突然ソケット5マザーが出てくるのがHSDLの気まぐれなところ。PCI-Eマザーで疲れてきたので休養のため。1月に書き始めたが震災の影響でここまで遅れた。


★ASUS P/I-P55T2P4[Rev2.1]
 検索するとRev3.xの情報しかヒットしない。敢えてここでRev2.xの情報を提供する。もう役に立たなくなった事だし…。今回は改造はやらないが、いずれソケ7(MMX)化改造もやってみたい。HSDLは2.8〜2.9Vが出るとタレント豊富だから役立つ。いつもはGA-5AX+大改造版を使うので必要ないけど。P55というのは無論P55C(MMX)から取られた名前だが、このRev2.1はP54C(クラペン)しか使えない。だから冒頭にソケ5と書いたのだ。

p55t2p4
 当時のジサカーなら言わずと知れた大ヒットマザー。日本に於けるASUSの出世作と呼んでいいだろう。このリヴィジョンは古すぎて技術が現代と隔絶しており(^^; 特に注目すべき物はない。いつ頃手に入れたのか、当時は詳細な記録が残っていないので不明。確かに言えることはまだ前職でPC98シリーズを使っていたハズだ。入手は秋月・千石通りのSofmap(現在は建物ごと無い)だった(注)。当時IBMPC/AT系は全くの無知なので、何故安いのか知らずに買ったのだと思われる。

注:付け加えれば当時はパーツが集まらず動かす事が出来なかった。初めてOSインストールして使った時は、既に現在のメインマシンが稼動していた。入手後4年経っていた。


vrm
 VRMはシリーズレギュレータが採用されている。ATX電源ならコア電圧3.3Vは直流し出来るんだけどな(AT電源は12Vと5Vしかない)。この後MMX対応のRev3.xからはスイッチングレギュレータになった模様。出力コンデンサは日本ケミコンLXF270μF16V(注)である。容量はともかく6本と言うのはこの時期としては非常に多い。

 DC-DC変換デバイスはFETじゃなくてバイポーラTRじゃないか。10AのPNPパワートランジスタD45H2Aである。周辺を見るとMMX化に備えたI/O電圧分離回路パターンが見える。これを再構成すればP55Cが使えるようになるだろうか?P55Cの233MHzで最大6.5Aなのでこのレギュレータにはかなり厳しい熱条件になる。但し定常時は3A程度しか流れない。

 使用状況にも依るがアルミ電解は期限切れなので、交換しないとオリジナルの性能が出ない可能性がある。ちなみにRev2.xはシリーズレギュレータだから、新品であれば一般用アルミ電解で構わない。環境温度的に85℃品でも大丈夫。もっとも新たにコンデンサを買うなら一般用85℃品を選択する意味は無いが…。容量は220μF前後を限度一杯並べる。

注:ちなみにこのLXFは例の四級塩モノだが、既に対策済みの96年製なので問題は無い。このマザーも15年経った今でも全く漏れる気配は無い。未対策の物は内部電荷により使われなくても脚部分が腐食崩壊するのだ。これは環境に関わらず必ず起こり、発症は早遅時間の問題で逃れられない。四級塩電解コンデンサの劣化についてはこちら

socket5
 Socket7と書いてあるが、P54Cとその互換品専用のSocket5である。Socket7以降のCPUも全て挿さるが、Vio3.3を分離供給できない為に動作させられない。当時のイロイロな事情はスッカリ忘れたが、恐らく時間切れで急遽リリースしたのではなかろうか。Rev2.xxはP54T2P4と呼びたい…(^^ 上でちょっと触れた「安かった原因」はこれだ。買った当時は既に7の時代だったから。

cache
 430HXのノースブリッジ。当時のスタンダードチップである。430の頃からチップセットもインテルの寡占が始まった。486時代はSiS及びALiの方が上だったかもしれない。

 下のほうに見えるスロットはメモリ用ではなく外部L2キャッシュ用である。基板上に実装済みが256kBで、モジュールで256kB追加して合計512kBキャッシュとなる。後のCPUを思うと大容量に思えるだろうが、セカンドキャッシュはCPUではなく430HXに繋がっているので極度に遅い(注)。クロックがメインメモリと同じなので殆ど変わらない位遅い。切っても特に問題は無い位だ。処理に与える影響はごく僅かで、プロセッサ内蔵のL1キャッシュとは重要性が全く違う。このスロットは3.xではオンボードで限度一杯の512kB搭載されたため消滅した。

注:オンダイL2キャッシュがL1キャッシュの補助なのに対し、外部L2キャッシュはメインメモリの補助と言ってよい。そう考えると効きの悪さも納得できる。但し同じ外部L2キャッシュと言ってもカトマイの外部L2は専用バスなのでそれほど遅くはない。

 82371SB(PIIX3)内のIDEコントローラはUDMAには対応していないPIO版。何を繋いでも今となってはかなり遅い。しかし全体的にSiSやVIAよりいくらか安定していた。ひょっとするとISA中心では440BXよりタイミング的に安定しているかもしれない?インテルチップセット鉄板説はこの辺りから始まった。

 PCIバスが漸く普及してきたが、世界の多くの人はいまだISAバスのカードを使っていたのだ。もっとも我が日本ではNECのPC98系からの乗換えが普通で、最初からPCIカードを買った人が殆どである。だからアキバにはISAのジャンクが意外に少なかったんだな。

 ASUS独自の拡張バスであるASUSメディアバス。PCI拡張部分にISA互換の信号が出ているらしい(未確認)が、特に我々にメリットのあるものではなさそう。


io
 このマザーはATフォームなのでAT電源が必要となる。HSDLではHDDの外部電源としてAT電源が常時稼動しているけど。無ければATX電源用アダプターがまだ販売されているので心配ない。

 左上にキーボードコネクタが見えるがレガシーフリーではない(^^ マウスは勿論シリアルやパラレルを繋ぐのも外部端子が必要(当然USBも)。ATキーボードが無ければPS2変換アダプタも必要となるね。古代探訪ビギナーにはチト敷居が高いが、実はこれらはアキバには現在でも平然と売られているので心配ない。実用するならATコネクタとマウスコネクタはPS2に交換・追加も可能だが、このマザーは昔のまま保存したいので交換はしない。


 Rev3.xだとK6シリーズも電圧的には搭載できるが、電源部が凄い事になるのでお勧めできない。2011年現在ではマザーとしての実用性は皆無だが、当時からジサカーだった人は懐かしいと感じるだろうね。15年物だからリアルタイム・クロックDS12B887は死んでるだろうけど動かしてみるぞ。
ds12b887


動作編に続く。