持っていない人ほど?何故か(抽象的に)高評価する不思議なマザー。


zenkei
 FREEWAYのリリースに拠れば「高級回路設計」「高級部品採用」という売り文句だったが、本当にそうだったのか見てみよう。HSDLの調査ではセールスポイントはこんなところかな。

  • Vio3.3V可変
  • ISAレスPCI6本(全マスタOK)
  • 2MB外部キャッシュ
  • 赤いボード(笑)
  • Ultraが付くとDMA66対応

 型番末尾にUltraが付くとサウスが686AになりHDDがDMA66になるが、アポロ系は686Bまでまともではないので特徴と呼びたくない。なにしろDMA33のi440BXに負ける場合がある。2MBキャッシュはK6IIIやK6+のオンダイキャッシュがあれば殆ど役に立たない。色つきボードは当時は大変に珍しく、持っているとうらやましがられたりした。一般的になってきたのはギガのブルーサンダー(鱈板)あたりかな(当時は白やピンクや黒やらいっぱい出てきた)。Vio3.3可変が一番のウリか?


★CPU周り
vrmout
 コントローラはハリスのHIP6008CBで、これがこのマザーの最大の欠点か。いや設計が悪いんじゃなくて、このコントローラチップがMMXペンティアム時代の物だから。これによって出力が下2.0Vからしか出ない。モバイル系のK6シリーズは全て喝入れになってしまう。使えねー。HSDLはご存知の通りモバイルK6-2(1.8V)が主力なのだった。ちなみにチップはP5Aも同じで欠点も同様。

 出力コンデンサは1000μFが4本だけだ。さすが省電力のSuper7としか言いようがないが、まあPIIのTiger100(TYAN)のことを思えばこの程度で良いのかな。この時期はGA-5AXのように強烈にしょぼい奴(330μF×6)もあるし。それはそうとこのパターンの引き方はウルトラCだな。出力コンデンサ群の中にコントロール回路が載っている。

 メインコンデンサは三洋CG1000μF6.3Vだ。GA-5AXのCHOYO[XR]330μF25Vよりはマシだが、P5AのルビコンYXG1000μF6.3Vには遠く及ばない。「高級パーツ」と誇るほどではないだろう。現在はデータシートは手に入らないが、後継である現役のCZよりやや落ちるくらい。ちなみに赤くない奴(TMC版)は三洋じゃないみたい(台湾製かも?)。

三洋CZ1000μF6.3V[260mΩ,450mA]
ルビコンYXG1000μF6.3V[130mΩ,640mA]


vrmsw
 これがコア電圧レギュレータ・スイッチ部分。HIP6008CBは懐かしの非同期整流なので、下側はFETではなくショットキーDiが使われている。もはやこの時代であっても古い回路で、AX59Pro(AOpen)の広告に「うちのは高効率な同期整流方式を使ってます。ふふん」と自慢げに書いてあったのを覚えている。ちなみにAX59の電源はPIIマザー並みでSuper7では最上の部類に入る。


 このページでソフト的にはかなり厳しくチェックされているが、外部キャッシュが付いてこないらしい。HSDLでも興味深く思い試してみたが、何と112MHzでMEMTEST86+がエラーを吐いて止まってしまった。キャッシュが足を引っ張っている証拠に、オンボードキャッシュを切ってみたら124MHzで起動した。何のための2MBやら。

 あのねえ、112MHzってゆーけどBIOSでノーマルの一つ上の設定なんですよ。つまりこのマザーはOC機能があるが全く出来ないことになる。実に情けないマザーだ。このまま終わるとただの追試だけど、HSDLは原因を突き止めなくてはならない。

chache1
 基板表。裏にも付いているので変に見えるが、特にパターンの引き方が悪いとも思えない。問題はここには無いようだ。

cache2
 ところが裏はDC(デカップリングコンデンサ)が全く無い。HSDLの見解では原因はDCが表裏共用なので不十分であるということだ。ただでさえ大容量の1MB×2キャッシュに一つ分のDCしか載っていないのだから電荷不足は否めない。

 改善のため今ある容量(0.1μF?)を増やすと、電荷は増える代わりに高周波特性が悪化しそうだ。DCを裏にも付ければよいが、基板が汚くなるのでやりたくない。もう一枚手に入れたらやってみよう。


★メモリ周り
jp7
 謎ジャンパJP7。イヤ別に謎でもなんでもなくて、ただのVio直流しジャンパなのである。これを使う時にはもちろんVioレギュレータを停止する必要がある。ポストピンを立ててジャンパしただけだと電位差が出来てしまい危ない(やらないように)。FREEWAYがこれを使うことは考えられないのでTMC用なんだろう。


vio
 これがこのマザーの最大の特徴である。このレギュレータはVio3.3を幅広く動かせる。何しろコア電圧レギュレータと同構成の物が付いているのだから異例だ。但し出力コンデンサは2本しかないので無事に取れる電流は落ちる。


★サウス周り
agp
 AGPの3.3VにインダクタL13が入っている。もちろんこれは「出る方」を阻止しているのだ。別にAGPカードにきれいな電気を供給して画質を上げようとしている訳じゃないので念のため。そもそもビデオカードはそれ自体が主なノイズ元だから意味が無い。きれいな電気を汚しているのはビデオカード自身なのである。

 ここの部分のノイズは、至近にあるメモリの電源ラインに帰っていくので重要といえば重要だ。このマザーで唯一感心した部分である。


pci
 PCIスロットが6本。極力カードを載せないHSDLには無用の長物だが、ここにカードを並べるのが趣味の奴が確かに存在する。悪趣味って奴だ。この手の悪趣味は、最近はHSDLでもやりだしたので馬鹿に出来なくなった。実用するならやらないけどね。



 回路は正直言って当時としても普通(電源は古臭い)。部品も「高級」というのはギガヤバイトm9(^Д^)比較なんじゃないだろうか(悪くは無いけどね)。キャッシュ周りはお粗末に尽きる。テストしていないのだろうか。それとも個体差なのか?もし個体差なら生産技術に最低の評価を与えるぞ。

 キャッシュ2MBはこのマザーではなくMVP3自体のウリだが、外部のチップセットに繋がったFSB同期キャッシュはオンダイ128〜256kBキャッシュには遠く及ばない。キャッシュレンジが狭い問題もあるし、K6+の人はこんなものは切ってしまいましょう(上記の通り不安定だし)。MVP3自体がSIMM(FP&EDO)サポートで低速な石だし、SD-RAM最適化のアラジンとノースの速度で張り合うのは間違っているような気もする。

 Windowsは面倒なので入れなかった。件のページで色々テストされているし、アラジンより遅いのはもう判っているし…。冒頭に書いたけど、売り文句だけが空しい高級マザーといった所か。どうでもいいけどSuper7で4DIMMスロットのマシンが欲しかったなあ。