3D PROPHET II Ti

 寒いので全く捗らないけど前回の続き。故障の原因究明及び修理作業。たかが50円のジャンクが予想外に面倒になってまいりました。わざわざ苦労を買っただけのような気もするな(^^;


★青緑画像の原因
 白文字が青緑色という事は、三原色から赤の抜けた緑青だけ出ているという事だ。これは「モニター故障」「ケーブル断線」「コネクタ不良」「扱いの拙さ(挿し方が悪い)」でも起こるが、今回の環境ではいずれも当てはまらない。明らかにビデオカードだけが原因だ。ここまで断定できるようになるにはテスト環境に信頼性が無ければいけない。皆様はテスト環境に自信があるだろうね?「ジャンクをジャンクで動作チェック」なんてシャレにならない。

 テストによりこの症状を確認したら基板上をチェックしていく。今回問題となっているのは信号線だけで、しかも出ていない信号は赤だけなのだから簡単。RGBコネクタの1番ピンを一番外、つまりコネクタから出力チップに向かって追いかければよい。症状さえ解ればバカでも出来るのがこの修理。


l201
 コネクタ付近で早速見つかった。写真では見にくいがL201が脱落している。しかし何でこんな所が一つだけ取れているんだろう?基板裏ならいつもの事で納得なんだけど。まったくジャンク箱のカオスは不可思議な現象をもたらすものだ。

 さてこれで全ての故障の原因は判明した。これで筆者の役目は終わりと言いたいところだがもう一つ注意すべき点を。このインダクタ若しくはFBは、RGBでLCR特性を揃えないとカラーバランスが崩壊する場合がある。ベストは不要ジャンクカードから揃った奴を外して来て3つ揃いで交換する。最悪0Ω抵抗でも良いが(注1)、その場合でもRGB全部交換が基本である。なおV-H同期信号は別路線なので換えなくてもよい。


810video_out
 参考までにイソテル81xのRGB出力フィルタ部分はこうなっている。勿論数値も流用できるが今回は分らない。GBとの兼ね合いがあるのでね。

 RGB時代はこのフィルタの値で画質が変わるのでメーカーの腕の見せ所だったが、DVI時代になってからはGPU・VPUメーカーのリファレンス通りの値になっていった。なので最近は全部同じモノが付いている可能性が高い。詰まらないけど楽ではあるな。

注1:大昔に流行ったアナログ高画質改造のような形になる。但し画質は上がってもケーブルからのEMIはダダ漏れになるので注意。

★GPUクーラー
 洗った後に回してみたらファンはブザーのような音を立てている。動きも渋く、明らかに軸がブレている。この手の安物ファンはベアリング仕様ではないし、10数年経って動く方が不思議なくらいなので仕方が無い。最後のご奉公でシリコンオイルを注して簡単対応する。


fan_after
 写真では解り辛いがシリコンオイルを一滴たらした。これで軸は滑らかに回転するようになったが、軸音に関しては新品同様とはいかずまだ少々不満がある。どうも13年の歳月によりグリスが完全乾燥してしまったらしい。これを改善するにはバラしてグリスアップする必要がある。写真の軸に付いている白いプラスチックのワッシャのようなクリップを外すと羽根が軸から抜ける。だがこのクリップは経年劣化で割れやすいので今回は安全策でスルー。ちなみにクリップが一か所切れているのは仕様であって割れているわけではない。


fan_ageing
 オイルが回るまで暫く慣熟走行する。マザーボードに挿したら電気代の無駄なのでACアダプターで回す。これなら経済的だね。慣れたら回しながら注しても良い。その場合は音が変わるのが確認できる。多過ぎると漏れてくるので一滴以上注してはいけない。一滴で効かなかったらグリス切れなので、面倒でも上記のようにバラしてオーバーホールすること。その際はオイルではなく正式なシリコングリスを使用する。オイルでは熱で直ぐに蒸発してまた同じ状態になってしまう。


