昔から何かにつけてボロクソに言っている(書いてはいない)マザーである。リファレンスに基づいているので欠陥設計というわけではないが、生産段階で部品が貧弱に改変されているのが気に食わない。じゃあ何故何枚も持っているかと言うと、アキバでは見向きもされないマザーなので手に入りやすいから。ジサカーは普通こんなのは選択しないし、買うのは物のよく分っていない(或いは分り過ぎの)オッサンくらいだろう。

d815eea
 今回、Rev404を手に入れたので、従来のRev207と比較してその移り変わりを生産側の意向を踏まえながら見てみたい。マザーボードの変化は見ていくと寝食忘れるほど面白い。なお部品だけでなく基板も設計変更(リヴィジョンアップ)されているのがなお面白い。

 HSDLのはどちらも牛(GATEWAY)バージョンだが、当時Intelのリテール品が市販されていたし(AC97を搭載していた)、DELLバージョン(電源コネクタが特殊)も有ったりしてバリエーションは豊富。読者も手持ちの奴が有ったら是非比較してみると良い。改変の意味を全て理解できればかなり見る目が出来るハズ。



★P11(最終BIOS)対応CPU
 PPGAセレにもD-step河童にも対応している。鱈以外のSocket370CPUは全部OK。

(CPUID 0x665) PPGA Celeron Processor(Ondie-Cache)
(CPUID 0x681) FC-PGA Pentium III Processor(Coppermine)
(CPUID 0x683) FC-PGA Pentium III Processor(Coppermine)
(CPUID 0x686) FC-PGA Pentium III Processor(Coppermine)
(CPUID 0x68A) FC-PGA Pentium III Processor(Coppermine)


★Socket370
socket370
 ソケット内は大小さまざま(3216が4.7〜10μF、2012が1μF、1608が0.1μF)なDCがちりばめられているが、一番大きな奴(多分タンタル100μF)はどちらのリヴィジョンも省略されている。これはVRM出力がOS-CONじゃない時に使うのだろうか。写っていないけどPLLリファレンスのタンタルが100μFと巨大だ。インテル自身の815Eリファレンス回路では33μFだったのだが。


★SC1185ACSW
sc1185acsw
 お馴染みSEMTECHのSC1185である(注1)。インテルマザーの常道で、かなりスイッチング周波数が低い。実はこのVRMコントローラは140kHz固定の仕様で、スイッチング周波数を変えて遊ぶことは出来ない(注2)。Rev404はダミーロード(約12.4A)を付けた実測で150.2kHzだった。リファレンスよりやや高いが、範囲は仕様でも125〜160kHzとなっており、ここから外れなければ問題は無い(注3)。

 波形はアンダーシュートがやや大きいが問題ない。入力コンデンサが3300μF10V×2というのがHSDLとしては気になるが、L1後の波形は実に大人しくてサージも少ない。スイッチング周波数が他のメーカーと比べて低いのでこれでいいのだろう(注4)。一般的なメーカーが採用している200kHz(注5)とは大きく性格が異なるようだ。

注1:VRMコントローラをPWMコントローラと言う人が居るがそれは明らかな間違い。PWMはこのICの中に入っている機能のごく一部で、実際にはさまざまな機能を包含している。そもそもこれは設計段階から汎用の電源チップではないのだ。

注2:ここも弄れないようになっている…さすがインテル、悪い期待にはこたえてくれる。

注3:何で決まるかは知らないが(運?)、もし125kHzになったりしたら困るな。

注4:但しSC1185リファレンスは1500μF×4である。スペースの関係で不本意ながら2本まとめたのだろう。なおVRM8.4リファレンスでは1200μF×4となっている。

注5:P6マザーでもっとも多いスイッチング周波数は200kHz前後で、次が300kHz前後。これはHSDLの独自調査だが、恐らく世間的にもこんなものだろう。インテルの150kHz前後というのは異様に低い。例によって独自の美学があるのだろう。

★SW_FET
sw_fet
 スイッチ素子は上下ともVISHAYのSUD50N03-07なんだけど、マークはどう見てもSamhopに見える(パチもんはいけませんぜダンナ)。TO252は燃えたら替わりが無いのが激しく嫌だな。燃やさなきゃいいんだけど。またRev404は激しく曲がって付いているのが気になる。他のTRも曲がっているし、お狐様の実装機械がぶっ壊れてるんじゃないのか?(^^;


★VRM_Lin
vrm_lin
 ここは大きな設計変更がある。L1外に大容量のMLCC(C2J1)と中容量アルミ電解(C1K14)が付けられるようになった。これはHSDL好みの大変に良い改造だが、FOXCONNはシカトして付けてくれなかった。いずれHSDLが設計者の意図に沿うよう実装します。

