MS-8861がなかなか決まらないので次いってみよう(^^;

zenkei
 例のSPECTRA5400ドライバにBIOSを破壊されたビデオカードである。TNT2Pro+SGR32MB搭載の、限りなくリファレンスに近いカードだ。TNT2ProとTNT2Pro/M64は他のTNT2シリーズより製造ルールが細かく、低消費電力で低発熱ということだ。実際に使ってみても、超小型のヒートシンクの割りには発熱が少ない。

 特にハンダ面が汚かったので洗ってみた。洗剤とブラシでゴシゴシやってしまう。表面が完全乾燥したあと更に一日放置する。カードエッジに多少は傷があるから新品同様とまでは行かないかもしれないが、ジャンク出身とは思えない状態になった。


★観察してみる
lt1575
 電源部はリニテクのLT1575が使われている。高速型LDRで5世代MMXCPUコア電圧用にも充分に対応できる。このCT6870では入力コンデンサが省略されているように見える。横にあるC50(10μF6.3V)は入力と言うにはあまりに離れ過ぎているからだ。スペースは充分にあるからレジストを剥がせば至近に載せられるけど、それなりに汚くなりそうなので止めておこう。出力コンデンサは47μF10Vのタンタルだが容量が少ない気もする。↓Vmemがないから電源回路も簡単。

circuit
 またR115とR118で構成されるデバイダでコア電圧(デフォルトは2.5V)を変更できる。計算はVout=(1+R115/R118)*1.21Vという見慣れた式だ。


c31_80
 C31、C80は3.3Vラインに接続されている。10μF6.3Vのタンタルである。メモリ用であろう。


uramen1
 これは裏面。C100、C128の10μF6.3VのタンタルはVcoreに繋がっている。今気づいたが左下のC137が取れていた。勿論洗う前からで、これは道端ダンボールやワゴン出身ジャンクの宿命か。R90と直列なのでパスコンではないし、かと言ってダンパでもないので値は判らない。


★部品交換
 そもそも載っている部品が極端に少なく、また液電解などは使われていない。部品交換の余地は無いと思っていたが、観察しているうちに色々弄りたい所が出てきた。パーツは余剰品で間に合いそうだし、何しろすぐ終わりそうなのでやってみる。

・Vcore出力の47μF10Vタンタル
 手持ち交換要員は68μF10V、F95_100μF6.3V、TPC220μF等だが、68μFだと全く変化が感じられないし、F95は次で使用するのでTPC220μFで行くことにした。

・C50の10μF6.3Vタンタル
 Vcoreレギュレータの入力コンデンサ?とも考えられる。だとすると10μFでは全く足りないのでF95の100μFに増量。これはサイズが極端に小さくてソコソコ低ESR(400mΩ)、リードフレームレス+片面電極でESLが大変小さい。しかし末尾に書くが使い辛い…。

・C100、C128の10μF6.3Vタンタル
 TNT2ProのVccデカップリング・コンデンサである。ここはかなり熱くなるのでタンタルは止めといたほうが良さそう。3216のMLCC10μF16V(中古)で。MLCC(積層セラミックコンデンサ)はマークも入っていないし(笑)外見が貧乏くさいので、外見重視のHSDLではあまり使いたくないが仕方ない。

・C31、C80の10μF6.3Vタンタル
 メモリクロック25%アップでultra仕様を目指す。搭載メモリはSECの7nsだが6nsが欲しかった。TNT2Proは本当は6ns(=166MHz)が標準なんだけど。ここもF95の100μFを使用。


 と…もっともらしく考えて選んでいるように見えるが、長年のHSDL愛読者の皆様にはもうお分かりのように、これはF95とTPCを使う為の改造である。つまり↑コンペも出来レースということだ(笑)。


★結果
 全て予定通り交換しました。部品除去から実装、洗浄まで30分もあれば余裕で出来るのでマジお勧め。まともに一個ずつ部品を買ったら現状のボード価格を超えそうだが…。

 元々シリーズレギュレータなので静的リプルは無いに等しい(測定限界)。動的特性はチップを剥がさないと正確に観測できないのでパス。しかし悪くなっているはずは無い。波形を見てみたが妙な突起も無くきれいなもので、発振したり不安定ということは無いようだ。取り合えずタンタルのエージングが終わるまでは評価は保留する。


★ニチコンF95について
 今回初めてタンタルのF95(ケースB)を使ったが、プラス側の「キューピーの角」(笑)が邪魔でしょうがない。この角はてっきりハンダゴテ当てたら溶けると思ってたよ。これって削っちまったらイカンのだろうか(…構造上必要みたいです)。

 加えて丸っこくて細いピンセットでは掴みづらく、平面性がやたら悪くて曲がってしまう。綺麗に付けるには相当の熟練が必要な模様。次回はもう少し上手く付けられるだろうか。今回は位置が決まらず熱しすぎて少々不安だ。ケースはレジンモールドではなくエポキシ樹脂なので熱で変質しやすい。ハンダ付けが上手くない人には全くお勧めできない物件。

 それでも使いたい人はこちらへどうぞ。ESR以外の性能はタンタルコンデンサとしては最高峰の部類に入ることは間違いない。特にMuseF95なんて、オーディオ用ではこれ以上のものは無いんじゃないかな。