哀愁のマザー GIGABYTE GA-8TX

 前回解析したGIGABYTE GA-8TXに、実際にメモリとCPUを載せて動かす。P4ウィラメットはソケット423にて3回目のテストだが、あれからメモリの種類が増えたので色々やってみたい事はある。


★GA-8TX初起動
 最低限のパーツを繋いで動かす。実を言うとこのマザー、入手してから一度も動かした事が無い。HSDL登録は2006年3月だからもうじき7年になろうとしている。例によってリテンションが無いので、クーラーはCPU上に置いているだけ。

 電源を入れたら突然フロッピーにアクセスが!何故だ?これはAMI BIOSのリカバリー機能である。BIOSが飛んでるのか?そんな訳ねーだろう。そこでCMOSクリヤーとか色々やったが変わらない。完全にぶっ飛んでますねこれは。「ちょっと待ってください!これってデュアルBIOSですよ?リカバリーって事は両方ぶっ飛んだ事になるなじゃいですか!」勿論そんな事がある訳が無い。マニュアルをよく読んだら回答を発見した。


jp6_8tx
 このジャンパが抜けていた(紛失)のだ。これが抜けているとAMI BIOSのリカバリーモードになってしまい、デュアルBIOSの特徴であるオートリカバリーが働かないのだ。これをデフォルト位置に差して電源を入れたらオートリカバリーモードになって、BIOSはバックアップから書き戻されて復活した。

 まあ両方ぶっ飛んだらブログネタで笑いが取れるのでちょっと残念な気もするが、今回はデュアルBIOSの威力を遺憾無く発揮する事が出来た。ただジャンパについてよく知っていないとツボにはまる危険性もある。新品ならともかく、ジャンクは揉まれているうちにジャンパが外れている場合が多いのだ。


biospost_8tx
 起動しました。CPUIDもF0Aで正常に認識されている。セットアップで時計を合わせれば起動するだろう。


bios_8tx
 時計を合わせ、その他のセッティングを行う。温度を見てみたが、この状態で38〜41℃の間を彷徨っていた。ちょっと高い気もするが、s478リテール並みクーラーにグリスを塗らず、CPU上に置いているだけなのでこんなモノだろう。


memtest_8tx
 そのままMEMTEST86+を走らせる。クーラーが不安だがまあいいや。倒れたところで燃えたりはしない。結果は御覧の通り無事完走した。気になる速度は1153MB/sでちょっと遅い気もする。何よりデュアルチャネルアクセスの表示が出ないのが気になるが、このソフトは古いチップセットはいい加減なインフォメーションしか出さないので気にしない。試しにメモリを差し替えてみたが、どの組み合わせでもデュアル表示は出なかった。次はXPを入れてテストしたい。


★WindowsXPテスト
 動作チェックはSL57W+SAMSUNG45(128MB×2)で行なった。1.7GHzと言ってもネットバーストだから話半分で、例えSSE2をフルに使ったとしてもAthlonXP1500+(SSE対応)定格と同程度と思われる。高速メモリのアドバンテージは非常に大きいにも関わらずだ。なお冷却に不安があったのでグリスを塗って、タイラップで軽く固定した。がしかしテンションは全くと言って良いくらい掛かっていない。それでもBIOS読みで27〜30℃と10℃くらい下がった。サーマルコンパウンドの威力は大きい。


sl57w
 これがSL57WのCPUIDである。ふと見るとコア電圧が1.680Vまで下がっている。テスター計測でも1.712V(10mV以下はリプルがあるのでテキトー)だったので電圧降下かな。これって省電力機能なのか?とか楽天的な事も考えたが、ハッキリ言ってウィラメットでそれは無いだろう(^^; P!!!と比べればSSE2があるのとクロックが多少高いのだけがアドバンテージ。


hdbench_8tx
 総合ベンチはこんな感じか。いつものようにHDDは気にしないように(^^ 何しろ使っているのがATA(DMA)33〜66なので。浮動小数点演算に比べ整数演算の値が極度に低い。体感速度が高クロックのP!!!に劣るのはそのせいだろう。整数演算だけならP!!!866〜933相当か。浮動小数点演算はノーマルの河童P!!!には負けない。がしかし、消費電力を考えると改良と呼べるのか疑問だが…ヘタすると河童×2の方がワット/パフォーマンス良さそうなんだもん。


gogo_8tx
 おなじみ午後ベンチ。SSE2までカリカリに最適化されているので言い訳はできない。これを見るとXP1500+と同等という予想は概ね当たっている(注1)。メモリ周りはFSB400のお陰で劇速なのに何でこんなに遅いんだろう。

