これを手に入れたのはHSDLブログ開始前の2006/03/05だ。99EXの中古コーナーが無くなる時に、在庫一掃投売りセールで僅か50円で手に入れたもの。ちなみに同時に手に入れたのが2006年代のメイン機SY-6BA+(これも50円)だ。更に付け加えればこの2枚は最後の売れ残りで、もっと早く行けば良い物があったはず…今でも悔やむ筆者だった。閑話休題、


★コンディション良好!
ga8tx
 50円ジャンクとは言え状態は非常に良い。電解コンのダメージも全く感じられず、ホコリも無い事から殆ど未使用に近いのではないか?と感じる。もっともs423マザーはボロボロの物はあまり多くない。現役当時から使っている人が少なく、価格もそれなりに高価だったことから大切に使われたのだろう(例えるならSocket1366辺りか)。販売・活躍期間が非常に短かったという理由も勿論ある。メジャーなインテルチップセット採用マザーとしてはレアな部類に入る。GA-8TX自体は423の中ではメジャーな方である。


socket423_ga8tx
 これがs423周り。対称形でないのが分かる。電流はそれなりに流れるが、高電圧のためノースウッド以降の石ほどは流れない。電圧が高いので発熱はそれなりにあるが、世間の人々が思うほど発熱が酷いわけではない。発売当初は発熱の少ない河童P!!!と比較されたのが運の尽きだった。以前HSDLがヒートシンクを輪ゴムで止めていたように(注)、実はそんなにたいした発熱では無い。大多数の人は使わずに又聞きで大騒ぎしていただけだ。

注1:輪ゴムは100円ショップのchina製だと思うが3、4ヶ月は持った。次回も「リテンション発見!」とか情況が予想外に好転しない限りはこれで行く(^^

★TehamaPowerCkt
GA8TX_vrm
 いつもと違い大型の回路図となっている(^^ 最初はご丁寧にVsen回路も入れていたからだ。その後GIGABYTEオリジナル回路図を見る機会があったが、当該製品版との違いは非常に少ない。それまでのP6マザーの進化傾向からすれば「突如として途方もない大電流」なので、生産側としても手探りの部分があったのだろう。動かしてみると意外に大丈夫だと分ったわけだが、手抜きされるのはこの後のブルックデール以降の製品である。ブルックデールマザーに良品が少ないのはそのため。


vrm_ga8tx
 この電源は45A出力が仕様だが、3相なので1相あたり15Aとなる。これはP6世代と同等だから大した事は無い。しかしやはりテハマは初物と言う事で、当時のギガバイト製品としては異質なほどの物量が投入されている。

・上下MOSFETが最適化されている
 この電源であれば通常なら上下2SK3296で充分だ。しかし下側を低Rdson製品に変えてきたところに意欲が感じられる。これはレイセオンRC愛用のAcer系が得意としていたが、ギガバイト製品では記憶に無いくらい少ない。多分高価で入手困難であろう下側MOSFETは飛ばさないようにしないとね。

・出力コンにOS-CONが複数使われている
 この製品前後には、これほど豪華なラインナップは見かけない。この後ブルックデール以降はスッカリ安心して?部品は中華製など極度に劣化、更には省略されていった。

・インダクタが大型
 前世代P6時代のインダクタとは比較にならないくらい大型化している。もちろん大電流を流すために線材が太くなったからで、巻き数を増やしてインダクタンスを増やすためではない。インダクタンス自体はP6時代から1/2以下の1μH前後となっている。

・CPU_DCが厳密
cpu_dc_ga8tx
 ギガの製品とは思えないくらいよくやっている。以前取り上げた同等機のP4ITAよりは上だろう。


mosfet_ga8tx
 パワーMOSFETは上がおなじみネコ電2SK3296、下がIntersilのHUF76143Sである。しかしギガはこのK3296をどれだけ仕入れたんだろう。7世代前後の使用量はかなりのものだ。

 書き忘れたがスイッチング周波数は232kHzだった。勿論3フェーズなので1フェーズあたりという事になる。総合では700kHz相当になるわけだ。


★CPU周りのコンデンサ
 前記の通り、このマザーは当時のギガバイトとしては異例なほどの物量作戦を展開している。やればできるんじゃないか。

・入力インダクタDC(1本)
C166:G-Luxon SX100μF16V

・VRM入力(4本)
C171:CHOYO XR1500μF25V
C172:CHOYO XR1500μF25V
C173:CHOYO XR1500μF25V
C174:CHOYO XR1500μF25V

・VRM出力(9本)
C175:CHOYO XR2200μF6.3V
C177:CHOYO XR2200μF6.3V
C178:OS-CON 4SP750M
C179:CHOYO XR2200μF6.3V
C180:OS-CON 4SP560M
C182:OS-CON 4SP750M
C400:OS-CON 4SP560M
C401:OS-CON 4SP750M
C402:1200μF10V(EMPTY)

・仕様データ
G-Luxon SX100μF16V[NA/110mA]
CHOYO XR1500μF25V[35mΩ/1800mA](推定)
CHOYO XR2200μF6.3V[35mΩ/1800mA](推定)
OS-CON 4SP560M[14mΩ/4080mA]
OS-CON 4SP750M[12mΩ/5040mA](推定)

