もう4年も前に解析して友人の所に向かった(Acorp)6M694Tだが、再びHSDLに持ち込まれたのだった。調子は良いらしいのだがコンデンサが膨らんで来ている。一線を退いたらしいのだが修理してみよう。ついでに鱈鯖と共にベンチマークをぶん回してみよう。
興隆(Acorp?) 6M694T[Ver2.0]
試しにこのまま電源を入れたら動かなかった。二度目に試したら動いたのでコンデンサがボケていたのかもしれない。終にキングコングの限界が来たのだろうか。晴れているうちにサッサと交換してしまおうか。
★故障部分&もでφ
解析記事でも心配されたキングコング…いや違ったKingcon(R)はやはりダメダメコンデンサだった。出力はまだ何とかなるのだが入力は2本では足りない。解析でも3本は最低でも必要と書いてあるが、悪い方で当たってしまったな。
ご覧の通り入力コンデンサが2本とも膨張している。このままでも好調だったらしいが、使い続けると上側のAP60N03Sが過熱炎上するので止めた方が良い。ここは中華コンではダメ。ISL6624のテスト回路では1本だが、それはOS-CONの6SP680Mだから足りているのだ。
交換要員はWX1500μF6.3V×2かな?しかし元のキングコングを抜いたら、リードのピッチが8φ分しか無い。10φのキングコングも足が曲げてあるんだな。仕方なくFJ1500μF6.3V×2に交換した。2本なので万全と言うわけではないが、たまにベンチを回すくらいならもう交換する必要はないだろう。
よく見たらAGP1.5の入力・3.3VのDC兼用コンデンサも膨らんでいるじゃないか。恐らく3.3Vを大量に使うカードを使っていたのだろう。TNT以前もそうだが、GF6以降も1.3Vなのでオンボードレギュレータが3.3Vを大量に使っている。万全を期すなら固体にすべきところだろう。
これは地味にYXG1000μF6.3Vに交換した。7年物だがKingcon1000μF6.3V(8φ×15mm)よりはだいぶマシだろう。これで修理は全部お仕舞い。
改造部分はCPUソケット内のMLCCである。これはVcoreのDCでオリジナルは4.7〜10μF程度だろう。追加したのは15μF×2である。これでKingcon1500μF6.3V(10φ×16mm)でも高周波的には耐えられそう。
言うまでもないが、曲がっているのがオリジナルで真っ直ぐなのがHSDLだ(^^ 解析記事でも書いたが実装機械がボロい。ランドが広くて非常に作業がしやすかったが、パーツNoのシルク印刷がレバーの下に在ったのでなかなか見つからなかった。
★追加解析
解析で見落としたけど、この部分はCT23とCT2のGNDが共通となっている。この辺りは参照電圧を揃えるという事で、アナログ的になかなかよろしい設計だ。がしかーし。じゃあなんでCT3のGNDも接続して揃えないのだろう?(^^; スペースは充分あるのに残念な奴ですね。対策としてはCT2を6SP680MにしてCT3はEMPTYで完全体?になるだろう。そんな事をしても微妙にノイズ低減するだけでメリットは殆ど無いだろうけど…。
上は一部良い例だったが悪い所もある。それはAC97のアナログ電源だ。まず7805の入出力コンが遠すぎ。もっと近くに配置できるはずだ。しかしそれはまだ許せるが、ソースの12Vラインが長すぎるのはイカン。しかも中間にCOMドライバが入っている。つまりデイジーチェーンのような電源配置になっているのだ。これはアナログ的には最悪で、どうしてもこうするならDCをもっと厳密にしなくてはいけない。もっともこの長い配線がインダクタンスになり、シリアル以外からはノイズは来ないだろうが。まあサウンドという事で手を抜かれたのだろう。筆者も手抜きするだろうけどこの配置はやらないな。やってもやらなくてもコストに違いは無いので。
