USB充電用「電池BOX」(その3)に於いて、USBバスパワーが測れるようになった。忙しいにもかかわらず暇潰し?にテキトー計測してみた。マザー上ではノイズ発生装置として(^^ MEMTEST86+を回している。


★WS440BX[Rev206]+SL3CC
ws440bx_usb
 入力インダクタ前の波形がそのまま出てきてしまっている。絶対量はかなり減っているが。基本波の周りに纏わり付いているのがメモリ読み書きによるノイズ(殆ど見えないが)。勿論この状態でも50mVを下回っているので実用には全く問題は無い。

 このWS440BXはHSDL改造版で、ノーマル逃げ牛版は何とUSBのDCコンデンサが省略され付いてない。HSDL版はタンタル68μFを付けたが、実は設計が端子2つ分の手抜き共用なので100μFが正解だった。HSDL初期版は確かYXG220μF25Vを付けていたので、その方が品質的には良かったかも。他OEM版は100μFタンタルが載っているものがあるらしい。


★GA-7ZXR[Rev1.0]+AXL1500DLT3B
ga7zxr_usb
 コイツはDCをYXG220μF25V交換している。この時代はまだ5V酷使なので、手抜きするとリプルがバリバリ出てくる。ちなみにVRMの入力DCが悪い場合、USB5V周りだけを徹底的に改良しても無駄になる。電源ラインの総合的な見直しが必要だ。

 このHSDL版は連載を読んだ人はご存知の通り、狂ったようにVRM入力コンデンサを強化している。なので市販マシンでUSBのリプルがこのマザーより少ない製品は存在しないと思われる。実は今回の計測はUSB電池BOXの時の計測レンジの半分になっている。それはこのマザーが前回のレンジではリプルが少なすぎて拾えないため。


★GA-8IG1000 Pro-G[Rev3.1]+SL63X
ga8ig1000_usb
 これも改造版だがDCはノーマルと変わっていない。ネットバースト系は5Vは食わないのでその点では有利な条件。だがSDRと違って5VからVmem2.5を生成しているので、そのおつりが強烈に帰ってくる。このマザーの場合はデュアルチャネルなのでノイズも更に倍増する。

 これまでの結果から見て、FSBに比例して高周波ノイズが増えるようだ。Vcoreが5VソースでなくともDDRメモリ電源が電力を食うので5Vは汚染される。市販のDDR系マザーは新しいほど酷くなる一方なので、Socket775以降のマザーの計測はしない。これと同等以上にヒドイと考えておけば間違いない。


★終わりに
 このようにマザーの5Vバスパワーは、未改造だと意外に無視できないリプルノイズを含んでいるようだ。マザーボードのノイズ低減には物理的に限界があるので、やはり電力を使う方で自衛しないとまずい。オーディオ系など電源品質が重要なデバイスは、バスパワーは使わないで外部電源供給がベストということになる。もっともオーディオ系も本格的にやればそれなりに電力を食うので、市販品は元から外部電源のものが殆どだと思うが。徹底的にやるなら信号系を含めて光デバイス等でアイソレートすればいい。