MS-8881もでφ(その1)


 前回コンデンサ交換したMS-8881だが、VGA直付けコネクタが無いのが非常に気になっていた。このカードの映像出力はDVIに似た専用のLFHケーブルを使う。この太くて硬いケーブルが取り回しの悪さを齎す。これが無いとデュアルモニタは使えないが、HSDLはデュアルモニタ等は一切使わないので関係なし。何とかこのケーブルを使わずに済ませる方法は無いのだろうか?…あった。


★VGAコネクタ
vga_dvi
 このようにアナログコネクタ用の配線も予備で用意されているのだ。さすがにリファレンス基板だけのことはある(注2)。但し従来タイプのVGAコネクタではダメで、ノート用などのナローピッチ・スリムタイプの物が必要だ。

 このカードを見た時に電撃的に10円ノート基板を思い出したのだ。今まで金属ゴミで捨てていたコネクタの用途が見つかったわけ。だからこのカードを買う気になったのね。

注2:基板はTOPSEARCH製TS-M-8V01C、2003年13週製造。PV-T86J-UAL3のグニャグニャ基板を見た後なので、ビシッと平坦なこの基板が神基板に見える。NVIDIAマーク入りという事はリファレンス基板そのものと言う事だ。ちなみにTOPSEARCHは基板屋であってこのカードを製造しているわけではない。94V-0と言うのはULの難燃性ランクである。TS-M-8V01CはTOPSEARCHのプロダクトナンバー。検索するとこれをカード名だと思っている人が多数居るようだ。

 ところがどっこい。これだと正常ポストするものの画像が出なかった。コネクタを無理やり破壊してハンダゴテで外したのでコネクタ付近が断線したのだろうか?と思っていたのだが実は全く違う驚きの理由だった。


★MS-8881ピンアサイン
 何とコネクタを直付けした時のピンアサインが全く規格とは異なるのだ。これでは動くわけがない。と言うか、どちらかが壊れなかったのが幸いと言うべきか。下の表はADが付属の二股VGAアダプタを使った時のもので、VGAはコネクタを直付けした時のもの。全く共通点が無いね。

pin_assign
 しかしこれほど共通点が無いとなると、逆に何に対応しているのか不思議である。もしかしたら使用したコネクタの互換性が無いのだろうか?


★謎解決
 大当たり。実はこのフラットタイプのVGAコネクタは、HSDLが所有しているのだけで3種類もあったのだった。1つはこれに付かないタイプなのでアッサリ除外できるのだが…。

dsub15p
 ご覧のようにこれはどちらも実装可能なのだが、上下が逆になっているのが判る。この為ピンも位置が変わってしまうのだ。という事でノート部品を流用するために買ったカードだが、流用はできないという情けない事になった。当初の購入目的はこれで無意味になった…(^^;

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-02329/
 秋月だとこれか。見た目は間違いなさそうだが中身は確かめていない。九分九厘間違いないだろうが。


★実装
 あとは一本道で、これに合ったDSUB15コネクタを付けるだけだ。流用でタダで済ませようと思ったのに、余計に53円かかってしまった。ちなみにノーマルブラケットが付かなくなるが、どうせバラックの時には外してしまうので付けないでいい。必要ならば市販されているスロットのメクラ蓋に穴を開けて自作すればいい。@50円もしなかったハズ。


★動作テスト
 このカードはMX460相当(300/550)で使用するが、小型のノーマルヒートシンクでは真夏は少々厳しい。そよ風であってもファン付きのクーラーが望ましい。妥協策としてはメモリクロックだけを550MHzに上げるという手がある。コアを上げなければヒートシンクはこのままで良い。

bench
 MX460相当にOCして3DMark2001SEを回してみる。げげ、遅ぇ!10000も行かんのか…なんて最近PCI-Eカードばかり弄ってたから感覚がマヒしてる。P4B533(SL6SW@2800)+X20だと7399だったのでGF3よりやや落ちか(もちろんXGA以下限定で)。消費電力では大差で勝っているから(1/3?)、性能は稍落ちてもこちらの勝利という事でいいかね?(^^ いずれにせよMX440としてはよくやっている方だろう。

 Vmemの入出力コンは極端に容量を減らした(1/10)が、現在までのところメモリOCでも問題は出ていない。使用したTPCは既に(リフロー2回を含む)ハンダ付け3回目なので、ESR性能が劣化している可能性がある。この場合はそれが好結果に繋がる。新品で真似して同結果になるとは限らない。入力のSP-CAPは完全新品である。


★完成
ms8881_after2
 VGAケーブルを直付けできるのは本当に使い易い。付属のLFHケーブルと違って後方がゴチャつかないからPCセッティングが容易なのだ。電解コンも交換して準固体化したのでノーメンテで半永久的に使える。ベンチマーク実験用ではない常用カードはこうでなくてはいけない。以前ROMを取っ払ったきり放置されているG7BBAの後釜はこれに決まった。

 見栄えの面からはVmemがカッコ悪い。いずれ使い古しで能力減退したEP-CAPが出てきたら交換するかな。ESR性能が低下したくらいが丁度良い(^^