2007年夏、この「古のマザー」を書く時に禁断のマザーボード洗いに初挑戦。その結果は見事に動作不良になった。それ以来放置していた記事。



zenkei
 HSDLではメジャーな物を記事に取り上げることは少ない。まだ使っている人が多いマシンをクソミソに書いたら恨まれそうだから(という訳も無いが)。しかし既にP6世代は全てマイナー機種なのだから、そんなに気を回さないでも(何を取り上げても)良いのではないだろうか。

 という事で今回の犠牲者?はP2B-Fである。P2B〜系は沢山有るので改造して壊しても実害はあまり無い。一応世間では名板と呼ばれているこのマザーも、実は結構怪しいところが見られたりする。いずれその辺も見ながら修正改造で行ってみよう。

 レイアウトで特におかしな所は見受けられないが、FDDケーブルがVGAカードと干渉しそうな気がする。筆者はバラックなので反って良い位置と言えるのだが。


vrm
 P2B系を持っている人なら知っているだろうが、VRMコントローラの種類によっては河童コアに対応できない。具体的にはHIP6019BCBなら良し、HIP6019CBは古い品だ(実は筆者は旧バージョンを引いたことがないのでよく知らない)。PII対応品でも結構遊べるのだが。

 P2B-Fのコンデンサは大別して3種類ある。当たり、普通、ハズレである(笑)。当たりは出力が日ケミLXZで入力が同KYもしくは三洋GX。普通は出力がルビコンYXGで入力が三洋GX。ハズレはこのマザーで、出力がTAYEHで入力がルビコンYXGである。みんなは知っていたかな?とりあえずそろそろ10年物マザーなので、日本製であっても寿命だから交換は必須と言って良い。なお出力コンデンサとボード上の8φコンデンサは同じ物が使われる。

 このマザーは殆ど全て8φの電解コンが使われている。パターンが10φのコア電圧入力コンデンサ以外は部品の選択肢が狭くなっている。こういう部分ではコンデンサが太いP3B-Fやギガヤバイトm9(^Д^)マザーが羨ましくなる。ちなみにCPU脇に1000μF6.3Vが11本あるが、ファンコネクタの横の1本(これは5VSB)を除く10本がコア出力である。当時としては充分な容量を確保している。

 ついでに言うと、このマザーはコンデンサが膨らんだとか破裂したとか言う事例が全く見られない。載せるCPUも緩いが仕様で手抜きしていないからだろう。MSIのBX-Masterは同じような仕様(8φコンデンサ)だが噴いているのを見たことがある。TAYEHはDFIでも使われていたし、そんなに無残な物ではないような気がする(TEAPOに似ている)。尤も第7世代マザーには絶対に使いたくないが…。

 入力コンデンサはルビコンYXG1000μF6.3VのASUS特注20Lバージョン耐リプル仕様である。これはYXG1200μF6.3V(69mΩ/1050mA)と同等の性能を持っている。この部分は基板設計で10φサイズが使えるので選択の余地は大きい。入力重視で4本立てられるようになっているのは流石にASUSと褒めておく。同世代の他社は2、3本しか付いていないのだ。


vio33v
 この電源はVio出力である。立派なスイッチングDC-DCだが、ノイズの観点から見るとあまり望ましくない。これが2流メーカー製ならレギュレータICを使ったり、ATX電源から直流ししてくれたと思うが(笑)。しかしレギュレータICだとビデオカード次第では燃えるし、直流しだとATX電源の品質の影響を受けやすい。ウンコATX電源では起動しない場合だってある。

 電圧はASUSのデフォルト3.5Vになっている。電圧を上げると稼動範囲が広がるのは皆様も良く知っていると思うが、実はVmemは動作できる範囲内で出来る限り下げた方が良い。実験ではその方がノイズが減るのかメモリ性能が上がった。これは経験的に発見したのでどのメモリでも有効とは限らないが、定格動作性能を向上したい場合にはやる価値はある。複数のマザーやメモリで同じ現象だったので、意外と信頼性の高い情報だと考えている。


vtt15v
 ここはVtt(GTL)電源である。元回路ではFETだがバイポーラTR(2SD1802)に変更して安く上げている。このマザーの最大の欠点はここにある。別にバイポーラTRがいけないわけじゃなくて、出力のコンデンサが極限までショボイからだ(注)。リファレンス回路では1000μF×4と言う重装備であるのに、当マザーではご覧の通りである。

 筆者の実験では元回路ほどは必要ないが、一般用で満足いくのは1000μFが2本くらい必要だった。低ESR物ならその半分以下の容量でも大丈夫。これが後のP3B-Fだと省略が無くなるが、それでも全く足りない。もっともFSB133で使うのは仕様外の邪道だからこれで良いのかもしれない。

 鱈用に改造するとなると、ここの電圧をAGTL規格の1.25Vに下げなくてはいけない。高精度は必要ないので規定内の1.30Vを目標にする。どちらにしてもピンマスクはしなくてはいけないのでやらなくてもよいが、CPUの安定性と寿命のためにはよろしくない。発熱が激減するという報告も見たことがある。

 電圧はフィードバックをごまかすことで変えられるはず。具体的にはリファレンスで言うところのR11、ボード上ではR25を変更する。R25とR27で分圧したものを、HIP6019BCBの19番ピンに入力するわけだ。恐らく1.30V程度にすれば、SC242のカードエッジで減衰して1.25Vに近づくだろう(←テキトー)。



注:HSDL記事で扱った物では、DFIのエントリーモデルのCB61は1000μF6.3Vが使われているし、お馴染み(安)P6STP-FLも1000μF6.3Vが使われている。何れも台湾製ながら低ESRタイプの物で、このマザーのように100μFの一般用(1本省略)とタンタル10μFなんていうのはあまり無い。P2B-S(Rev1.02)ではここに苦労している人を見つけた。P2B-Sは更に状況が悪いようです(笑)。SCSIオンボードの高級機なのに普及機と同等以下のウンコって言うのはどうよ?ASUS。



clock
 クロックジェネレータはICSの9250BF-08でPCI1/4が可能だ。まあこれはどうでもいいんだけど、筆者はネットワーク抵抗に注目した。SD-RAMのラインに0Ωが付いているが、一体どの周波数で最適化しているのだろうか(普通22〜33Ωが付いてる)。交換用の低抵抗のネットワーク抵抗は手に入りづらい。あまり真面目には探していないけど、アキバの店頭では見つけられなかった。千石には面実装集合抵抗コーナーがあるがkΩ単位の浮世離れした奴ばかりだった(普通そんな高抵抗のネットワークは使わないんだけどな…)。

 それはさておき、このマザーはクロックバッファも付いていないようだし、波形整形は重要だと思う。ここは実際に波形を見ながら調整したいところだが、抵抗の付け外しが面倒くさいのと、そもそも測定器が無いという致命的問題がある。こういう場合は500MHz以上でギガサンプル+A/D10ビット位のデジタルオシロが欲しくなる。



 長くなったので以下次号。