黄昏のビデオカードの後記に於いて「ATIの9600系の2枚を予定している」と次号予告したにもかかわらず、黄昏のビデオカードは何故かRAGE IIC PCIが登場するという裏切り。今回漸く原稿が日の目を見る。下に「先日のジャンクカード…」なんて書いてあるけど気にしないように。記事を書いた時は先日だったのだ(^^




 先日のジャンクカードを試してみる。ラデ9600系の兄弟ともいうべきカード。どんな違いが出るのかな。


ATI RADEON 9600PRO

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 ジャンク100円で手に入れたATI純正のRADEON9600PROである。HSDL常用のMS-8881(MX440)と同じ価格なのだからイヤになる。2年しか経っていないのにビデオカードのインフレは凄い。


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 パーツはソコソコ良質なモノが使われている。本当はこの時期になったら固体化して欲しいところだが、生産コストとの兼ね合いもあるので止むを得ないところか。メインはニチコンHCだ。破損した話は聞かないので充分足りているのだろう。


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 メモリは一般的なSAMSUNG K4D263238E-GC33である。300MHz(DDR600)駆動。350MHz(DDR700)なら普通に動きそう。


ATI FireGL T2

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 ジャンク50円で手に入れた物件。ゲフォ系で言うところのQuadroに当たる。外見も中身もRADEON9600PROそのもので、違いはGPU基板上の抵抗設定だけ。この時代のはまだ抵抗を付け替えるだけで相互変換できる。態々FireGLから9600に戻したりはしないけど…プロミスのATA100RAIDカードをノーマルATAに戻したHSDLならやりかねない?


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 流石に純正だけあって、アルミ電解は全て日本メーカー製である。でもGeforce3を先に見てしまうと貧乏くさく感じる。基板は2003年32週製造なので既に10歳を超えた。そろそろ寿命の心配をせねばならない齢だ。


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 メモリもRADEON9600PROと全く同じチップ。生産時期も同じ。


★動かしてみる
 FireGLと言う名前からOGLでの速度が注目される。もっともHSDL採用のOGLベンチでは簡易過ぎて能力が発揮できないかもしれない。またPentium4環境なのでAMD64環境より2割程度スコアが低下するが、絶対値では無くカード間の比較なので問題無かろう。

//HSDL37
MB:GIGABYTE GA-8IG1000 Pro-G[Rev3.1/F6]
CPU:SL6WH(200x13.0)
MEM:512MB(PC3200 Dual)
OS:Windows XP Service Pack 3

 OS以外は当時のPCっぽくしてみた(^^ CPUのノースウッドPentium4HTは最近のお気に入り。イソテルらしくβ版(α版?)っぽいけどそこがまた味わい深い。シングルタスクなのでHTは入れない方が良いかもしれないが大して違いは無いだろう。今回はピーク性能は求めていない。


gpuz_ati_x2
 クロックは9600、FireGL共に同じ。FireGLのドライバがRADEONと違っていて探すのに手間取った。デスクトップじゃなくてワークステーションの所にあるんだね。しかもインストールしたら正常に入ったのに動かない。仕方なくデバマネでもう一度インフを読ませたらようやく動きやがりました。9600と同等なのだからドライバも共通化しろよ。ドットネットとかいろいろ要求されるのもウザい。XP用と書いているならXP無印そのままで入らなければおかしい。現に他社はどこもそうなのだが、この会社だけは昔からDXを要求されたりちょっとイカレている。ドライバと言うよりインストーラとアプリがクソなんだな。品質以前に動くか動かないかで悩まねばならないのはツラい。


=GDI、D2D=
hdb_ati_x2
 HDBENCHのGDIはかなり遅い。もともとATIはGDIはそれほど速くなかったので意外ではない。それでも16ビットと32ビットで差が少なかったのが良いところ。そのため筆者は常用カードはNVIDIAではなくATIを長年使ってきた(メインはS3だけど)。GDIは何故かこの後のXシリーズで驚異的に速くなる。ATIはこの時期に引け目を感じていたのだろうか?


=D3D=
d3d_ati_x2
 AGP時代のカードなので3Dスコアは大したことは無い。設定次第ではMX460と良い勝負になってしまう。但しDX8以降が正常に表示されるのは大きい。3DM2001SEでは亀も魚も表示される。


=CrystalMark[OGL]=
cm_ati_x2
 お待ちかねのOGLだが、CMの簡易計測でも明らかに速い。HSDLのCMランキングでは9位になったが、ベスト10はPCI-EカードばかりなのでAGPとしては箆棒に速い。具体的にはワイヤーフレームが桁違いに速くなる。

>中身は言わずと知れたラデ9600PROである。これもQuadroのようにOGLがちょっと速いのだろうか?

 なんて買い物記事に書いたけど、この差はチョットどころの騒ぎじゃない。比べるのがバカバカしいくらい速い。何でここまで差を付けるのだろうか?いくらなんでもやり過ぎではなかろうか。


=OpenGL Benchmark version 1.6.2=
 2Dはテストにならないので3Dだけ。
oglbench_atix2
 同クロックの同チップであっても明確にFireGLが勝利した。


=OGL VillageMark Ver1.3=
vmogl_fireglt2
 VMは全くスコアに差が無い。使っているファンクションに影響されるのだろう。VMはひたすらデカいテクスチャを貼り付けるベンチだ。結論から言えばワイヤーフレームだけ極度に速くなるという事か。猫電PC時代にあったワイヤーフレームの3Dゲームがやりたくなってきた(^^


★消費電力
 黒一色デスクトップ静止画面とゆめりあベンチ(XGA最高)のピーク電力Wを計測した。あくまでも相対比較だが比率はこんなモノだろう。やはり食うモノを食わないと力は出ないという事か。

Fire GL T2 78W/131W
RADEON9600PRO 71W/130W
Geforce FX5700 68W/120W
MS-8881(MX440) 64W/123W

*MS-8881は「それなり」で計測。GPUのアクセラレートが少なく、フルに負荷がかかるとFX5700を超えてしまう。言うまでも無くGPUではなくCPUに電力を食われているのだ。ネットバーストに付けるのはチトかわいそう。

 何故かFireGLのアイドル消費電力が高い。測定誤差は±1Wなので明らかに大きい。理由は不明だがFireGLのドライバがRADEONよりだいぶ古い為に省電力機能が働いていないのかもしれない。ピークは一瞬の値なのでアイドルより測定誤差が大きい。測定側の表示が間に合わない場合もあるので。


★終わり
 これが発売された時は、9800/9700と差の無いスピードでありながら省電力という事でヒットした。今使ってみても画質は良いし悪くはないね。意外に消費電力が大きいが、当時は恐らく9800・9700やゲフォハイエンドとの比較で省電力と言われたのだろう。筆者基準では常用したくないレベルだが。