これも解析で見落としたけど、上下MOSFETのRgが22Ωと異様に大きい。AP60N03Sは超高速なのだが、ここまで大きいと6030と変わらないのでは…と言う気がしてくる。きっとサージが消えなかったんだろうね。高速スイッチング=高サージ電圧なのは当たり前。ある程度は我慢するしかないな。スイッチング周波数は200kHzだからもっと小さくても良さそうなのだが。せめて下はもっと小さくしたいところ。まあそれ以外にも消す方法はいくらでもあるんですけどね。
Kingconは色から見てもRubyconのパクリだと思うが、一部の防爆弁がニチコン仕様になっている(^^; テキトーだなあ。情けない話だが、二流中華メーカーは生産機械が中古機械なので選べないんだな。元々は日本メーカーの破棄機械だったりする。機械だけでは同じ物はできないって事ですかね。
★使用部品
Kingconは中華コンの権威とも言うべきコンデンサメーカー一覧サイトにも載っていない。名前だけは笑いが取れるのだが…何がキングだバカヤロー!m9(^^) ESRのランクは恐らくGXクラスのつもりなんだろう。
CT2:1500μF16V→FJ1500μF6.3V
CT3:1500μF16V→FJ1500μF6.3V
CT28:1000μF6.3V→YXG1000μF6.3V
TC37:追加→MLCC15μF
TC38:追加→MLCC15μF
Kingcon1500μF16V(10×20mm)[NA/NA]
Kingcon1000μF6.3V(8×14mm)[NA/NA]
PanasonicFJ1500μF6.3V(8×20mm)[16mΩ/1870mA]
RubyconYXG1000μF6.3V(8×11mm)[130mΩ/640mA]
★テスト
マザーと同時にRADEON7000PCIと言う渋い物件と、鱈鯖1.13GHz+PC133の512MB×3という贅沢な物を借りてきている。
ゲッ!何だこれは!231MB/sだって?何か設定を間違えたのだろうか。いかに遅いアポロと言えどもFSB133でこの遅さは無いだろう。SL3CC定格+AP133A(289MB/s)にすら全く及ばない。しかもCL2で動かしたらボロボロとエラーが出た。解らない。BIOS設定はSPDデフォルト(メモリはInfineon PC133-CL2)なのでどうしようもない。これって熱なのかなあ。
ちなみにCeleron700で動かしたらどうやってもFSB66になってしまい、122MB/sという空前の遅さとなった。地のメモリだけならP54Cと変わらないではないか…(注)。これと遅さで好勝負出来るのはFLORA 330 DK4だが、これはシェアメモリなので負けていると言えない事も無い。一体どういう設定になっているのか不思議だ。これはPCIレジスタ設定を検討するしかなさそうだ。
これだけ滅茶苦茶だと何か間違いを犯している気がするな。例えばVmemのコンデンサがもうお亡くなりになっているとか。座ったまま寿命でお亡くなりになるなんて人間でもよくあること。乗りかけた船だから次回はこの辺りも取り替えてみるか。
★気づいた事
動かしたらチップセットが非常に熱かった。結構大型のヒートシンクが付いているのに熱が不安になるレベルだ。そう言えばノース周りがスッキリしているなあ。で、忘れてたんだけどこのチップセットって440BXなんかと同じVcore3.3Vなんだね。通りでチップセット周辺にレギュレータが無いわけだ。発熱が大きいのもそのせいだろう。恐らくFSB133で440BXを動かしたくらいの発熱になるのではあるまいか。MEMTESTでのエラーはチップセットの発熱も疑われる。
あとシルク印刷に拠ればJP1(STR FUNC)とBSELジャンパ(FSB切り替え)がある筈なのだが見当たらない。ポストピンの痕跡すらないので基板設計の段階で取り去られているハズなのだが、何故か印刷だけはそのままと言うマヌケな事に…(^^;
★次回に続く
今回で終了の筈だったが、かなり不調なので全面交換の悪寒?!次回はメモリに関連した部分を全部交換してみる。単純にメモリ周りと言うけど、3.3Vは勿論、VclkやVtt1.5も俎上に上がる。つまりノースは全部交換となるわけだ。ヤダネー(^^;
興隆(Acorp?) 6M694T[Ver2.0]
