友人がアキバ土産に買ってきたもの。勿論使うためではなく「観賞用」である。この物件の恐ろしい所はデッドストックの未使用品というところ。結構長い間店先に並べられていたので目撃した人も多いはず。二つのうち片方は封が開いていたが、もう片方は完全に封を切っていない新品だった。さて何が出てくるのかな。

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 書き忘れたが2種類あり、片方が”OLD JEDEC TYPE”(HM124)、もう片方がHM124R3基板である。”OLD JEDEC TYPE”のほうは「APTIVA-Tには使用不可」とある。この頃はまだFSB100などは無かったのでPC66とは書いていない。箱にもSD-RAM32MBという以外には何も書かれていない。チップ自体は97年製なので製造後12年か。

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 どちらも日本製の丁寧に作られた逸品である。メモリチップも日本製で、日本が半導体でまだ世界のトップを張っていた懐かしい時代の物である。もう二度とこんな時代は来ることはないと思うと感傷的になるね。ここからは坂道を転げ落ちるように凋落していった。


chip
 当時の頂点であった東芝、日立のチップ。コンデンサがタンタル4.7μF16Vなのが時代を物語る。


hoshou
 中には当然保証書も入ってます。5年補償らしいけど、今からじゃダメですか?(^^


 日立と東芝を並べてテスト。10nsなので100MHzでも行けそうだが、当時はSPDの規格は無かったはずなのでデータは無いだろう。WS440BX+SL3CCで回してみたが、レジスタ設定の76Hは[00]、77Hは[01]だった。つまり3-3-3でウエイト全部入りと言う最も遅い設定になった(WS440BXはSPD自動設定のみ)。ちなみに試しでWindows上でSPDを見たら、128MHz/CL1の2GBモジュールとかメチャクチャだった。

 最遅設定にもかかわらずMEMTEST86+ Ver2.11が二度も固まってしまった。Ver2.01か2.10なら動作してテストもパス。やはり198MBと極めて遅い。この組み合わせのSD-RAMなら最速265MBは出るハズだ。両面16チップ(16Mbit)なので、チップ数が多い分だけバラつきも増える。結果として耐性にも問題が出るのだろう。

 HSDLの特攻用のPC66/64MBメモリはNEC純正だが、これは98年製の片面64Mbitチップである。これはSPD対応でPC100/CL3の設定も入っているだけあって、PC100/CL2最速設定でも安定している(最速は120MHz辺りが限界)。たった1年でもこれだけ違ってしまうのが半導体の進化の速さを物語る。まあPC界は四半期で考えるので当たり前だが。


 両面2枚でやっと64MBというのが泣ける。だが当時はFP32MBも普通に使われており、SDRAMを128MBも積んでいればハイエンドだった。筆者はこの頃はまだ猫電PC98でFPのSIMMを使っていたので、当時のSD-RAMを見ると高級感をもってしまう。その後430TX機を手に入れ、急速DOS/Vシフトして行ったのだが…。このメモリはP55C〜クラマス世代のPC/AT機でWindows95と共に使ってみたい。