書き始めてから早一ヶ月(以上)、テキトーな部分が残っているが、何時になっても完成しないのでもう上げちまおう(^^;


★哀愁のマザー Intel D850GB(解析編)
d850gb_1
d850gb_2
 "GB"とはコードネーム”ガリバルディ”から来ている。当該マザーはオンボードデバイスはLANもSOUNDも何も搭載されていない。HSDLではおなじみのWS440BXと同じGATEWAY向けである。リテールと比べて、コネクタの色すら無いのが地味で泣ける。これでコストは下がったのかな?ちなみにリテール版もi850としては最安の部類に入るマザーだった。


socket423
 ソケット内DCはIntelマザーとは思えないほど簡素。初期版はPOSCAPらしきものが2つ見えるし、OS-CONとの間のMLCCの数が多い。DCに関しては初期型の大差勝ちと言える。もっともOCも何も出来ないマザーなので後期版で充分と言える。弄って遊ぶHSDLとしては、部品は実装しなくてもいいからランドを残して欲しかった。取った後のスペースは何にも使われていないわけだし…。

 ところでこの写真をよーく見るとMLCCのハンダの表面が腐食している。よほど悪い環境に置かれていたようだ。ジャンク品は外気の吹き抜ける倉庫放置や、酷い場合はケースと共に屋外放置の可能性すらある。これは再ハンダはしないが、もし応力がかかる部分だとハンダ割れする可能性が高い。これも基板を曲げたら割れるかもしれない。


vrm9
 Vcore出力コンデンサ(9本中7本実装)は全てOS-CONとなっている。478以降に発売された製品では、全てOS-CONまたは固体と言うのは915(775時代)辺りまで無い。その点だけから見ると非常によろしい。但し入力はi440時代の遺物ニチコンPW(25mm×12.5φ)が使われている。どうせならこれも固体化して欲しいと思うのは贅沢か。この部品選定には深い考えは無くて在庫整理かもしれない。上側MOSFETはSUB70N03(Samhopのセカンドソース)で、下側はISL9N2357D(Intersil)×2となっている。

 書き忘れたが、HSDLの調査によればD850GBには大きく分けて初期型と後期型がある。基板が全く別デザインになっており、実装部品が違っているとかのレベルではない。顕著な違いはVRM入力コンデンサが3本に増えている事。恐らく初期型の構成では無理があると判断されたのだろう。この点では後期版が優れている。


vid
 今回見た中で最も驚いたのがこれ。何とVIDを可変できる設計になっている。Vcoreを可変できるマザーはそれほど多くはない。しかもIntel製となるとこれが初ではなかろうか。これを発見したのでこのマザーを取り上げる気になったのだが。但しクロックは可変できないので殆ど意味を成さないのが残念。精々電圧Sageで遊ぶくらいか?どうせならもっと周波数を可変できるクロックジェネレータICを採用して欲しかった。OCには極めて厳しい当時のIntelだった。しかし何故(設計だけとは言え)VIDだけが可変できるのだろうか?


mch_dc
 ヒートシンクは外していないが、MCHはSL4NGしか無いらしい。850MCHの裏面DCは全く省かれている。1.8Vコア電圧は最大3.2A流れる事になっているのであった方が良い。発熱の度合いやヒートシンクを見れば想像はつくだろうが、P6世代と比べると極端に消費電力が大きい。実際に動作時の発熱はこれまでとは比較にならないくらい大きい。


mem_slot
 この辺りでメモリ電源を生成している。DRDRAMなので単一電源ではない。アルミ電解コンは全てニチコンVRで、低インピーダンス品の影も形も見られないのが悲しい。後述するがこれが悪結果を齎す。


vmem
 タンタルが初期リヴィジョンと同じく4つ付くようになっているが、これは現在のVR2本と排他だと思われる。初期型にはVRは存在しないので、タンタルを付けたらVRは除去していいと考えられる。固体化の際には考慮したいところ。


vr
 分りにくいがニチコンVRが膨張している。これは一般用85℃品としては非常にタフなのだが、それが膨らんでいるところに環境の厳しさを感じなければならない。外して計測するとインピーダンスが極度に高い。一般用なので規定されているわけではないが、このサイズ(6φ×11)で10Ω以上は少々高過ぎ。これの影響か、RIMMをフルに4枚載せた時に安定性を欠く場合があった。またDRDRAMは電源品質によって速度にまで影響する。