★フィルター部分
 ハンダゴテが動かしづらい所にある。コテ先をコネクタのプラ部分に当てて溶かしてしまう人が必ず居るだろう。失敗の中でも特にシロート臭い部類なので注意。筆者は昔から横着するのでよくやる方だ(^^


l201_after
 上で「RGB3つ揃えるべき」と基本を説明したが、寒くて面倒なのでL201だけ付けてみた。微妙にカラーバランスが崩れるかもしれないが、あとはソフトというかドライバで何とかしよう。一応部品だけはGB分も揃えて確保してあるのだが。


★電解コン
 一番簡単な部分。どんなコンデンサを付けるか?というところで90%は終了する。元から付いていたのはWX1000μF6.3Vである。このうち容量は470〜1500μ程度の間にあれば直流の容量はどうでも良い。直流の大電流ON-OFFは全く無い部分だからだ。静的な高周波変動にはESRしか効いてこない。GPU・メモリ共に3.3Vソースなので、耐圧も6.3Vを超えるものは全く必要無い。

 基本的には{53mΩ≧ESR、耐リプル≧1030mA}であればよい。「基本的には」と断わったのはこのコンデンサが破損しているからで、元のは足りていないのかもしれない。筆者目には3A程度の電源でWXが壊れるとは思えないのだが。


wg
 中古部品箱の中に御誂え向きにWG1500μF6.3Vが2つあったのでこれを使う。サイズは全く同じで26mΩ/1540mAに大幅向上する。この基板は面実装パーツが使えるので、もし最近のカードなら迷わずポリマータンタルを使う所だ。低耐圧タンタルも余っているので使いたいんだけどね。


★テストその2
 画像は修理前から普通に出ておりドライバも正常動作した。そのため交換後も詳細に動作テストする必要は感じない。これはGeforce2Tiとしてのベンチマークテストとなる。


shiro
 御覧の通り、青緑画面は白画面に変わった。気になるカラーバランスは特に問題が無いようだ。ピントなど画質の悪化も無い。このまま行っちまっても良さそうね。


=GDI=
gdi
 初めてGeforce2TiのGPU-Zをゲット。ありゃ?メモリクロックが低いぞ。GPUはほぼ規定通りなのだが。Ultra仕様で動かそうと思ったのに。VGAの高速メモリは高価なばかりでなく入手性も悪いので手抜きされる場合が多い。まさかとは思うが333のOCで400にしているのではあるまいな?大仰なヒートシンクはそのためでは…怖いので確かめるのは止めておく(^^ サブベンダはちゃんとHerculesになっているので専用設計なのだろう。


=OGL=
ogl
 この時期のゲフォはOGLは極度に遅い。MX440の方がだいぶ上だ。クロックは大差無いんだけどなあ。


=DX5〜8=
dx5678
 この辺りが本領発揮するところ。当時の筆者のマシンは速くなかったのでこんな高数値は出なかったな(^^; FRなんて発表されてから17年も経っているんだぜ〜。中学生なんてまだ生まれる前だよ。3DMark99ですら15年も経っているという…。


=DX9=
dx9
 この辺りは世代が違うのでまともに動かない。だが完走は可能だ。それよりPCが寒すぎて調子悪い。2001はぶっ飛んでしまったので止めた。03は殆どテストが行われず、やってもしょうがないのでパス。


★終わり
 まあこんなモノか。参考までにここにGTSのベンチがあるが、購入資金を上積みするほどの差ではない。当時のTiはだいぶ安くなっていたけど買い得感は無かったね。当時はみんなGF3スルーでGF4を待っていたと思う。2Tiなんて超特価品でもなければ見向きもされていなかった。


 この記事は来月回しにしようかと思っていたのだが、人気記事で意外にも上位10番以内に入っていたので慌てて仕上げた(^^; 実はこの記事は当初はこんなマジメな内容では無かったのだが、事情があってノーマル修理記事になってしまったのだった。バカ記事の方はいずれ別の形で日の目を見るかもしれない。