最近はマザーボード解析記事を書いてないな…という事で、


cusl2m
 フルサイズATXよりも、もしかしたらマイクロATX版の方が売れているかもしれない。この時期のジサカーで、使ったことは無くとも見たことが無い人は居ないだろう。売れ線のASUSの中でも非常に売れたマザーではあるが、色々と問題が多くなってきたこの時期のマザーの例に漏れず、このマザーも色々とやらかしている。

 ASUSに限らずi8xxはクソマザーが多い。チップセット自体が即席ラーメンだから仕方が無い。しかしそれでも爆発的に売れてしまうんだなこれが。PC市場は「コストをかけた高性能や耐久性」は全く求められていない事がハッキリした訳だ。一気に次世代高性能メモリに移行しようとしたインテルの戦略は間違っていたことが解る。


vrm_in
 入力コンデンサに生意気にも富士通の固体RE680μF6.3Vが使われている。何となく膨らんで見えるが元々こんな感じっぽい。あとはニチコンHD1500μF6.3Vが2本である。入力コンデンサに関しては優秀な部類に入る。

 その右にルビコンYXG1000μF6.3Vが1本見えるのはVtt出力だ。P2B、P3Bシリーズよりはだいぶマシ。間に見えるチビコンは何とPLLリファレンスだった。PLLリファレンスは再三書いているように33μF(ESR=概ね200mΩ)が必要である。何故これをチビアルミ電解2本で置き換えているのか不思議だ。手抜きするならECSのように一般用アルミ電解100μF1本とかにするハズだが…。第一、なんでこんなにソケットから離すんだろう。パターン設計自体もかなりおかしい。

 CT1にタンタルが付くようになっているので、OEM相手次第ではタンタルになるのかもしれない。チビアルミ電解だと高周波インピーダンスは10〜20Ωはザラである。一般用であってもタンタルのほうが断然良い。


l_in
 入力インダクタはT50-52B、#17の10Tである。フル動作時には3μH程度か。ところで面白いものを見つけてしまった。それはEC3である。

circuit_vrm
 回路で言うとこうなっているのだ。これって基板パターン設計ミスじゃなかったらウエーブトラップみたいなんだけど…スイッチング周波数の200kHzに合わせてあるとか。でも普通じゃないよね。電流によって共振周波数が大きく変わるわけだから。もしかしてグラウンドに落とすのを間違えたのだろうか(^^; もしトラップなら斬新な設計なんだけどなあ。どちらにしても今回最も大きな発見の一つ。


switch
 パワーMOSFETは上がインフィニオンIPB10N03Lで、下が同じくIPB05N03Lである。上下共に非常に高性能な石で問題はない。5817クラスのステアリングダイオードも見える。


vrm_out
 VRM出力コンデンサはルビコンZL1500μF6.3Vで悪くないのだが、問題はその本数にあり全部で5本しかない。1GHz以上のCPUは環境温度を下げてもギリギリ。たまに膨らんでしまった奴を見かけるが、勿論ルビコンのせいではない(恐らくケース内の冷却不足)。ちなみに中コンは殆どルビコンYXG1000μF6.3Vである(1本だけTEAPOがある)。チビコンは本数自体が少ない(6本)が全てTEAPOである。


s370
 ソケット内はショボイ。AcerやFICを見慣れると厳しいな。


gmch_dc
 GMCH裏面。予想通り手抜きされている。追加するとしたら1〜4.7μFか?ICHは電力供給ICが傍にあるので要らない。


mem_slot
 謎の注意書き。このスロットは使えないって…何のために付いてるんだ?テストして欠陥が発覚したのかな。リファレンスでも両面片面でいろいろ制限があったと記憶しているが。ICS94201は200MHzまで出せるクロックジェネレータ。OCには便利なのだが、上に書いたとおり、周辺コンデンサの不備によりOCは伸びない筈。


vcc3_reg
 Vcc3.3V用レギュレータは独立したスイッチングDC-DCを搭載できるが、このリヴィジョンは6021内蔵のシリーズレギュレータで済ませている。ASUSお得意の入力インダクタ共通型の手抜きなのでこの方が良いかも。


lan_ac97
 AC97コーデックは一般的なAD1881Aである。LANは一流どころ3COMの920-BR06だが、この頃はもうブロードコムで製造されている。速度は最高峰であることは間違いない。


 以上簡単に見てきたが、だんだん酷くなってきた部品の手抜きは戴けないな。流石にテストはよくやっているようで、定格で普通に使っている限り不調になることは無いが。それでもASUSの斜陽を思わせるマザーなのだった。