続・古のマザー BKi810(その1)


 i810オリジナルPCフォーム系は最初にSAHARA3810という名板を見てしまったので、余計にこのマザーがダメダメに見えてしまう。


★VRM入力シミュレーション
vrm_in_sim
 いつもの如くP!!!1.1GHzである。もっともこのV1.6のVRMは部品の仕様的に17A以上を出せないので本当に机上の空論(シミュレーション)だが、他のマザーとの比較もあるのでこのまま行く。早々にして結論を出すが、このままP!!!1.1GHzを使い続けると確実に入力コンデンサは破壊する。が、実測で意外にサージもリプルも少ないのは12V入力で非同期整流VRMだからだろうか。過去にP6E40-A4で非同期(但し5V入力)は弄った事があるけど、こんなんだったかな〜?


★VRM出力シミュレーション
vrm_out_sim
 出力側の定常リプルは実測値と相似している。但し何時も書いているがこれほど極端な負荷変動は通常はありえない。およそ考えられる限りの最悪条件と考えてよい。定常リプルが35mVもあるのにこんな事を言うのもなんだが、結論として新品の状態+冷却が充分に為されているなら、計算上は出力コンデンサは問題なし。もし短期間に膨らんだら部品や設計ではなく使い方が悪い事になる。ちなみに当該製品は、製造後10年以上経過しているので寿命限界を超えている。何が起きても不思議ではない。


★テキトー計測
 いつものように各部の波形を観測しようと思ったが、このマザーは5V、3.3V用スイッチング電源を搭載しており、これの影響により純粋な波形を観測できない。よって一番インピーダンスの低そうな部分、安定したスイッチング波形だけを載せておく。実は対策により他も測れるがメンドーなので手抜き。他の波形は見るまでもなくヒドイ状態と思ってもらえばいい(^^;


switch_wf1
 12Vなのでスケールは5V/div。言っとくけどこれゲート波形じゃないよ。ONもOFFもサージが極限まで少ないのはスイッチングが遅いからだろう。とは言ってもゲート回路のお陰でOFFはかなり速い。あれは汎用PWMコントローラには効果があるんだね。よく見ると立ち上がりに微妙に汚い部分があるが、これはゲート波形の段階で発生していた。


switch_wf2
 実は上の波形は入力コンデンサ交換後のもの。入力コンデンサ交換前はこんな波形になっていた。明らかに波形がラリっている(^^; この波形はP6E40-A4でも見たね。やはり一般用アルミ電解をここに使うのは寿命から考えても間違っている。と言いつつ付けたのは一般用85℃品なんだが、まだ新しければ上のようにまともな波形になる。違うのは高級な品種と比べて非常に寿命が短いという事だ。Acer(Wistron)はYEC一般用を出力に使っていたが入力はWXだった。この辺り重要性が分ってはいたのだろう。それに対しエリートグループは逆で(略


★KA7500Bパッチについて
 4Pinが直グラウンドに落ちていたのを脚上げして、それを100kΩで7Pin(グラウンド)に接続している。要するに脚上げして間に抵抗を入れたわけ。1μF50Vはプラス側が14Pinに繋がり、マイナス側が先程の4Pinに繋がっている。

 この回路は非同期整流なのにデッドタイムなんて関係ない気がするんだが…?と思ったら、これは突入電流防止のソフトスタートの設定だった。この1μFの容量でタイミングを設定するらしい。

ka7500b_dtc
 道理で起動したあとパッチを付け外ししても何の変化も無いわけだ。


★部品
 前回書いたように1つを除いて全てG-Luxonである。不明の奴はTauthと読めるが字が細かいので違うかもしれない。いずれ交換するのでどうでもいいか。

・コンデンサ
VRM出力(EC21,22):LZ1000μF6.3V(100mΩ/700mA)
VRM出力(EC5-9):LZ1500μF6.3V(64mΩ/810mA)
VRM入力(EC3,4):SM1000μF16V(?mΩ/700mA)
PLL_ref(C2):SX33μF16V(?mΩ/50mA)
Vcc2.5(EC13):SM470μF16V(?mΩ/315mA)
Vmem(EC32,33):SM1000μF10V(?mΩ/420mA)
Vtt1.5(EC12):SM470μF16V(?mΩ/315mA)
Clock_Gen(TC13):SM10μF50V(?mΩ/50mA)
KA7500B_patch:Tauth?1μF50V(?mΩ/?mA)
12V入力(EC17:SM470μF16V(?mΩ/315mA)
5V_DC(EC169):LZ1500μF6.3V(64mΩ/810mA)
SB5V_DC:SM10μF50V(?mΩ/50mA)
SOUND出力(C109,110):SM100μF16V(?mΩ/135mA)
UC3843B(C161):マイラ0.015μF100V
USB5V(TC18):SM100μF16V(?mΩ/135mA)
C154:SM1000μF16V(?mΩ/700mA)
EC1:SM100μF16V(?mΩ/135mA)
EC16,18,19,31:SM1000μF10V(?mΩ/420mA)
EC20,C168:LZ1500μF6.3V(64mΩ/810mA)
TC19,20,21,C166:LZ1000μF6.3V(100mΩ/700mA)
その他:SM10μF50V(?mΩ/50mA)×16

・インダクタ
VRM入力(L31):不明FB×2
VRM出力(L32):T50-52,#16×13(5.6μH/3.5mΩ)

・半導体系
VRM上側スイッチ:CEB6030L
VRM下側ダイオード:S16S40C(SBD,8Ax2)
PWM1:KA7500B
PWM2:UC3843B
GMCH:SL35X
ICH:SL38J
Clock_Gen:ICS9248-73
SuperI/O:IT8870F-A
LAN:DM9102F
Sound:CMI8738/PCI
TV_out:CH7007A-T


★解析終了
 前世紀に写真でこのマザーを初めて見た時、あまりに斬新かつお粗末なデザインに驚愕した。当時なら絶対にこれを買う事はなかったと思う。あれから長い年月が流れ、当時は考えもしなかった物がウチにある。実際入手してみると、写真から推察した以上の仕様と現実にイラついてきた(#^^

 あまりの酷さに気力が萎えてきたが、まずはコンデンサ交換して正常に動くようにしなければ。もっとも交換して動くかどうかも分らないけど。