試しにこのまま電源を入れたら動かなかった。二度目に試したら動いたのでコンデンサがボケていたのかもしれない。終にキングコングの限界が来たのだろうか。晴れているうちにサッサと交換してしまおうか。
★故障部分&もでφ
解析記事でも心配されたキングコング…いや違ったKingcon(R)はやはりダメダメコンデンサだった。出力はまだ何とかなるのだが入力は2本では足りない。解析でも3本は最低でも必要と書いてあるが、悪い方で当たってしまったな。
ご覧の通り入力コンデンサが2本とも膨張している。このままでも好調だったらしいが、使い続けると上側のAP60N03Sが過熱炎上するので止めた方が良い。ここは中華コンではダメ。ISL6624のテスト回路では1本だが、それはOS-CONの6SP680Mだから足りているのだ。
交換要員はWX1500μF6.3V×2かな?しかし元のキングコングを抜いたら、リードのピッチが8φ分しか無い。10φのキングコングも足が曲げてあるんだな。仕方なくFJ1500μF6.3V×2に交換した。2本なので万全と言うわけではないが、たまにベンチを回すくらいならもう交換する必要はないだろう。
よく見たらAGP1.5の入力・3.3VのDC兼用コンデンサも膨らんでいるじゃないか。恐らく3.3Vを大量に使うカードを使っていたのだろう。TNT以前もそうだが、GF6以降も1.3Vなのでオンボードレギュレータが3.3Vを大量に使っている。万全を期すなら固体にすべきところだろう。
これは地味にYXG1000μF6.3Vに交換した。7年物だがKingcon1000μF6.3V(8φ×15mm)よりはだいぶマシだろう。これで修理は全部お仕舞い。
改造部分はCPUソケット内のMLCCである。これはVcoreのDCでオリジナルは4.7〜10μF程度だろう。追加したのは15μF×2である。これでKingcon1500μF6.3V(10φ×16mm)でも高周波的には耐えられそう。
言うまでもないが、曲がっているのがオリジナルで真っ直ぐなのがHSDLだ(^^ 解析記事でも書いたが実装機械がボロい。ランドが広くて非常に作業がしやすかったが、パーツNoのシルク印刷がレバーの下に在ったのでなかなか見つからなかった。
★追加解析
解析で見落としたけど、この部分はCT23とCT2のGNDが共通となっている。この辺りは参照電圧を揃えるという事で、アナログ的になかなかよろしい設計だ。がしかーし。じゃあなんでCT3のGNDも接続して揃えないのだろう?(^^; スペースは充分あるのに残念な奴ですね。対策としてはCT2を6SP680MにしてCT3はEMPTYで完全体?になるだろう。そんな事をしても微妙にノイズ低減するだけでメリットは殆ど無いだろうけど…。
上は一部良い例だったが悪い所もある。それはAC97のアナログ電源だ。まず7805の入出力コンが遠すぎ。もっと近くに配置できるはずだ。しかしそれはまだ許せるが、ソースの12Vラインが長すぎるのはイカン。しかも中間にCOMドライバが入っている。つまりデイジーチェーンのような電源配置になっているのだ。これはアナログ的には最悪で、どうしてもこうするならDCをもっと厳密にしなくてはいけない。もっともこの長い配線がインダクタンスになり、シリアル以外からはノイズは来ないだろうが。まあサウンドという事で手を抜かれたのだろう。筆者も手抜きするだろうけどこの配置はやらないな。やってもやらなくてもコストに違いは無いので。
これも解析で見落としたけど、上下MOSFETのRgが22Ωと異様に大きい。AP60N03Sは超高速なのだが、ここまで大きいと6030と変わらないのでは…と言う気がしてくる。きっとサージが消えなかったんだろうね。高速スイッチング=高サージ電圧なのは当たり前。ある程度は我慢するしかないな。スイッチング周波数は200kHzだからもっと小さくても良さそうなのだが。せめて下はもっと小さくしたいところ。まあそれ以外にも消す方法はいくらでもあるんですけどね。
