買い物記事でQ-Lityを「知らない会社」なんて書いたが、あとで調べたらQuantaの子会社(PCマザーボード販売部門?)だった。なんだ超有名大企業じゃないか。電解コンの質は悪いので、きっと最盛期にはクレーム続発だったのではないかと想像する。そんな事もあってか、最近はノートパソコンやサーバー機器のような、より利益率の高い物しか扱っていないようだ。ま、会社の在り方としては正解だろうけどね。でも昔の製品を知らんフリで切り捨てるのは良くない。同じ境遇のTekramは、BIOSやマニュアルは放置ながらも鯖には存在はしているぞ。しかしこのマザーは大変ユニークな設計のマザーだ。

cpv4t_1
 電解コンデンサが非常に多い。液電解で39個、タンタルを入れると45個の電解コンデンサが載っている。このサイズのボードとしては恐らく最多クラスだろう。全部見た訳ではないけど、この会社のマザーはボードがスリムな事が特徴として挙げられる。にもかかわらず最多クラスの電解コンが載っているので、ボード上はP6マザーとは思えないほど部品がビッシリに見えてしまう。必然的に電解コンデンサも殆ど8φ以下である。8φの電解コンはHSDLにはあまり種類が無いので困る。この点では10φを多用するGIGABYTEが一番よろしいメーカーということになる(6〜7世代の話)。

 買い物記事でも書いたが、このマザーはオリジナルコンデンサではない。前オーナーもしくはその人物に頼まれた誰かが台湾製コンデンサで修理しているのだ。素人なので恐らく同じ値を付けたと思うが、オリジナルの設計を味わえないかもしれない。筆者は設計者や製造の(手抜きを含む)意図を推理して楽しんでいるので、適当に直して動いたマザーなど何の価値も無いゴミ。不動オリジナルの方がずっとマシだ。なおHSDLでは交換した場合でも、写真付きで詳細な記録を残してあるので大丈夫。


cpv4t_2
 汚いけどWeb上でオリジナル写真を見つけた(著作権者不明の為無断転載)。やはりYECの青い奴(一般用105℃品)が中心だったようだ。よく見えないけど1500μF6.3Vだろう。大体分りました。


socket370
 ソケット内にVcoreの10〜22μF程度のMLCCを入れるのは普通である。ところがこのマザーは何と100μF10Vのタンタルを4つも載せてしまった。この世代のマザーで、鯖機以外にこんなに大容量をソケット内に入れたマザーは少ない(注)。実はこれを見たくて不動を覚悟で買ったんだけどね。ちなみにD815EEAは未実装だが3つだった。あれも恐らく100μF×3だと思われる。

 地味だがPLLリファレンスのタンタルが容量だけは合わせてあるのがカワイイ奴。SV系なのでESR的にはダメだが努力に丸をあげるよ(^^

注:その後判った事だが、タンタル100μF×4はP55Cリファレンス回路で採用されていた。P55Cの場合は通常タンタルだったが、P6世代になるとESR的に通常タンタルでは効果が低くなる。実装されなくなったのはそのためだろう。いくら何でもポリマーはやり過ぎだし…。


rc5057m
 おなじみRC5057である。HSDLでは非常に扱いなれている物件だ。時代を考えればかなり高性能だと思う。この石が採用されていると言うことは、上下パワーMOSFETが例の組み合わせ(上6030下7030)なのだろうか?


vrm84
 …違った。ここで予想した通り上下7030のDC-DCが出現した。スイッチングが遅くなるが抵抗分は減る。効率として見た場合はスイッチングの方が重要にも思えるが、MOSFETを統一するとコストダウンになるメリットもある。この板の情勢を鑑みればそちらが優先だと思う(^^;


l_out
 線材が太い。これはよくできたインダクタですね。手前の電流検出抵抗がギガクラスには大きいのが気に食わないがまあ良いでしょう。この辺りAcerっぽい。


org_yec
 数少ないオリジナルのYEC1000μF6.3Vである。1000μF6.3Vは全てこれだったはず。これって一般用105℃品だと思うのだが…。


vmem
 メモリ周りの3.3Vを生成するレギュレータの出力パワーMOSFETである6030である。このサイズだと貴重なので他に流用したくなるな〜(^^


w144
 この時代では非常にメジャーなW144(BH-6v1.0やP2B-F初期にも採用)だが、OC用としては今一歩。インテル採用の奴みたいにFSB66/100/133しかない奴よりはずっとマシだが。


694x_dc
 この時期のチップセットDCなどは省略される場合が多いが、このマザーはちゃんとやっている。尤もFSB133アポロに不安があっただけかもしれないが(^^;


vt82c686a
 初期製品とドライバでは色々とやらかしてしまった686Aだが、HSDLはその時期を知らないので被害を受けたことは全くない。その不良も味わってみたい物だが、あいにくHSDLの686Aは全部マトモらしい(´Д`) 686Bが完成形なのは間違いは無いが、後期の686Aは問題ないんじゃないか?


pci_slot
 PCIバスのDCも青白のYECだけは交換してある。何れも台湾製に交換してあり、それが膨らんでいるのだから世話は無い。交換はコストが嵩みそうなのでルビコンZLの出番か?


ac97_sigmatel
 特徴は感じられないAC97周り。コーデックはシグマテル。CT41はYECの低ESR品か?ここにもSV系タンタルが使われている。この辺りにこだわりは感じる。


m19_revf
 下のM19がこのマザーの本名と思われる。Acer(Wistron)のアポロマザー特有の名前。出身が分った?


 設計は丁寧でツボを押さえているのだが、如何せんコンデンサが悪くてどうしようもない。逆に言うと「部品が粗末」以外にケチを付ける所は無いと言うことだ。マザー自体は非常に気に入っているので、もし暇があれば台湾製電解コンデンサを全部日本製に交換したい。どシロートが弄ったのでランドやスルーホールが傷んでいないことを願う。