(旧Web版より転載)
 ここに書いてある「ハンダ付け」とは、マザーボードの電解コンデンサのハンダ付けを想定している。電子工作でも基本は変わらないが。

 コツというの「骨」の事で、骨を折らずに身に付ける事は出来ない。もし楽をして上手くなりたいと思っているならそれは間違いだm9(^^)ビシッ まあ筆者に言わせれば、そんなに上手くなくても「実用上問題ない程度」なら誰でも一日で出来るようになると思う。コツも何もありゃーしない。事実筆者も小学生の時に一日で出来るようになった。だが現実にはそうでもないらしいが何故だろう?答えはハンダ付け初心者がハンダ付けの方法を知らない事と、しなくてもいいアドバイスをする自称達人がいるからだ。

 だいたいハンダゴテという名前がいけない。素人にとってはコテという名前から左官が壁塗りに使うようなコテを連想してしまうらしい。つまり「ハンダをコテに乗せ、熱で溶かして塗りつけるもの」と考えているわけだ。ハンダ付けが上手い人なら「全然違う」と首を横に振るだろう。実際はハンダゴテは接合点に当てているだけで、ハンダはその当てている所に押し付け流し込むだけだ。ハンダは自然に接合部の隙間に流れ込むので、コテ先に乗せて塗りつけるようなアクションはただの一度も無い。これが分らないから何時まで経っても下手なのではなかろうか。

 解説によくある「部品は熱で壊れるので極力熱しないようにしましょう」というのがまたいけない。熱すると壊れるのは事実だが小型ICのハンダ付けではない。数十秒もコテ先を当てれば別だが、アルミ電解コンは超小型品を除き熱で壊れる事はまずない。このアドバイスを受けるとおっかなびっくり、大抵の人が加熱不足で失敗する。むしろ練習の時はぶち壊すくらいの気持ちで熱するのが上手くなるコツだ。特に我々が扱うマザーボードのような多層基板はその位の意識が絶対に必要だ。練習で慣れたら次からギリギリまで加減すればいい。繰り返すが超小型品以外はそう簡単に壊れない。半導体だってリフロー対応で壊れなくなっているくらいで、筆者はハンダゴテの熱で部品が壊れた経験はただの一度も無い。ついでに静電気で壊れた事も無い。熱で壊す人はどうやって壊しているんだろう?不思議だ。

 まとめて言えば、ハンダ付けの下手な人は「間違った先入観を下手なアドバイスで膨らませている」のだ。まずは正しいハンダ付け知識を身につけなければ、いくら時間をかけて練習しても上手くならない。また対象の部品についての正しい知識が必要だ。

 ちなみに上手い人、つまりハンダ付けの素質のある人は初心者の頃から既にソコソコ上手い。ウチでも未経験者をスカウトするときはその場でハンダ付けをやらせてみる。素質がある人はやり方を聞いただけでソコソコ上手く出来る。更にそこから経験を積んで「速さ」を身につければ職人の出来上がり。聞いてみると、ハンダ付けが上手い人はみんな最初から普通に出来たと言っている。これはハンダ付けに限らずスポーツでも楽器でも運転でも何でもそうだね。

 最後に一言、プロは速さだ!m9(^^)ビシッ