ASUSのP5W DHの検索で来ている人が多いと思うのでタイトルを変更した。EPが付くだけで別物だからな…(^^;

 最初に断わっておくが「哀愁じゃないマザー」はシリーズ物じゃありません(^^; たぶん。先日のP5W DH/EPの動作チェックをしてみた。一応曲がりなりにもASUSのハイエンドマザーがベースなので興味は尽きない。


p5w_dh
 概要は説明した通り、i975X+ICH7のマザーである。EPSON仕様で、一部の機能が省略されている。大きく違うのはEPSONシール部分のストレージチップが無い。またVRMからノースにかけてのヒートパイプ付きクーラーが無い。これは地味に痛いが、OCしないなら無くても何とか大丈夫。


epson_p5w
 ハードウェアの最も大きな違いはこの辺り。恐らくストレージチップだと思うが詳細は確認していない。どうせ復活できるわけでもない。基板はOEM用専用設計なのだろうか。


stackcool2
 Kunshan Yuanmao Electronic Technology製のSTACK COOL2基板である。計測したことは無いが、感覚的には確かに冷えている気がする。基板は分厚く曲がりは無い。大型ヒートシンクにも耐えられそうな気がする。裏面は殆どが銅箔で覆われており、配線を追っての解析作業は不可能に近い。ハンダ付けのやりにくさも天下一品。ヒーターやブロワーで炙りながらハンダ付けしないと奥まで流れない。


vrm_p5w
 入力の電解コンデンサはパナのFL1000μF16Vである。8相電源でVRMの面積が大きいためか入力コンデンサは全部で5本ある。これはこの時期までのVRMとしては多い方。しかし高級機ならここにケチらずFPCAPを使って欲しかった。それと本数5本は合格だが、配置の仕方があまり宜しくない。パワーMOSFETの発熱にはバラつきが出る可能性がある。これは去年K7S5A+の記事で書いた通り。


mosfet_p5w
 スイッチは上側がAdvanced PowerのAP70T03GH、下側が同じくAP85T03GHである。単体の石としては特に高性能と言う訳ではない。8相のVRMなのでこれで充分だが。ASUSはスイッチ部品にはあまりこだわりは感じられない。恐らく生産時期によって色々なバージョンがあるのだろう。


adp3198
 コントローラはADP3198である。この会社、まだVRM関連やってたのね。最近はインターシル一強独裁なので…。


cpudc_p5w
 プロセッサDC用固体電解のランドが空いている。載せるとすればSP-CAPの100μFあたりだろうな。OCするなら復活させた方が良い。

http://www.overclockers.com/forums/showthread.php?t=495365
 あれっ?オリジナルP5W DH Deluxeにはこれは無いのかな。CPU周りの基板はだいぶ違っているような気がしてきた。何しろ裏面の写真を撮っている人が殆ど居ないに等しいので分らない。


vmem_p5w
 メモリ電源部のFPCAPが傷付いている。穴は無いのでまあいいか。KZG820μF6.3Vの方は膨張している。KZG/KZJはNCCの歴史的駄作だがコイツもダメみたいだね。デュアルチャネル・アクセスは息が入る時が無いので厳しい。膨らんだ所はポリマー固体が向いている。


wg_p5w
 全体で4本だけ何故かSEIのWGが使われている。全て470μF16Vだが、KZGにも該当のモノがあるので品切れだったのか?筆者的には全部これで行って欲しかったな。そうすれば上のコンデンサも膨らまなかっただろう。

 ポリマーアルミ電解は全てFPCAPである。容量はVRM出力が820μF2.5V、メモリ周りのが470μF6.3Vである。VRMは本数も充分で、この辺りは流石高級機と言ったところか。


ics954123
 クロックジェネレータICはメジャーな954123だった。これは地味に嬉しい。仮にBIOSメニューでOC出来なかったとしてもClockgenでOCできるからだ。絶対に上がらないイソテルマザーよりはマシ。


alc882m
 隅々のチビコンに至るまで日本メーカー製電解コンデンサである。この辺りはASUSというよりはクライアントの意向かもしれない。HDオーディオコーデックICは一般的な蟹のALC882M。


