本来は「F86GTS-WDC256X修理」の予定だったが、同じ又は同等品のMOSFETがいまだに手に入らないので埋め草原稿となってしまった。いつも使っている道具を補修するという内輪くさい記事だが仕方ない(^^;


pia_uh4_utap100
 以前から使っていたUSB2.0のハブである。最初から調子が悪いのでバラしてみる事にした。具体的には「USBメモリの認識が悪い」「プリンタもカメラも動作しない」である。


cob
 出た〜これは予想通りの展開だ!少しは予想を裏切ってほしかったが、やはり中身は悪いクラスの中国製。かなり乱雑でテキトーな場末の町工場造りである。コントローラの付いたCOB基板だけ作ってもらって、あとは人海戦術の手作りでやっているようだ。


handa_kuzu
 ハンダが其処彼処に飛び散っている。仕上げの酷さはかなりのモノだ。ショートしなかったのが幸運と言うべきか。


imo_handa
 ため息が出るようなイモハンダと切れそうな細い線。イヤ本当に切れかけている。しかも隣の信号線にバスパワー5V線が接触しかけていた。例え切れなくとも、こんな細い線では0.5Aなど流せるはずもない。基板に穴が開いているのに、何でくぐらさないで上に貼り付けるのだろう。抜け易いのも止むを得ない。


usb_conn
 まさか読者で知らない人は居ないだろうが、4ポート全てに於いて各500mA取れるわけではない。それどころかその1/4である125mAも無理だろう。これの後継機種であるU2H-TAP1410Bのカタログには「4ポート合計350mA以内(1ポートあたり100mA以内)」とあるが、この線の細さでは350mA流したら発熱しそうで、当然大幅に電圧降下するだろう。見た目からの予想では精々100mAが良い所。勿論4ポート全部合わせてである。うちでのテストではプリンタやカメラは動作しなかった。USBメモリが精々で、これは線の細さとDCの不充分さどちらに依るかは分らない。


kaizou
 フラックス掃除していないので汚くて申し訳ない。ハンダ付けをやり直して、気休めに各ポートのバスパワーにMLCCを入れてDCした。容量は10μFなのでもっと欲しいがスペースの関係で諦める。どうせ100mA+細線なので気にしない。


★電圧を測る
 これってどの位降下するのかな。カタログ仕様では100mAということで100mA程度(テキトー)流してみた。なおコネクタの元電圧は5.285V(実はUSB風AC-DCコンバータ)である。一寸規格オーバーだが、電圧降下を見るだけなので気にするな。

1port(2番目)=5.173V
2port(3番目)=5.172V
3port(最遠)=5.167V
4port(最近)=5.177V

 元5.285Vが1mのコードを通ってハブに来た時には5.177Vまで降下するわけだ。あの線の細さを見たあとなら疑問でも何でもないな。質の悪そうな基板配線の抵抗ロスも微妙に感じられる。DC改造後もプリンタは依然としてダメっぽいが、これは電圧と言うより信号線が長すぎるのかもしれない。なお上記改造しても電圧降下は軽減しない。これはハンダ補修・改造後の数値である。

 これは各コネクタに一つの抵抗負荷を繋いで測っている。2〜4ポート同時に取ると元線の細さから更に電圧降下する可能性が高い。0.5Aを舐めちゃいけない。ハブを使う時は使用をよく読みましょうという事で。