哀愁のマザー ECS P4M800-M(解析編)


★交換プラン
 このマザーは入手時には未使用品だったが、使っていなくともアルミ非固体電解コンは劣化する。長期保存品なので使い始めは充分にエージングしないと劣化を早める。まあコンデンサ交換くらいはできないと古いマザーを使うのは難しいわけだが。特にネトバ以降はP6マザーよりもはるかに劣化が早いので、下手するとSlot1マザーよりsocket478マザーの方が早くダメになる場合もある。休み休み使っても10年位が限度だと思われる。

 OSTやLuxon等全中華コンデンサだが、お約束の日本メーカー製に交換する。理想で言えばポリマー系を含めた物になるだろうが、HSDLの性格からすれば不良資産や余っている物件から使うしかない。

RLX1500μF16V→FC1000μF25V×3
RLX1500μF6.3V→FJ1500μF6.3V×10
RLS1000μF6.3V→KZH390μF25V×13
SM100μF16V→KZH150μF25V×8
SX22μF25V→KY22μF50V×4
SX10μF25V→KY22μF50V×1
追加MLCC[2012]10μF×8
合計165円(銭単位切り上げ、副資材別)

Panasonic FC1000μF25V[38mΩ/1655mA]
Panasonic FJ1500μF6.3V[16mΩ/1870mA]
NCC KZH390μF25V[48mΩ/1210mA]
NCC KZH150μF25V[110mΩ/500mA]
NCC KY22μF50V[700mΩ/180mA]

 入力のFCはスペックの見た目ではヤバそうだが、エージングをしっかりやれば通用するのは既にGA-8IG1000 Pro-Gで実験済み。コイツは不良資産だけにブチ込んでやれ。サイズは10→12.5φになるがスペースが空いているので入る。FJ1500μF6.3VはS58PHから未使用のまま外された可哀想な物件。ここで使って成仏させてやる。タダだし(^^

 これでVRMはPanasonicで、その他がNCCで統一できる。しかしVRMを始めとして全くダメージが無いので、どこかのコンデンサが壊れないと交換する気がしないな。早くコンデンサがブチ壊れないかな(^^


★電源投入、だがしかし…
 早速動かしてみた。がしかし、未使用品のくせに超不安定で動かないと言って良いくらいだ。BIOSメニューに入ったら固まってしまった(^^; 何でこんなに不安定なのか?コンデンサがボケているのだろうか。だが調査の結果驚きの事実が発覚した。

http://www.ecsusa.com/ECSWebSite/Product/Product_Detail.aspx?CategoryID=1&DetailID=530&DetailName=Feature&MenuID=24&LanID=5
 2012年5月現在、BIOSもドライバも全てECSのWebサイトから入手できる。

・最終BIOS(1.0E)のリリースノートのMicroCode
0F60,0F4A,0F49,0F47,0F44,0F43,0F42,0F41,0F37,0F34,0F33,0F32,0F31,0F30,0F29

・MicroCodeViewerによるMicroCode
0F60,0F4A,0F37,0F33,0F32,0F29,0F29,0F27,0F25,0F25

 何で全然違うんだろう…(^^; あとで書き換えるのも面倒なので、動かす前に最終バージョンの1.0Eに上げてしまった。

 驚きのウィラメット対応を確かめるため、CPUはSL59Vを載せてみた。POSTCODEカードは00から僅かに動いたものの起動しない。そこでノースウッドセレを載せたら動いた。しかし前記の通り非常に不安定で、BIOSセットアップ時に2回も固まったり再起動した。CPU冷却不足をまず疑ったが、実はそんな生易しい理由ではなかった。


kiban
 上を見れば分る通りソケット部分の基板が強い力で曲がっている。この歪みによりソケットも歪み、接触不良になっているらしい。下がレバーで締め上げる前の基板。真っ直ぐで歪みは感じられない。つまりレバーで締めると曲がってしまう事になる。なんて情けない基板なんだ!これはインテルのリテールクーラーなので、これで動かないという事は欠陥品と言って良いのではなかろうか。これが原因であると決めつけたのは、基板をグニョグニョやると起動するため(^^; 何度かやっているうちに全く起動しなくなってしまった。これじゃあ経験不足の人は勿論、ベテランだって不動と勘違いしてしまうだろう。


socket478_r
 なおリテンションはLotes、CPUソケットはTyco製。ソケットはご覧のように珍しいスルーホールタイプ。


★起動
 仕方が無いのでヒートシンクを締め付けずに載せるだけにした。これは普通の人は恐ろしくてできないだろうが、HSDLではリテンションの無いソケ423で日常茶飯事(^^ 基板は一晩放置して曲がりを元に戻しておいた。気分だけかもしれないけど。ソケットは接触不良にならないように何度かCPUを付け外ししてやった。


biospost
 これで安定して起動するのだが冷却はチョイ不安。サーマルプロテクションは優秀なので燃える事はないが、遅くなったり固まるくらいなら充分あり得る(^^; BIOSの温度は32℃を指しているが全く信用できない。CPUは北森デスクトップ最低クロックのSL6K8である。


memtest
 ヤバいけど行っちまうぞバカヤロー。デュアルチャネルではないのでDDRの1枚物でも使える。速度は一口に言って遅いが使えないほど遅いわけではない。この状態でのワットチェッカーの計測結果は65〜70Wで、流石に1.6Aだと少ない。ちなみにCPUとメモリはフル負荷状態で、そこらで公開されているような所謂アイドル状態ではないので念のため。アイドルだと50W以下だけど意味は無い。ハッキリ確認したわけではないが、この時期のVIAのマザーは消費電力が少ないような気がする(元々の設計が組み込み用だからか?)。

 P4M900T-Mと同じくUSBメモリからのブートは可能である。その場合にはBIOSのUSBエミュレーション設定をONにする必要がある。BIOSデフォルト設定ではブートしない。これが使えると使えないとでは使い勝手が大違い。SATA、USB2.0以上と並んで現役マザーに望まれる機能であろう。


★終わり
 まさか「基板の不具合」でまともに起動できないとは。これってHSDL初の事象ではないだろうか。修理できる故障ではないし、バックパネルでも当てないと根本的な解決はできないっぽい。妙な所でケチを付けられたもんだな…。プレス子はじめ高クロック品は載せる事は少ないのでとりあえず保留。ま、動くようになったから良いか。


★おまけ1
 歪むソケットの謎が解明された後でSL5N9を載せたら起動した。やはりウィラメット対応は本当のようだ。HSDLの全ての478CPUが起動できる。他にこんなマザーは無いので驚く。


★おまけ2
http://www.ascendtech.us/mmASC/Images/p25g_10.jpg
 PCChips P25Gである。基板の色は違うけど全く同じものだね。製造所は同じ所なので当たり前だが…。これも薄くて柔らかい基板なのかな?(^^;