Kingconは色から見てもRubyconのパクリだと思うが、一部の防爆弁がニチコン仕様になっている(^^; テキトーだなあ。情けない話だが、二流中華メーカーは生産機械が中古機械なので選べないんだな。元々は日本メーカーの破棄機械だったりする。機械だけでは同じ物はできないって事ですかね。
★使用部品
Kingconは中華コンの権威とも言うべきコンデンサメーカー一覧サイトにも載っていない。名前だけは笑いが取れるのだが…何がキングだバカヤロー!m9(^^) ESRのランクは恐らくGXクラスのつもりなんだろう。
CT2:1500μF16V→FJ1500μF6.3V
CT3:1500μF16V→FJ1500μF6.3V
CT28:1000μF6.3V→YXG1000μF6.3V
TC37:追加→MLCC15μF
TC38:追加→MLCC15μF
Kingcon1500μF16V(10×20mm)[NA/NA]
Kingcon1000μF6.3V(8×14mm)[NA/NA]
PanasonicFJ1500μF6.3V(8×20mm)[16mΩ/1870mA]
RubyconYXG1000μF6.3V(8×11mm)[130mΩ/640mA]
★テスト
マザーと同時にRADEON7000PCIと言う渋い物件と、鱈鯖1.13GHz+PC133の512MB×3という贅沢な物を借りてきている。
ゲッ!何だこれは!231MB/sだって?何か設定を間違えたのだろうか。いかに遅いアポロと言えどもFSB133でこの遅さは無いだろう。SL3CC定格+AP133A(289MB/s)にすら全く及ばない。しかもCL2で動かしたらボロボロとエラーが出た。解らない。BIOS設定はSPDデフォルト(メモリはInfineon PC133-CL2)なのでどうしようもない。これって熱なのかなあ。
ちなみにCeleron700で動かしたらどうやってもFSB66になってしまい、122MB/sという空前の遅さとなった。地のメモリだけならP54Cと変わらないではないか…(注)。これと遅さで好勝負出来るのはFLORA 330 DK4だが、これはシェアメモリなので負けていると言えない事も無い。一体どういう設定になっているのか不思議だ。これはPCIレジスタ設定を検討するしかなさそうだ。
これだけ滅茶苦茶だと何か間違いを犯している気がするな。例えばVmemのコンデンサがもうお亡くなりになっているとか。座ったまま寿命でお亡くなりになるなんて人間でもよくあること。乗りかけた船だから次回はこの辺りも取り替えてみるか。
注:MEMTEST86+低速記録は下の通り。但しバージョンが1.xxなので4.xxと速度は違っている可能性が高い。最低記録はIDEのHDD並みだ(^^; スワップアウトした方が速いかもしれんな。
234MB/s:Celeron300A定格+P3C4X
146MB/s:P54C@112.4MHz+GA-5AX+
62MB/s:SL3CC+BXMaster(レコードロウ)
★気づいた事
動かしたらチップセットが非常に熱かった。結構大型のヒートシンクが付いているのに熱が不安になるレベルだ。そう言えばノース周りがスッキリしているなあ。で、忘れてたんだけどこのチップセットって440BXなんかと同じVcore3.3Vなんだね。通りでチップセット周辺にレギュレータが無いわけだ。発熱が大きいのもそのせいだろう。恐らくFSB133で440BXを動かしたくらいの発熱になるのではあるまいか。MEMTESTでのエラーはチップセットの発熱も疑われる。
あとシルク印刷に拠ればJP1(STR FUNC)とBSELジャンパ(FSB切り替え)がある筈なのだが見当たらない。ポストピンの痕跡すらないので基板設計の段階で取り去られているハズなのだが、何故か印刷だけはそのままと言うマヌケな事に…(^^;
★次回に続く
今回で終了の筈だったが、かなり不調なので全面交換の悪寒?!次回はメモリに関連した部分を全部交換してみる。単純にメモリ周りと言うけど、3.3Vは勿論、VclkやVtt1.5も俎上に上がる。つまりノースは全部交換となるわけだ。ヤダネー(^^;