タイトルは狙って厨房臭くしているが、実はただのチップセット・レジスタ設定の見直しだ。ネット上で検索すると断片的には存在するが、全部を網羅したまとまった資料は無いようだ。こんな事でどこまで速くなるのかな。レジスタ設定の見直しでソコソコ速くなったら、いかにGIGABYTEが緩めているかという証明にもなるね。ノースブリッジVT8363のデータシートを探したが、残念ながら見つからなかったのでVT8363Aので代用した。Aが付いても精々β版と完成品程度の違いしか無いだろうという読み(^^


★前置きは良いから早速設定だ!
pcireg1
 最初に断わっておくが、HSDLの7ZXRは既報通りBIOSをもでφしているので、デフォルトは皆様方のとは違うはずだ。OSはいつものようにXP3である。


pcireg2
 実は筆者はVT8363のレジスタを本格的に弄るのは初めて。書いてあることを勘違いして遅くしているかもしれない。微妙にでも遅くなったらそのせいだろう。何しろデータシートが運転免許試験のような引っかけで「これを無効にすると効果がある」みたいな感じなので…(^^;


offset64_65_66h
 このオフセット64〜66hが特に重要ですね。このマザーはここを弄らないと2-2-2-5にセットできないのだ。言うまでも無くCLはレジスタでは動かせないのでBIOSで設定する必要がある。


★効果があるか?
 期待はしてないけどベンチでも回してみるか。総合ベンチ、CPUベンチ、3Dベンチでいいだろう。


hdb
 総合ベンチはHDB3.40で。メモリだけじゃなくPCI周りにも多少違いが出ている?


gogobench
 CPUベンチは時代的にこれが一番。AthlonXPはSSEも3DNOW!も両対応している石なので効果は高い。メモリ分だけ速くなったかな?ちなみに測定誤差ではこんな差は付かない。


3dm2000
 付けたカードが440MXなので3DMark2000でやってみた。微妙に勝っているが…(^^; なおこのテストではDX9c+53.03なのでもっと前のドライバが良かったかな。


★ソフトウェア・クーリング
 HSDL的に注目していたのは"Disconnect Enable When STPGNT Detected"の設定。これはいわゆるソフトウェア・クーリングに関係するビットである(注)。これがイネーブルになっていないとHALTで省電力・低発熱化が図れないっぽい。このマザーの最終BIOSではデフォルトでイネーブルになっているようだ。XPにはアイドル時にクーリングソフトが動いているので、これがONになっているなら態々クーリングソフトを用意しなくても良い。どの道アイドル時にしか効かないものだ。


52h_7bit
 KT133Aにはデフォルトが提示されていない。マザーメーカー任せなのか、どちらに設定しても不具合が出るからシカトしているのか?

注:これはCPUがSTOP GRANTの時にS2Kバスから切り離す動作をする。HSDLでは経験は無いが副作用も報告されている(らしい)。

★特に発見も無いので終わり
 昔の雑誌には「GIGABYTEは安定性が売り物」とか書いてあるけど、あれって本当に筆者が思ったのかは非常に疑わしい。担当営業に言われるまま書いたんじゃないか。HSDLの見解ではGIGABYTEは特に安定しているとも不安定とも思わない。最初から設定を非常に緩めているのと、危ない設定が表に出ていないので不安定にしたくてもできないだけだ。ソフト設定で緩めているメーカーは「実はハードの安定性にはそれほど自信が無いんじゃないか?」って疑う。メモリ設定があるのに2-2-2-5に設定できないマザーなんてね〜。AMIのKT133 BIOSリファレンスからそうなのかもしれないけど。自作用マザーなんてBIOSで極限を追及する設定ができてこそだと思う。勿論デフォルトはごく緩くても良いんだけどね。


★おまけ
memtest20120309
 MEMTEST86+でこの7ZXR自身が刻んだ最速記録を更新した。もちろんこれはBIOS改造の成果だが、それを支えるハードウェアの向上も多少は手を貸しているのではないかと自負しているのだが。これ以上の数値はFSB400のi845でも使わないと無理かな。実はこれ以上の設定もあるのだが、この設定でも通るメモリがたった2枚しかない。最速を通すにはPC200とまでは行かなくともPC166メモリ位は欲しい。それでも現状DDRの下の方の記録と対等に勝負できるようになった。さてライバルi815の巻き返しはあるのか。462MB/s対416MB/sだからだいぶ差がついてきた。