続・古のマザー AX34Pro[1]

 前回の続き。超今更なので動かすのは止めようと思ったけど(面倒だし^^)、動かさないと解らない部分もあったのでやっぱり動かしてみた。Apollo133Aのs370マザーにXPを入れるのは初めてかもしれない。いやApollo133Aのs370マザー自体が動かした記憶が全く無い。このマザーの現役当時はVIAはもうKT133に行ったからな。


★パワーMOSFET付け間違い(^^;
 バグや回路間違い・製造ミス探しはHSDLブログの売り物と言うか見どころだから、まずはこれから片づける。

fdb7030_6030
 HSDLでは上がFDB7030、下がFDB6030という構成を「実装間違い」と延々書き続けているが、これが間違いではない条件がある。ちょっと詳しいデータシート・オタクにからまれる前にそれらを片付けておく。

 唯一間違いではない条件、それは出力電圧が入力電圧の1/2を超える場合だ。P6系だとコア電圧2.8Vのクラマスが条件に当てはまる(ペンプロ+ライザーは無視^^)。つまりVRM8.1の条件である。
例1:クラマス(2.8V)の場合。

MOSFETの最大負荷時に許される損失=4%以下
VRMの効率=85%
入力電圧=5.0V
出力電圧=2.8V
最大電流=11.2A

とすると、MOSFETの損失Pmaxは
2.8×(11.2/0.85)×0.04=1.07W

例の計算式に当てはめると、
Q1(上側)RDS_ON=(5×1.07)/(2.8×(11.2^2))=15mΩ
Q2(下側)RDS_ON=(5×1.07)/((5−2.8)×(11.2^2))=19mΩ

 なるほど、確かにQ1の方がQ2より小さくなければならないようだ。大差は無いがベスト配置はそうなる。
例2:カトマイ、メンドシノ(2.0V)の場合。

損失・効率は当然同じとする。
入力電圧=5.0V
出力電圧=2.0V
最大電流=14.5A

とすると、MOSFETの損失Pmaxは
2.0×(14.5/0.85)×0.04=1.36W

Q1(上側)RDS_ON=(5×1.36)/(2.0×(14.5^2))=16mΩ
Q2(下側)RDS_ON=(5×1.36)/((5−2.0)×(14.5^2))=11mΩ

 立場はアッサリと逆転した。色々面倒な計算をしたが、「出力電圧が入力電圧の1/2を下回った場合は下側が低RDS_ON、上回った場合は上が低RDS_ON」でなければならないという事。丁度1/2の時、つまり入力5Vの時に出力2.5Vで上下共RDS_ONが同値となる(世間に同値のマザーは多いがベストではないのだ)。

 …がしかーし、このマザーを設計した時にクラマスを考慮したわけではないだろう。第一どうやってSlot1のクラマスを370に載せるんじゃい!という事でやっぱり明らかな付け間違いだからねm9(^^ これ以降VRM8.5製品(ここで気づいたのか直る^^)まで頑なにこれを変更する事は無かった。

 Socket370なら1.75V計算だろう普通。電流は17Aね。VRM効率85%とすると、Q1=14mΩ、Q2=7mΩとなる。賢者はもうお気づきのように、これは件のFDB6030L、FDB7030Lの定格スペックに極めて近い。偶然だけど、それに近い用途を考えて設計してあるのだろう(空気読め)。

 以上、HSDL論破ールームのお時間でした〜(^^ パチパチパチ。


★簡易VRMシミュレーション
simout_ax34_normal
 出力のテキトーシミュレート。入力はサージのピークでも5Vに達しない。出力は静的リプルが25mV以内、動的リプルはI=7Aにて80mV以内となっており余裕で合格。いつものようにこのシミュレーションの動的リプルはP!!!ではまずあり得ない負荷変動が想定されており、実際は電解コンを1、2本抜いても動作するはず。筆者が生産の人なら恐らくケチって1本は抜く(^^


simin_ax34_normal
 こちらは入力部分。出力と比べると余裕が少ないが問題になるほどではない。現時点で経年劣化があったとしても正常動作するだろう。河童600MHz程度の低クロックなら半永久的に交換する必要はないだろう。ジャンク品の場合はパワーMOSFETが著しく高熱になっていなければ大丈夫。これは入力コンの能力または寿命判定方法として汎用できる。基板が変色するような時は恐らく足りていないので要交換。


★動かす
 Socket370だとCPUは何を使うか?何でも良いけど手近にあったPentium!!!933(SL4C9)を使うか。コイツもSL4CB(866)と同じく一杯あるのだ(^^