 π焼は1:45なので河童1GHzよりは確実に速い。ここで漸く高速メモリの恩恵に与れた。もっともπ焼はクラペン時代の特殊ソフトなので、これが速くても実アプリでは何の恩恵も無いんだけど(注2)。この時代、SIMDを使わないなんて我慢大会じゃあるまいし(^^;


2001_8tx
 ビデオカードはいつものようにMS-8881(MX460相当)だが、当時としてもあまり良い記録とは言えない。3Dに関して言えば、恐らくP!!!には勝てたとしてもAthlonには負けるだろう。デュアルチャネル採用とは言え、MCHは急造っぽくてたかが知れている。


注1:XP1500+の午後ベンチは11.55〜60.47倍速。但しこれはSDR-SDRAMなので完璧に負けていると言えない事も無い。

注2:FPUが高性能だとCPUの発熱が増えるくらいだ。これを現実的に改良したのが他ならぬATOM初代で、このCPUはSIMDに特化しておりFPUが極度に弱い。クロック当り能力だとP55Cがライバルになるくらいだ。がしかし実アプリで引け目は感じない。現実的にはFPU主体のソフト等は現存しないからだ。

★消費電力
 HSDLブログは消費電力について書かれる事は少ないが、他ならぬウィラメットという事で消費電力には興味のある読者が多いのではないかと思う。殆ど動く機会の無いマザーでもあるし、ついでなので簡単に消費電力を計測してみた。


watt1
 おなじみワットチェッカーを使う。これはデスクトップで3分間放置したもの。60Wなのでまあ常識的なところか。なおこの実験機はHDDが2台なのでその点は留意して欲しい。


watt2
 放置して暫くするとガクンと消費電力が下がる。これは省電力モードに入ったからだ。具体的にはHDDのモーターが止まる。SSDを使えばこれだけ省電力になるという事だね。


watt3
 更に放置するとビデオ信号が落ちてS1に入る。更に放置するとスタンバイモード(S3)に入るが、装着したデバイスによっては帰ってこなくなる。昔のビデオカードやその他デバイスはACPI機能の問題が多かった。なおスタンバイ時には数ワットなので、放置期間が長い人は積極的にこれに入るようにした方が消費電力は下がる。


watt4
 これが3DMark2001SEを回している所。流石に増大しているが、ネットバーストと考えると意外なほど少なく感じる。ビデオカードが省電力のMX460だからだろう。近年はCPUよりビデオカードでPCの消費電力が決まると言って良い。ちなみにこのシステムでこれ以上の電力消費はどうやっても無理だった。

 ということでウィラメットと言えども、今や低クロックCPUなので消費電力Wは大したことは無い。凄まじい電力消費を期待していた人は流言飛語に毒されていると言える。


★終わりに
 今では殆ど見かけないレアマザーで市場からは減る一方だから、もし手に入れたいのなら迷わず見つけた時に買うべきだ。ブツさえあれば値段はマザーの中でも最低ランクだろう(2006年の相場は100〜500円程度)。

 ちなみにCPUはSlotA程レアではないが、最近は見かける事が少なくなったので早めに確保しよう。HSDLやその周囲では未だに死亡品を見た事が無い。ピンがボロボロに折れて脱落していない限りイケルはず。実用より動かす事自体が楽しみの人にお勧めの一品。そうそう、423マザーはDRD-RAM入手も忘れちゃいけない。容量に拘らなければRIMMはHOでも青箱にあふれている。金属回収に棄てられる前に256〜512MB以上とか40とかの良物件を押さえておこう。マザーによってメモリメーカーとの相性が出る場合がある。出来れば複数のメーカーを揃い(必須)で手に入れたい。スロットを全部埋めない人はC-RIMMも勿論忘れずに揃える。

 筆者の意見としては「ジサカーなら一度はRIMMを使ってみるべき」だ。他のメモリとの違いに驚くよ。但しRIMMと言ってもP!!!の奴はダメ。シングルチャネルだと本来の力が出ないので。いつかはPC用メモリもシリアルにならざるを得ないだろうが、一寸早過ぎたデビューだったね。


★おまけ
 i850マザーは価格的に良くできているのが多いが、今のところ筆者が見た目で一番気に入っているのはこれかな。

http://www.thg.ru/mainboard/20010321/images/p4_siemens.jpg
 たぶん富士通シーメンス製のマザー。このように遠くから見ても、基本に忠実であろうとする努力が認められる。