電圧処理(エージング)

 プロの皆さんはここでさようなら。稍古い期限切れ寸前・期限切れ未使用電解コンデンサの修復という、ジャンカー以外に何の役にも立たないおバカ記事。あまり真に受けないように願います(^^ 極端に大きさの違うモノには使えない。PCに載せる8〜12φ程度のアルミ電解がターゲットだ。


★新品の中古品?
 筆者やアマチュア電子工作家は、手に入れた時に既に古い未使用電解コンを持っているのではないだろうか。部品に詳しい人なら一目で判るだろうが、アキバのパーツ屋には明らかに期限切れや廃品種のパーツが沢山売っているのだ。またアマチュアはホンマ物の使用済み中古品も使う事がある。都合の良い定格の低ESRアルミ電解は入手しにくいから。

 これはそのまま使っても規定の性能が出ないばかりでなく、甚だしい場合は組み立て直後に動作しない場合がある。そんな悲しい目に遭わないように、何とか「イキの良さ」を手軽に判定できないだろうか?アマチュアなので専門の測定機などは使いたくない!知識もあまり無い!という威張れない悪条件付きだ(^^


★電圧処理と再起電圧
 このような腐りかけ新品電解コンは、手に入れたらすぐにカツ入れをかませる。カツ入れとは言うまでも無く電圧処理の事である。コンデンサメーカーも常温で2、3年経過したものは適宜「電圧印加処理」を行うように指示している。


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 電圧処理中。これはHSDLではおなじみの常用パーツであるルビコンZLである。定格電圧の16Vを印加している。気温・体積にも依るが、この大きさだと2時間以上が標準だ。低温の時や体積が大きいモノほど時間がかかる。充分に活性化するのが目的であり、時間は少々長くなっても特に問題は無い。極度に長くするのは単なるアホだが。電圧処理終了後は終了後に抵抗を介してリード線をショートする。高圧の電解コンでは抵抗を使わないと火花が飛ぶ。このルビコンZL470μF16Vも10φ×12.5个犯羈單小型ながら火花が飛ぶ。

 端子をショートしたら直ちにテスターで端子電圧を測ってみよう。端子リード線をショートした直後はゼロ付近になっている、と言うかなっていなければならない。そのまま端子を開放して放置しておくと、何故か時間と共にどんどん電圧が上がってくるのが判るだろう。電解コンに詳しくない人は初めて知る不思議な現象だ。

 これが再起電圧である。再起電圧はだいたい1〜3週間がピークと言われており、以後再び徐々に低下していく。電解コンの定格電圧にもよるが、高圧品の場合は無視できないくらいにまで上昇し、端子をショートさせると火花が飛ぶくらいまで上がる。なので大型コンデンサは保存に注意しないと危険だ…とここまではメーカーのマニュアルにも書いてある程度の常識なので知っておこう。再起電圧の発生とその原因は今回の目的とはあまり関係ない(^^;


★再起電圧を時計代わりに使う(^^
 でここからが本題なのだが、我々HSDLはこの再起電圧に着目してイキの良さを判定する事にした。使う直前に、ピーク電圧からどれだけ下がったかで「そのまま使えるか?」を判定するのだ。各電解コンに個性があるので一定の決まりは無いが、ピーク電圧から下がったらもう一度電圧処理にかける事にしている(注)。言うまでも無いが再度ショートさせると直ぐにゼロに戻ってしまうので、目的が無い限りリード線は短く切ってしまう。保存の時は脚がショートしないように頭を下にして貼り付けてある。またこの再起電圧は中古でも同じである。使い込んで活きが悪くなると再起電圧の上がりが悪くなったりして、寿命が近い?と推測したりする。未使用ではあまり無いが、何故か極性が反転しているモノもある。これ等は電圧にかかわらず問答無用で電圧処理にかける。

 勿論これはメーカー推奨のノウハウではない。あくまでもHSDLのノウハウなのでそのつもりで。そもそもメーカーは期限切れや外し品などの使用を許さないだろう。電気的には特に意味は無いかもしれないが、時間の問題なので意味が無くても良い。まあこの辺りはプロは立ち入らない未知の分野なので各自研究して欲しい。アマチュアだけが出来る遊びなのだ。


★終わり
 これは保存中の手法なのだが、もちろんハンダ付けが終わったらなるべく電圧をかけるようにしてエージングしてから使う。それで恐らく活きの良い新品と変わらないくらいの性能が得られるはずだ。経験を積めばどのくらい必要か自然と分ってくると思う。

 なおこれは通常電解液タイプのアルミ電解のノウハウで、経験上は固体コンは古さは気にする必要は無い。中古でも外す時に熱ダメージを与えなければ新品と変わらない。ただ固体であってもハンダ付け後のエージングは一応やった方が良い。漏れ電流は多少は増えている筈だから。


注:電圧処理し新品に準ずる性能に達してから、その後どのくらい時間が経過したか?を判定する目安である。ピークに達するまでに1〜3週間かかるから、少なくともその期間はそのまま使う事になる。

★おまけ
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 ZL470μF16Vエージング中に逆接続してしまった。流石に日本メーカー製であっても16Vの逆接続は短時間でも厳しい。写真では稍分りにくいが、すぐ気付いたのに見事に超発熱して膨らんでしまった。本来アルミ電解は3Vくらいまでなら逆接続しても膨らんだりはしない。そのため結果的に発見が遅れる場合がある。動作はするけど他人に発見されると無様(^^;