fireball_se
 Fireballはご存知の通り全て松下寿製で、日本製の物は四国(高知・愛媛)で製造されていた。チップセットをQuantumが設計した以外は、全て松下オリジナルHDDではないかと思われる。そんな事もあってか、良くも悪くも近親感があったのだ。

 タイトルはSEとしたが、前後のSTやEXについても言及する。要するにFireballのATA-33機種だが、残念ながらELは持っていないので除く。


zenkei_se
 この火の玉シリーズは結局Quantumが吸収消滅するまで同社の看板だった。廉価HDDとして一世を風靡したと言っても過言ではない。そう言えば以前、温度を測る方法を発見したと書いたが、温度上昇の警告だけで温度自体は測れないことが判った。電圧が変動しているように見えたのだが、単に電圧が振れていただけらしい(^^;


zenkei_st
 一期前のFireballSTと比べてみる。非常に似ているが細かく改良の跡がある。あまりにソックリなので、もしかしたら基板を載せかえられるか?でもプラッタ容量が違うので無理か。

 一目で分るのはメインチップの大きさの違い。STよりSEの方が面積がほぼ2/3になっている。STはATA-33のデビュードライブだから、かなりバグ取りが進んだのか作り慣れたんでしょう。他のチップではモータードライバやメモリ、マイクロコントローラは仕様変更無しだが(注)、リードライトASICはリヴィジョンが上がっている。プラッタ容量の変化に伴う物だろう(1.6→2.1GB)。

注:但しモータードライバは松下からフィリップスに、メモリは沖からシャープに変更されている。何れも性能は同等でピンも互換で張替えも可能。


memory
 ところでこの基板の各部の電圧をチェックしていて気付いたのだが、どういうわけか3.3Vラインが存在しない。えー!ウソウソ、じゃあメモリの電源はどうするんだよ〜。と思ってメモリを調べたらMSM511666CというOKIのEDOだった…。どうも最近は新しい技術に毒されていたようだ(^^; なおEXはSD-RAMになっているが、これは性能向上というより容量が足りなくなったのだろう(EXはバッファが512kバイト)。


inlet
 そんな訳で、このボードは12Vと5Vしか使われていない。ということはATX電源の重要度は非常に高いと言うことだ。だが生の電源を使っている割には、こいつのインレット回路は極めてルーズなのだ。比較対照はEXで、STとSEは全く同じ回路。


rw_asic
 ヘッドアンプ&プリアンプにも5Vが入っているんだろう。MLCCは3216だが、1998年製造ということで10μFじゃなくて4.7μF、ひょっとすると1μFの可能性すらある。ATX生電源を使っている事を思うと、これではちょっと容量が足りないっぽい。前回MAXTORの熱意を見たので物足りなさが残る。このあたりはEX>ST>SEだなあ。最近のドライブではこれもメインコントローラに統合されている。


u_com
 これがNECのマイクロコントローラ。PCで言えばCPUに当たる存在だが、イマイチ曖昧な存在である。EXはメインコントローラに統合されて存在しない。ファームウエアはこれに入ってるのかな。左下の方に見えるジャンパと言うかTPみたいなのがセーフモード起動用らしい。


mlcc_mold
 厳重に樹脂で固めてあるMLCC。温度・湿度特性に問題があるのか、それとも他に理由があるのだろうか。EXは固めてなかったなあ。


ide_if
 ここがIDEコネクタとのインターフェイス部分。これはFireball1280Aと比べるとちゃんと抵抗がある。向こうは内蔵だったのかもしれないが。このあたりを弄りだすと止められなくなりそう。


dsp_dc
 これも面白いですねえ。何故こんな付け方をするのか、他人には窺い知る事のできないノウハウがあるのだろうね。アナログ回路はだから面白い。


zenkei_ex
 これがATA-33の最後のFireballであるEXだ。メインコントローラはTiからNECに代わっている。これは以前別体だった、NEC製マイクロコントローラチップを内蔵したからだと思われる。ご覧の通りチップが少なくスッキリしており、完成度の高さを表している。ちなみにメモリはSDRAMに代わっている。速度性能は勿論、静粛性や消費電力、発熱など全てに於いて向上している。ダイキャストボディも黒くなって現代的になった。この次はATA-66のCRとなる。QuantumもCRくらいまでは良かったんだよね〜。Lct以降は色々と…。



 とまあいつもの通り細かく、しかしテキトーに因縁をつけてみた。(元)松下寿の人が見ていたら何か言われるかもしれないが、影響力は皆無に等しいサイトなので気にしないでね〜(^^; 検索では意外に上位に出てくるけど(HSDLでGoogle検索するとトップだし…)。

 日本製の物は関係者が顔見知りだったりするから、批判的な滅多切りはやりにくいことこの上ない。先輩方から「それは俺が設計したんだ!」とか後で文句言われるんで。PCパーツはマザーボードを中心に海外製が多いからその辺は助かる?