またもやECS(エリートグループ)だが、これはECSのマザーがジャンクコーナーによく置いてある事を表している。まあダメな物のダメな所をよく研究する事が、逆に良い物を知るための勉強になると言うこともある。ちなみにボードの正式名称は判明していない。タイトルネームはベアボーンPC自体の名前だろう。実際は同機のマザーボードは複数存在する。


★BKi810より良くなった部分
1.C3で省電力・低温化
2.PLE133によりメモリが1GB積める
3.PLE133によりFSB133MHz化
4.IDEがUDMA33⇒ATA100化
5.VRMが同期整流化
6.入力コンデンサが低ESR品で強化
7.PLE133によりVGAがやや高速化
8.サウンド出力はアンプ内蔵

 8601が特に良くなったと言うよりBKi810が酷すぎたんだよな。BKi810のケースを持っている人はフォームが全く同じなので置き換えに良いかもしれない。悪くなった部分は特に認められないが、CPUが交換できない事とVideo出力が無くなった事がデメリットと感じる人もあるかもしれない。


bkv8601
 検索してみるとこのタイプは珍しい。多くの場合BookPCにもATXタイプのM787CLRが入っていたからだ。当該板はATX電源ではなく、例のオリジナル6ピン電源で動く。珍しくなくてもいいからノーマルな奴が良かったな(^^;

 チップセットはPLE133で、サウスは686BだからATA100が使える。IDE、特にHDDの速度はデバイスの中で最も体感に強く影響を与える(ボトルネック)ので重要だ。またFSB133になった事でメモリ帯域も不足無いものとなった。もっともC3自体のメモリ周りのスループットが極度に遅いので恩恵はあまり無いかもしれない。

 ここで気づいたのだが、ApolloPLE133のサウスって686BじゃなくてVT8231だよね。これは安かったのか、それとも余っていたから使ったのか(^^; でもまあV-Linkじゃ無いからどうでも良いか。

 機能的な変更ではコンポジットビデオ出力が廃止された。基板上には配線は存在しているので、バージョンによっては機能が有効なのかもしれない。このクラスのPCではTV出力は有用とは思われないので問題なかろう。


1giga_pro
 このマザーの唯一にして最大の売り物はオンボードCPUだ。1Giga Proという誇大な名前が付いているが、実態はただのVIAのC3(Samuel2)667MHzそのものである。発熱を減らすためかFPUがハーフスピードで、浮動小数点演算がCPUクロックの割りに驚異的に遅い事で知られる。加えてこのマザーのチップセットはVGAシェアメモリなので、Superπだけならクラペン133+430HXにも負ける可能性がある。これはクロックが1/2とかそういう問題ではなく、CPUのアーキテクチャー自体に欠陥があると言わざるを得ない。


・C3と言えばDNRH-001(中身はEPIA-PDっぽい)なんてのもあるが、勿論BKV8601とは比べ物にならないくらいDNRH-001の方が良品だ(^^
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110122/image/kdnrh1.html
http://pc.usy.jp/wiki/index.php?DNRH-001


vrm
 VRMは一般的な同期整流方式に変更された。これはBKi810のV7.xからだが、VRMコントローラはBKi810(V7.x)で採用されたHIP6004BではなくL6911Bが採用されている。RT9224も含め、これらは互換チップである(ピン互換でそのまま差し替えも可)。KA7500BのディスクリートVRMとの比較が楽しみ。上下スイッチはPHB55N03LTが使われている。FDB6030LやIRL3103Sと並ぶ当時の標準的な石だ。

 このマザーはGA-7ZXRの如くVRMが変な位置にある。メモリを迂回してるので配線が長く抵抗が大きい。出力インダクタがT50-52Bの#17×9回巻きだが、低電流のC3だからこれでもいいのだろう。入力インダクタが採用されたのは大きい。これはVRM入力の12VがDCされていないBKi810の方にこそ採用して欲しかった。

 入力コンデンサに低インピーダンス品が使われるようになったのも大きな進歩。しかもECSお得意のG-LuxonではなくTEAPOのSC1000μF16V×2で、信頼度は大幅に向上したと言って良かろう。出力コンデンサはG-LuxonのLZ1500μF6.3V×6である。12Vソースだと定常リプルが5Vに比べて大きいので本数を減らせない。なお8φのアルミ電解が2本省略されているのが判るが、これはLZ1000μF6.3Vと推定される。VRM出力コンはかなり疎らに立っているので、12.5φでも6本は立てられる。改造は(多分)しないだろうけど。


c3_dc
 CPUの裏面のDC。ケチで有名なECSがこれだけ厳重にDCしていると言う事はC3は不安定なのだろうか。もっともこのCPUはBGAパッケージなので、ソケット内に付ける事は出来ないのだから裏に付けるのは当然といえば当然かもしれない。


ics9248_39
 クロックジェネレータICはおなじみICSの9248-39が使われている。66~150MHz迄でこの時代の標準的な石。クロックはソフトウェアで可変できるハズ。


ple133_dc
 ノースブリッジはFSB133MHzでVGA内蔵と言う事もあり、比較的厳密にDCされている。無くても動くが、原因不明の不調はこれが原因の場合もあるので油断大敵。チップセット内蔵ビデオが高FSBで不調の場合はこれで解決する場合もある。他はDDRのようなミアンダ配線も無いし、特に気難しいチップとは言えない。


apl431
 APL431を使ったディスクリート非安定化電源も相変わらず方々で見られる。流石にツェナーよりは精度も安定度も高いが、態々PC用の電源に使うようなものではなかろう。既にこの時代では高性能レギュレータICに対する価格アドバンテージは無いに等しい。


5_3r3_dc
 5Vと3.3Vを生成している電源も健在だ。オリジナル6ピン12V電源と合わせてBKi810との互換性が保たれているが、代わりにATX標準規格との互換性が落ちるのは止むを得ない。


rtl8139c
 LANチップはDM9102Fから一般的なRealtekのRTL8139Cに変わった。CPU使用率がやや高いが、安定性には特に問題は無い。ドライバの更新が滞っているような製品よりははるかにマシ。


tda2822
 サウンドチップのCMI8738は変わらないが、サウンド出力にはTDA2822による出力アンプが追加された。ヘッドフォンや小型のSPドライブには必須と言える。


 1枚完結型のマザーだからPCグレードアップの愚行とは無縁で潔いが、セカンダリIDEが無いのがHSDL的には応える。HDD2台を別々のチャネルに繋げられればパラレルATA用HDD初期化用マシンとして使えるのだが。それはさておき、カメラに例えればレンズ非交換式のコンパクトカメラと言ったところか。

 続く。