 そもそもここに一般用85℃品はないぜ。ASUS等はここにOS-CONやPOSCAPを惜しみなく投入している。HSDLでは低評のあるMSIやECSだって全て低インピーダンス品を使っている。DRDRAMのVmemに一般用アルミ電解を使う製品なんてありゃしないのだ。このマザーも初期版は各社ポリマータンタルが使われている。後期版は手抜きもいいところ。

 インテルのDRDRAM使用マザーの故障の大半がメモリ周りの損傷である(注)。故障の様態は一定ではなく、コンデンサが損傷したりMOSFETが燃えたりする。データシート・オタクのインテル様が規格を守っていないとは考えにくいので、規格や仕様に基づいた設計では不充分という事なのだろう。規格書では分らない何らかの欠陥が内在しているのかもしれない。パッと見た目ではアイドル時にも予想外の大電流が流れているように見える。リフレッシュが頻繁に必要なのが関係あるのだろうか。

注:インテルだけじゃなく●のDualXeonマザーで煙が出た事もあったらしい(^^; 現にそのブツがHSDLに来ている。


clkgen
 BIOS屋ではない方のAMIのFS6232-01である。こんなものどこから探してきたんだよ…と言いたくなるくらい何も出来ないクロックジェネレータIC。このマザーでは意味は無いがマルチプロセッサ用らしい。鯖板の余剰品なのか?


ich2
 ICHは2種類あるがこのロットはSL59Z(B4)で、初期はB1ステップのSL4YG(多分IDE関連のバグ付き)だった。VRM入力コンデンサの件もあるが、これを見てもやはり後期版の方が良さそう。


ich2_dc
 ICH2の裏面DCも全く省かれている。まあICH2なら1A流れる所は無いので無くてもいいけど、高確率で燃えるICH5辺りになると(特にR付き)あった方がいいような気がする。


agp_pci
 AGP、PCIバス・スロットのDCは大胆に省かれている。設計では確かに存在しているのだから、これは逃げ牛様の¥要望が結果に反映しているのだろう。価格に対する要求はかくも厳しいのだ。

 AGPスロットはProではなく一般的な2.0タイプ。ユニバーサルではなく1.0のカードは物理的に差せないようになっている。ビデオカードをロックするアダプターを外そうと思って引っ張ったら折れてしまった。これってマニュアルを見たら先端をニッパーで切って外せと書いてあった!再使用できないのか。GIGABYTEに付いていた奴は自由に付け外し出来たんだけどなあ。これでコストダウンになるとも思えないが…(^^;


★BIOSバージョン
 インテル版はP14までに既知の不具合は修正されているが、ECCメモリを付けた時にブート時間が長くなる件については修正されていない。今回入手のGATEWAYバージョンはP09だった。これはECC付きメモリをフル実装すると、電源投入後前記の不具合で暫くはVGAが起動しない。セッカチな人だと不動と勘違いしやすい。その後GATEWAYの最終P13にアップしてみたが変わらない。

bios_p13
 一応423は全てカバーしている。BIOSバージョンP10以前のマザーでは1.7GHz以上はサポートされていない。古い板を動かそうとした時にはまりますね。当該ソケットの最低クロックのCPUを所有するのはジャンカーの常識か?HSDLは最も古い1.5GHzなので大丈夫。


★次回に続く
 泉下のガリバルディが激怒しそうなKUSOマザーだが、弄って遊ぶにはs423ほど面いプラットフォームは無い。他に誰も使っていないからだ。何をするにも自分で考えて行動する必要がある。それこそが自作PCの醍醐味と言えるだろう。何はともあれTehamaファンクラブと言われている(ウソ)HSDLにとっては良い買い物でした。