88e8053
 刻印がよく見えないが、オンボードNICはASUS定番の88E8053である。テキトーに撮ったら、安物LEDリングライトが映り込んでしまった。以下同(^^;


w39v080fa
 FWHはWinbond W39V080FAPZである。8MBか…イメージサイズは1024kバイトになる。他に予備が無いので飛ばすとマズイかも知れない。それ以前にえぷオリジナルで、ASUSバージョンに書き換えられなかったら困る。この石はUNIFLASHは未対応だが、DA34でイケるかもしれない。リテール品はソケット化してあるのが地味に羨ましい。HSDLのもソケット化してみたいな。なおBIOSメーカーはAMIである。


★動かしてみる
 i975Xは一度も使った事が無いが、CPUは何が動くのだろうか?公式サイトに依れば、

775Pentium4全部
PentiumD全部
Celeron4xx全部
CeleronD全部
CeleronE全部
Core2Duo(FSB1066まで)
…等々

 FSBさえ合えば775は全て動くようだ。いや待て、狼も動くから現用のP965より対応は上と言える。なかなか幅広いのでテスト台になりそうな予感。但しえぷちょんの裏切りによりこれらが動かない可能性も僅かにある。我々が使いそうな石は初期BIOSで対応しているようなので、よほど陰険な削除作業が行われていない限り大丈夫。がしかし、案外その陰険な作業を心配している筆者なのだ。無用な事に手間はかけない事を切に願いつつ、早速最低限のパーツを載せよう!


memslot_p5w
 …いきなり壊れた!テキトーにメモリを挿入したら、パキッと言う音と共にメモリスロットのレバー下部が圧し折れてしまった。あのー、コイツもう捨ててもいいでしょうか?(^^; ダメか。構わずCPUとメモリを載せて電源ONだ。

 …動かない。ポストコードD5で止まってしまう。ハッキリ言ってASUSのポストコードは出鱈目なので何なのか分からないが、メモリを付け外しした時に変化するのでメモリ周りだろう。てー事は例の腐り電解コンデンサのせいではないだろうか?しかしコンデンサ交換なんて面倒なのでやってられない。何とか努力と根性で動け!m9(^Д^)ビシッ

 しつこくやっているうちに3番スロットに差した時に漸くポストコードが進んだ。VGAを差すと起動しやがりました。もしかすると時間を掛けたので電解コンのエージングが進んだのかもしれない。オレの勝ちだ。DDRともなるとメモリ電源もシビヤーだな。SDRなら全てのコンデンサが膨らんでいても動かなくなる事はまず無い。無くても動く場合さえあるのだ。全くイヤな時代になってまいりました。


title_p5w
 メーカー製PC用らしくEPSONのタイトルロゴが出る。恐らくEPSONオリジナルBIOSだろうな。以前からこのメーカーのマザーはOC出来ないというのが定説だ。P5GD1-VMのジャンクなんかが特に有名だね。


biospost_p5w
 出ました!BIOSバージョンが見た事も無い奴だな。0205って…この通りだとするとかなり古い奴なんだが。ASUSリテールだと0701から始まっているのだ。書き換えられればいいんだけど。


bios_p5w
 注目のBIOSメニューだが、御覧の通りASUS特有のセッティングがサッパリと失われている。この辺りは予想通りなのでそれ程の失望感は無い。ハードウェア自体の省略も多いのでその分は簡略化されるだろう。


memtest_p5w
 いつものようにMEMTEST86+を回してみた。何か遅くね?いやこれはPC4200でシングルチャネルだからこんなもの。デュアルチャネルならCeleron430で3000MB/sを余裕で超える。


★終わり
 OS入れてテストしようと思ったけど、要修理確定してしまったので止めといた。次回このマザーが日の目を見るのはいつの日か?折れたレバーは他マザーから分捕って来るとしても、ハンダ付けはもっと暖かくなってからかな。去年のP965 Neoもそうだったね。