 XRシリーズの性能データは推定。恐らく三洋GXクラスだと思われる。当時の中華メーカーは全てGXを目標に製造していた。コントローラICのデータシートを見れば判るがデファクト・スタンダードと言って良い。1500も2200もサイズが同じなので同性能だろう。

 OS-CONは750μF4Vと言うのに該当品種が無かった。2000年当時はあったのか標準外なのかは分からない。回路図では4SP820Mだったし、サイズから言っても同程度だろう。

 入力コンが中華なのが稍残念だが、充分な本数を用意しており不安は感じない。事実これの破損例もまだ見た事が無い。電流から見ればポリマー固体は必要無かろう。出力は半数以上がOS-CONで当時としては申し分ない。製品版としてはケチを付ける所は全くない。

 この後に登場した845や865マザーなどよりは信頼性ははるかに高い。やはりそれなりに金をかけないと良いモノは出来ないという事か。


★メモリ周り
tehama_ga8tx
 MCHのTehama君である。それなりの完成度で更に熟成期間が欲しかった。845よりはデュアル分だけ速いが発熱は大きい。


tehama_dc_ga8tx
 裏面のDCはこんな感じ。うーむ、ここはECSの方がマシだったような…(^^; Intelと同じくCPU周りはほぼ完璧だがメモリ周りが弱いな。423は短期決戦用なのだろうな。既に次が見えているわけだし…。


rimm_slot_ga8tx
 コンデンサのメンツがかなりショボイがイソテル純正ほどではない。しかしやはり全部交換したくなる状況だ。RIMMというかデュアルチャネル・アクセスの消費電力と高周波は半端ではない。ここから崩れたマザーは865Gなどでもよく見かける。8IG1000のHMとか。


choyo_xr330u_ga8tx
 ギガではおなじみのG-Luxonである。XR330μF25VはGA-5AXでもメインコンデンサで使われていたので思い出深い。容量の割には大型なので意外にタフである。これが吹くようだと使い方に問題があると言える。


★その他
ich2_ga8tx
 サウスはICH2なので810や815と何も変わらない。今となっては最低でもSATA+USB2.0が使えるICH5〜は欲しいところ。


dualbios_ga8tx
 デュアルBIOSはこのマザーでも採用されている。これがある限りBIOSを飛ばして困る事はまずないだろう。


 基板はギガの青板ではおなじみのYang An Electronic製YA-4で、2001年17週製造となっている。中国本土では無く台湾製の6層基板だ。i845以降のショボイ4層基板とは明らかに一線を画す、分厚い安心感のある基板である。


★次回に続く
 「哀愁のマザー」シリーズ常連のギガだが、今回はちょっと様相が異なる。マザーの出来は哀愁でも何でもなく良くできているのだ。哀愁を誘うのは、ネットバーストのファーストCPUに期待と夢を膨らませて飛びついた方々だろう。CPUのダメさ加減は哀愁シリーズには相応しい。

 次回は実際にこのマザーを動かしてみる。DRD-RAMマザーは3度目だが、何か新しい発見はあるだろうか。今までの情けないマザー達(これこれ)とは一味違うマザーなので多少の期待はしている。


★おまけ
 設計段階から頑張っているので、この際だから中華コンをVRM(というかCPU周り)から排除する事を考えてみる。もちろんHSDL所有パーツだけを使う。常連読者には見飽きたいつものパーツである(^^

・入力インダクタDC
C166:NCC KZH150μF25V

・VRM入力
C171:Panasonic FC1000μF16V
C172:Panasonic FC1000μF16V
C173:Panasonic FC1000μF16V
C174:Panasonic FC1000μF16V

・VRM出力
C175:SEI WG3300μF6.3V
C177:SEI WG3300μF6.3V
C178:OS-CON 4SP750M(変更無し)
C180:OS-CON 4SP560M(変更無し)
C182:OS-CON 4SP750M(変更無し)
C400:OS-CON 4SP560M(変更無し)
C401:OS-CON 4SP750M(変更無し)
C402:NCC KZH680μF25V

・仕様データ
NCC KZH150μF25V[110mΩ/500mA]
NCC KZH680μF25V[32mΩ/1650mA]
Panasonic FC1000μF16V[45mΩ/1440mA]
SEI WG3300μF6.3V[12mΩ/2800mA]

 入力のFCは「これじゃ耐リプル足りないんじゃね?」とプロなら思うだろう。実は筆者もそう思うが、実際478のGA-8IG1000 Pro-Gでは問題無かった。更に楽な423なので充分やれるとみている。それにコイツは長期在庫なので早く使いたい。それが一番大きな理由だったりする。本当にリプルだけを考えれば、実はKZH680μF25Vの方がここに向いている。仕様データを見れば解るだろう。入力容量は700kHz相当という事で全く必要ない。MLCC程度の小容量でも選べば大丈夫なくらいだ。

 出力のC402は付けても意味無いけど、空いていると落ち着かないので埋める。貧乏性だね。ここは超低インピーダンス品でサイズ(重要)が合えば何でもいい。出力容量もこれ以上増やす必然性は無く、性能を落とさないなら更に減らしても良い。

 これらはいずれ暇を見つけて交換したいところ。テストは交換前にノーマルで行う。