「続・古のマザー BX MASTER」外伝でもある。BIOSROM自体を交換する改造で、ここでは4MBのROMを2MBのROMとして使う。4MBのROMは2MBのROMとして使えるというのは昔はジャンカーの常識だったが、既にWeb上でもノウハウが失われつつある。いつも使う技ではないが、ジャンカーの基礎教養として憶えておくと役に立つ事があるはず。


★互換できる条件
1.Read・Write共にオペレーション電圧が同じ
 頭の数値で大体判るが、オペレーション電圧を合わせなくてはいけない。この数値が違うと多くの場合書き込み電圧が変わる。29(又は39)は5Vで49は3.3VであるがLV等例外もあるのでデータシートで確認する。3.3Vを5Vで書き込むと過電圧になり壊れたり寿命が短くなる可能性があるし(注)、5V書き込みを3.3Vで行えば書き込み不良や焼き不足にもなりかねない。ホットスワップ失敗は殆どがこれが原因と思われる(残りは挿し間違い^^)。なお古代のマザー(430とか)ではオペレーション電圧が12Vのもあるが現在はほぼ死滅しているだろう。

2.足の配列が同じ
 パラレル接続なので特殊な配列だと書き込みはおろか認識さえしない。それどころか挿すと壊れる可能性もある。尤もピン互換性は高いのだが一応確認は必要だ。1.と2.の両方の条件を満たせば2MBも4MBも同様に扱える。

注:データシートに書き込み電圧のAMR規定はないが、3.3Vの場合Vdd3.0〜3.6Vという指定である。

★実例
 PLCC32の2MB ROMを使用したMSI BX MASTERを例にとる。HSDLのBX MASTERにはWinbond W29C020CP90Bが使われていた。これを以前大量入手したAMIC A29040AL-70に置き換えてみる。

rail
 実はこれ1レールあるんだよね(^^; 現時点ではクソの役にも立たないこのA29040ALが使えると嬉しいな。5VのPLCC32で4MBのROMは使い道が少ないからね。

ROM確認
 まずはW29C020CPから。
w29c020cp_pin
 次にA29040AL。
a29040al

 W29C020CPは1番ピンがNC(無接続)だが、A29040ALは当然アドレス線が1本増えるので1番ピンはA18になっている。それ以外のピンは表現は違うが全部同じなのでピン互換性はOKだろう。BX MASTERのPLCC32ソケット1番ピンは配線されていないはずだ。オペレーション電圧はどちらも5Vなので問題無し。

▲ぅ瓠璽減遒
 2MBのデータを4MBに伸長する。バイナリエディタ等を持ち出さなくても、カレントディレクトリでDOSコマンドを発行すれば良い。同じファイルを2つ繋げるのだ。

 オリジナルBIOSを"rom1.bin"とすると、
copy /b rom1.bin+rom1.bin rom2.bin
 とすると容量が512kバイトのイメージ"rom2.bin"が出来る。ちなみに/bはテキストファイルの時は要らないが、このようなバイナリファイルの時は必要なオプションだ。

書き込んで終了
 出来上がった"rom2.bin"を専用ライターやUNIFLASH.EXE等で普通に書き込めばよい。例えどこかの段階でアドレスの前半分を使われても後ろ半分を使われても、どちらも同じデータなので問題は出ない。


★テスト
bxmaster_post
 試しにVer5.6から5.3に落としたが問題なく起動した。これで2MBフラッシュ不足は解消できる(DIPだとアダプタが要るが)。同じように1MBに2MB、512kに1MBとか応用が可能だ。

amic_post
 AMIC A29040ALで動いてる証拠写真(^^


★終わり
 HSDLのBX MASTERは各バージョン毎にROMを用意したので、BIOSバージョン切り替えテストが簡単になったv(^^ 本音は役に立たない物を役に立たせたのが嬉しいのだが。


★おまけ
 この記事冒頭にもっともらしい事が書いてあるけど、実は書きたくて書いた訳じゃないのだった。

w29c020cp_moe
 実験中にオリジナルROMを逆ざしして壊してしまったのだ(^^; とほほ。PLCC32でも逆に挿さるんだな。DIPでは2回やっているがPLCCは初めて。他人がやったのなら思いっ切りバカにしてやるところだが…。