 Rev207は既報どおりニチコンPW3300μF10Vが取れかけている。早いところルビコンZLに入れ替えよう。合わせて4本は消費できる。


★VRM_Cout
vrm_cout
 薄い水色がRev207でOS-CON820μF4V×5、紫色がRev404でOS-CON1200μF2.5Vである。404の頃は1GHzも普通になっていたので強化されたのだろう。このままD815EEA2(鱈対応)にも同じ物が使われているハズ。HSDLは恐らくWS440BXの時のように全部抜いちゃいます。代わりに差すのは持て余し気味のWG3300μF6.3Vかな。ソケット内にも色々追加するのでドン臭くはならない予定。


★Vtt
vtt
 Rev207→404で最も大きく変わったのがこのVtt周り。大幅に強化されている。元が酷すぎたと言えなくも無いが。但し設計側の要望が全て通ったわけではない。いずれHSDLが設計者の夢をかなえてあげます(^^;


★GMCH
gmch
 GMCHはどちらもSL4DFで変わっていない。OCも出来ないので耐性が高くても仕方が無いのだが。メモリコントローラは融通が利かないばかりか、高クロックでは相性が激しくて好きじゃない。基本設計がDRD-RAM用だったんじゃないのか?


★SL4DFデカップリング
815_dc
 予想通りツルツルである。無くても動く物なので当然省略でしょうな。しかしHSDLでは主に見栄えという観点からこれを追加する場合が多い。もちろんFSB133の時はあった方が安定性は高い。1.8Vが0.1μF、3.3Vが0.01μFを実装する。


★Vcore1.85V
v185
 Rev207→404で変わった部分。Rev207は低インピーダンスのPW680μFだったが、404は一般用85℃品のVR470μFに落とされている。恐らくこの予算がVcoreやVtt強化に回されたのだろう。それ自体はトレードオフなので仕方が無いが、経験上は81x系のVcoreは安定性に大きく影響するので元に戻したい。ま、それ以前にニチコンVRは寿命だから交換なんですけどね。


★South
south
 特徴のないサウス付近。FWH直付けはOEM品の常道だがユーザー的にはイヤだな。ぶっ飛んだら剥がして書き換え→再実装となるわけだ(もちろんヤル気なし)。CR2032は色々とウザイのでバッテリーレスに改造したいな。常用マシンのように電源を抜かなきゃ電池は要らないんだけど、HSDLはその都度組み立てる(バラック動作が基本)からそうも行かない。


★ICH2
ich2
 ICH2はSL45HからSL4HMに変わっている。例のATA100バグ取りバージョンかな?あまり評判は良くないチップだが。ユーザーでデバッグするインテルだから、恐らくICHは4からが本番だろう。


★W228BH
w228bh
 何も出来ないクロックジェネレータW228BH。定格以外の周波数は一切無い。これほど徹底しているのはインテル以外採用していないのではあるまいか。同時に本マザーがつまらない最大の原因がここにある。設定可能なのは66/100/133だけであり、スペクトラム拡散も切れない(未確認)。


★CLK_ATX
clock_atx
 特に違いは認められない。電源コネクタを左に寄せて、AUXPOWER(J8J1)と書いてある部分のコネクタを付けたのがDELL仕様。DELL仕様を元に戻すのは逆の手順を踏めばよい。その場合5Vが1ピン足りないから、場合によってはATXコネクタは取り替えた方が良いかもしれない。


★USB_DC
usb_dc
 インテルマザーはノース付近でも平然と85℃品が使われていて萎える。定格使用で完全に排熱すれば問題なかろうし、現に問題が出た話はまだ聞いた事はない。だがこういう風に熱風吹き付け状態でまともな性能を保つのはなかなか難しい。熱風仕上げはインスタントラーメンだけにしてくれ。8〜9年経過しているし、恐らく中身は電解液が激減しているだろう。普通は無くても動くから気付かないだけだ。


★STR LED
str_led
 骨皮の牛バージョンだからスタンバイLEDも省略されている。痕跡を探したらCR5G1にランドを発見した。ちなみに207、404とも同じ番号である。電流制限抵抗はR5G6だが、何と207の方は既に330Ω抵抗を実装済みである。もったいないなあ。抵抗次第で色は一部の高輝度LED以外はどれでも大丈夫だろう。HSDLの忘れられた青色LED(注)が遂にデビューするか?

注:エバーライトのSMD青色だが、データシート上ではVF3.8Vで動かないハズ。しかしLEDを使い慣れた人なら分るように、データシートのVFは全くアテにならない。この辺りはいずれ何かのついでに書く。


 長くなってきたのでまた次回。