//G034
MB:AX34ProII[Rev77_77]
CPU:SL4C9(2000年33週製造)
MEM:256MB(PC133×2)
VGA:LR2982[FX5700+DDR128MB]
SOUND:AD1885-AC97(内蔵)
IDE1:WD200EB
IDE3:HSDL_DATA1
PCI4:NEC G7DCV[i82559]
PS:MIRAGE DR-B350ATX
OS:WindowsXP SP3

 ビデオカードは久々にFX5700が出てきたので付けてみた。シェーダ2.0なのでDX9としてはハンチクな代物だが速度自体はラデ9600と違いは無い。IBM様のFabで製造されている由緒正しい?GPUである(^^ それ以外はHSDLのいつもの面々だ。太古のHDDもこの場合は時代にピッタリで違和感が無い。

 電源を入れたらBIOS設定。ブートシーケンス設定には何とUSB関連がまるで無い。AOpenはP6であってもこの時期にはもうUSBブートできた筈だがBIOSが古いのか?Verを見たら何とR1.02という古いのから2番目のバージョンだった。アーカイブの中に更新メモが入っていないので何を更新したのかは分らないが、全部で14バージョンは異常に多過ぎるのではないだろうか。バグが取れなかったのか機能が上がったのか。ここはバグ取りが完璧になったと考えておこう(^^ 尤もこれは青ペンのバージョンアップと言うよりAWARDのコア自体がバージョンアップしたのかもしれない。このマザーはダイハードBIOSというデュアルBIOS仕様なので気楽に書き換えよう。


cpucode_r102
 これがノーマルR1.02の"CPUCODE.BIN"である。河童の686(C)まで対応している。


p342115
 書き換えたのは最終の一歩手前のR1.15である。何故一歩手前で止めたのか?以前AOpenマザーで最終だけ何故かUSBブートできなかった事があったから。しかしこれでもUSBブート項目は無い。考えすぎか(^^; それなら、と最終版のR1.16aに書き換えたがそれでもUSBのUの字も出てこなかった。FDDを使えという事だろうか。USB対応はこの時代としては遅れている気がするのだが。


cpucode_r116a
 1.16aの"CPUCODE.BIN"は不要なコードが整理されてスッキリした。Apollo133Tとの汎用なのか鱈コードも入っている。ゲタ履かせて鱈を載せた場合には都合が良いかもしれない。

 デフォルト設定でMEMTEST86+を回してみる。ゲゲッ!何だこりゃ遅せー。デフォルトBIOS設定はかなり緩そう。バンクインターリーヴ等も切れているのではなかろうか。これはメモリの相性等も考えねばならない以上仕方が無い。設定は全部自分でやるのがジサカーだ。だがBIOSメニューで最速設定しても上がらない。205MB/sって面倒死脳にも劣るぞ。


device_ax34
 XPを入れてみた。インストールで特に問題になる要素は無い。この時期はもう2k対応していたのでXPでも同じように安定しているのだ。ACPIも万全でS3・S4も完全動作する。ドライバはビデオカードも含めてデフォで全て入る。この辺りは検証済みソフトウェアの強みだね。但しビデオカードのドライバだけFW56.72に入れ換えた。


hwinfo2
 メーカー名もマザーボード名も入っていないのが悲しい。御三家の製品とかだとしっかり名前もメーカー名も入っているんだけどな。こういう所が蔑にされているとなんか悲しい。メーカーの誇りは無いんかい。


bankinterleave
 おいおい、バンクインターリーヴは切れてないぞ(^^; じゃあなんでこんなに遅いんだ?電源に負担を掛けるために付けた64MbitのPC100のメモリが怪しいな。PC133に換えてみるか。元々「PC133で440BXと同等」と言われたアポロである。


bench_sl4c9_ax34

 久々のP6だが流石におせーな。特にπ焼の遅さはメモリの遅さから来ているのだろうが遅すぎだ。SL46T@100より遅いのではなかろうか。尤も筆者は今これを使え!と言われてもそれほどの困難は感じない。ゲームをやるわけでもないしHD動画を見るわけでもない。これしか無ければ我慢できる程度の遅さだ。実用だとメモリはもっと載せないと拙いけど。限度一杯の1.5〜2GBも載っていれば充分じゃないか。


★終わり
 青ペンらしく全体的にソツなくまとめられているが、BIOSはバグ取り以外に機能アップは無い。その為2TBオーバーはおろか48ビットLBAにすら対応していない。メモリはそれなりに積めるけど、ストレージデバイス面で現代的とは言えない。そこら辺の問題を解消できればまだ使えるかも。HSDLは巨大ストレージが無いので検証できなくて残念。