前回記事で使えそうなドライバが徐々に判明してきた。いや使えないバージョンがハッキリしてきたというべきか。今日はドライバチューンについて考える。実は今まで設定した経験が無いのでよく解っていない。HSDLでは現時点においてはパフォーマンスを優先したい。

 念のために書いておくが、この実験結果はGPU(今回も主にMX460)には左右されない。あくまでもドライバとソフトウェア(この場合はベンチマークソフト)だけに関係する。他の世代のプロセッサでも結果は変わらない(GF6でも同じだった)。


★垂直同期
 これは最大フレームレートがリフレッシュレート以内に制限されてしまうので切るしか無い。チラつきが出たりした経験は殆ど無い。HSDLには速く動くマシンが無かったからだろう。現在ではビデオカードのチラつきよりも、クソ遅い液晶モニタのティアリングの方がよほど気になる。


★トリプルバッファリング
 トリプルバッファリングを有効にすると「垂直同期が有効∧フレームレートがリフレッシュレートより低い場合に限って」ゲームのフレームレートが向上する。という事は、上で垂直同期を切っている我々には全く関係ない設定だ。デフォルトのままで良し。


★異方性フィルタリング
 これはテクスチャ・フィルタリング画質を高めるためのアルゴリズムだから無効が良いのだろう。切るとミップマップ併用のバイリニアになるのだろうか?ちなみに現時点に於いてはデフォルトの「アプリケーション設定」にしている。これはベンチマークでは速度に変化が認められなかったため。使用するソフトに依存する部分が大きいのだろう。


★アンチエイリアシング
anti-aliasing
 これもエッジ画質を高めるためのアルゴリズムだから、簡略若しくは無効が速くなる事になる。レベルを下げる事によって速度は大幅に向上するが、同時に画質を大きく下げる原因にもなる。少なくともミップマップの設定より大幅に影響する。最も効果が表れるゆめりあベンチで試してみた。

アプリケーション設定(デフォ):5280
オフ(アンチエイリアスなし):5281
2倍速:4389
Quincunxアンチエイリアス:4365
4倍速:2964
4xS(D3Dのみ):3028

 スコアは大差になった。少なくともゆめりあベンチではこれが一番速度に影響するらしい。止め絵で見ると、AAを効かせた場合はキャラクタの眉のあたりがボケる。QuincunxはGF3〜8の間に使われたヌビの独自方式で、設定の位置からして2と4の中間の画質なんだろう。速度はx2と同じくらいである。4倍速と4xSの差は2D文字に掛かる・掛からないの差だろうか。


★ミップマップ詳細レベル
 Direct3Dでテクセルのサンプリングに使うフィルタリング方法が変わるのだろう。この設定が見当たらないドライバもある。その場合はシステム・パフォーマンス設定の中に含まれるのだろうか。


★強制ミップマップ
 強制的にミップマップを使用する。基本的には(メモリは食うが)速く高画質になるだろう。ミップマップ自体安直と言うかインチキ手法と言えなくもないが、現時点では速く動けばそれに越した事はない。この設定では速度に顕著な差は認められなかった。ミップマップについてはこちらを参照のこと。この設定が無いドライバも多い。


★プリレンダリング
 表示前にレンダリングするフレーム数。イメージ的には一旦メインメモリで3D画像を作ってカードに送る形になるのだろう。感覚的にはその方が速くなる気がするが、バスの転送スピードの限界も考えられる。ゲーマーは遅延が発生するという事で、これを出来る限り少なくするのが常識らしい。我々はベンチマーカー(^^)なのでこの際遅延は関係ないから、テストして最適値を探るしかなさそう。単純に考えると「GPU負荷が大きくCPU負荷が小さい」ソフトに効果があるハズだ。ゆめりあベンチとか?やってみよう。このテストだけGF6600(DDR64MB、ドライバは84.21)+E1400@2400でやっている。スコアは5周させた時の最大数値である(HSDLデフォルト)。

00:7769
01:10168
03:10171(デフォ)
06:10160
09:10155
18:10140

 これ以上はやる必要は無いよね?結論として(GRAM128MB限定?)「0以外ならOK」という事だ。これはデフォルトの3でいいんじゃないか。


★PC側設定
 ドライバ設定ではないが、PC側にもAGPの設定がある。PCI-Eは各自で調べよう(^^

・Enable side band Addressing
 AGPには通常の32bitデータバスの補助用として8bitデータバスが準備されている。これを使用するのがSideBandAddressingである。だが期待とは裏腹にパフォーマンスに与える影響は微少である。MX4xxではこれをサポートしていない。あまり効果が無いから?

・Enable Fast Write
 AGP高速転送はメインメモリとビデオボード間でのみ使用可能で、CPUからビデオボードへの直接アクセスには適用されない。FastWriteはCPUからのアクセスを高速化する機能だが、実際にこのようなアクセスは非常に少なく効果が無いようだ。

 どちらもどうでも良い設定っぽいね…(^^; AGPバスが普及し始めた頃はビデオカードが極限まで高速に進化していた時期なので、規格が現実に追いつかない場合が多かったのだ。


★全設定を高速化
 以上の全設定を高速(と思われる)設定にしてみた。ありゃ?ハッキリ判るほど画質が低下してしまったぞ。モノによってはボケボケ・ガタガタだ。ギザギザが一番目障りなのはFRのラストシーンの向かってくる文字かな。例えるとドット・インパクトプリンタとレーザー・プリンタぐらい違う(^^ なおドライバはテキトーに45.23を使用している。上で書いた設定項目のうち存在しないものもある。


3d_settei
 結果は歴然、高画質はハンパじゃないくらいスコアが落ちる。これほど違いが出るとは思わなかった。流石にこれだけ違うと設定は慎重になる。一部デフォルトが高画質より低いベンチは、アプリケーション設定で垂直同期が切れないからだろう。ともかく最少でも122%、最大311%の違いがあるのは覚えておく。GPUに依るだろうけど。

 我々はベンチマーカー(^^)なのでこれからも高速設定で行きたい。がしかし、FSAAをメイチ掛けた時の異様に滑らかでキモい輪郭もなかなか捨てがたい。ビデオカードをデフォ設定で使っていて、このキモ滑らかな画質を見た事が無い人は一度見た方がいいよ。ヘタすると病みつきになるかもしれない。次回は気にしていなかった画質の違いも確認してみたい。


★おまけ
 ゆめりあベンチは過去との互換性から解像度=1024x768、画質=「それなり」でテストしている。と言うかMX440ではGPUの関係で「綺麗」「最高」では正常に表示されない。


yb_kirei
yb_saikou
 上が「綺麗」下が「最高」である。御覧の通りまともに表示されない。仕方なく「それなり」を使用している。