大きな欠点の一つであるクロックジェネレータ。当時の規定の100/66MHzしか生成できない。このおかげで遊びには使えないし、FSB133MHzという野望も実現できない。下側のICはSD-RAMバッファ。DIMMが4本なので必須といえる。



atkyb
 これはレガシーフリーじゃありません(笑)。ATマザーはキーボード以外は全てブラケットで接続する仕様である。LPTとCOMは必要ないと思うが、MOUSEとUSBは付けなくてはなるまいなあ。USBは2.0のカードを付けても良いんですけどね。



switch
 一応計測してみよう。スイッチング部分は特に問題ない。メガ単位のリンギングが見えるが気にしないでも良い。スイッチング周波数は302kHzで、これはRC5051Mの標準周波数300kHzとほぼ同じ。



output
 コア電圧出力波形は特に文句はない。三洋DX採用と、丁寧に大容量MLCCを貼った効果であろうか。この熱意を入力部分にも振り向けて欲しかったが…入力部分はショボイ。ちなみに低電圧下げ運用の場合は、出力コンデンサを強化すると非常に安定する。オーバークロック(&喝入れ)には何故か効果は薄い。



 以上色々書いたが、ボード上に知らないパーツが全くないので回路は解りやすい。枯れたパーツばかりだし、それなりに信頼しているマザーである。次回は実際に部品を交換してみる。

 余談ながらこのマザー、オークションではかなり高値で取引されている模様。ATフォームはアップグレードパスが限られており、例の唯一のP4マザーを除けばこれくらいしかないのが実情(アポロは遅いし…)。440BXマザーではP2B-Bもあるが、あれはPCIが3本しかなくて実用性が下がる。これを買ったときはタダ同然に安かったんですけどね。