悪い意味で有名なエロデータのGF-FX5200搭載PCIカード。コイツの酷さは検索すれば直ぐに判る。使えば確実に壊れるという、地雷じゃなくてミエミエの時限爆弾だ(^^ 長年探していたが遂に50円ジャンクで発見した。


★一寸見る
ga5200x_pci
 基板は特徴的なロゴを持つLIN HORN TECHNOLOGY製で、2004年31週製造なのでカード自体もその後間もなく製造(アセンブリ)されたのだろう(Wistron製?)。なおGPUは同年24週、寒チョンK4D551638F-TC50は同年25週製造である。例のXFXほどじゃないが基板が波打っていてあまり品質が良くない。回路的にはAGP版のP162にシフトレジスタの塊(笑)を載せただけ。一応ヌビリファレンス(P165)も存在するので正式対応なのだろう。

gram
 メモリ実装パターンは8個だが256MbitGDDR-SDRAMを4個実装しているので64bit接続となっている。PNYの製品を見ると全部実装すれば256MBになるっぽい。その場合128bit接続になるので多少は性能が上がるが、この場合PCI接続なので性能向上は殆ど無かろう。AGPならば載せる価値はあるが。

 解像度はアナログではQXGAだがデジタルではUXGAまでと小さくなる。ワイドはアナログの時はWUXGAだが、デジタルは1440×900とハンパなところで止まっている。HSDLは大画面もワイドも使わないので問題は無いが。BIOSROMは25LV512である。VGA-BIOSが32kBを超えるので昔のマザーでは動かない可能性がある。

 電解コンはFZという謎メーカーのLZという品種である。中華コンのデータベースとも言えるコンデンサメーカー一覧サイトでもメーカーもロゴも発見できなかった。勿論メーカーが判らないので性能は不明だが、色と死に方から見てEVERCON系じゃないかと推測している。現実は隣のASIACONと同一の製造メーカーだろう。ズバリ色も同じだし…。


★先ず洗う
 先ず前作業として洗って干した。知らない人が見たら吉外にしか見えないがHSDLではごく普通の作業である…つか何であんたらの使ったカードってこんなにクサイの?どういう生活してるんだよ。早死にするぞ。

gpu_cooler
 このカードはクーラーのファンが腐って回らないのは平常運転。代品も無いのでバラして洗ってグリスアップする。組み立て取り付け回してみたら新品と変わらない回転数を取り戻した。音も今のところ軸音はしないし問題なさそうだ。


★直す
 さて修理だが、実際このカードでは電解コンを変えるくらいしかする事が無い。電池交換とさほど変わらないがハンダ付けが伴うのが面倒くさい。取りあえず謎のFZを抜く。中身はエバーコンと思われるので、カタログ性能はWGより少々落ちるくらいかな。さて交換品種だが、50円の廉価カードなので固体電解なんて絶対に使わない。それではただのアホになってしまう。なので動作テストで使ったREはご退場願う。

 C45とC55はNVVDD(NV34のVcore)出力コン、C47とC60はNVVDD(NV34のVcore)入力コン、C131とC154はFBVDDQ(メモリ関連)だ。重要なのはこの6本だけど、たった7本だから当然全取っかえだよな?ちなみにリファレンス回路ではC45、C55は470μFでESR≦25mΩのモノが指定されている。C58は大体同じ大きさ(性能じゃなくて形状の事)なら何でもよい。

l15
 予算が余ったので?省略されていたL15(VRM入力インダクタ)を復活させた。付けても特にメリットは無いが理論上は電力損失が減る(^^ HSDLは外見のために付けた。リファレンス回路では1μHか、"For Cost Down"(笑)として0Ω×2が指定されている。このカードの回路は両者の中間で折衷回路と言えるか。

r195_202
 言うまでも無いが、上のL15を実装したら裏のR195、196、199、202を除去する必要がある。これはRとなっているが実際はFBだ。見れば判るだろうけど。


★使用部品
 手持ちからギリギリまで性能が低くなるように選んだのでこうなった。ALLKZHも可能だったがZLの方がチビデブなのでこれを採用。リファレンス設計から見れば性能が足りていないように見えるが、実際動作させるとこのメンツで足りている。ま、少々足りてなくてもこれで行っちゃう訳だが。

C45:FZ LZ1500μF6.3V⇒KZH680μF25V
C55:FZ LZ1500μF6.3V⇒KZH680μF25V
C47:ASIACON LZ470μF16V⇒ZL470μF16V
C60:ASIACON LZ470μF16V⇒ZL470μF16V
C58:ASIACON LE330μF16V⇒YXG220μF25V
C131:FZ LZ1500μF6.3V⇒ZL470μF16V
C154:FZ LZ1500μF6.3V⇒ZL470μF16V
L15:Empty⇒2.2μH
R195:FB⇒Empty
R196:FB⇒Empty
R199:FB⇒Empty
R202:FB⇒Empty

Nippon Chemicon KZH680μF25V[32mΩ/1650mA]
Rubycon YXG220μF25V[130mΩ/640mA]
Rubycon ZL470μF16V[53mΩ/1030mA]
SMDインダクタ2.2μH
合計37円(税込・銭単位切り上げ/副資材・電気代・人件費別^^)


★完成
ga5200pci_after
 完成しました。紫色でOS-CONっぽく見せていた?オリジナルと比べるとカラーは地味になったかな。まあ中身は伴っているので良いだろう。

hwinfo_ga5200pci
 動作チェックの時BIOSPOST確認してるけど動いた。これから貴重なDX9対応のPCIカードとして活躍するであろう。FXシリーズはWindowsVista〜10TPでもAero動作するし、敢えてコイツを現役のカードと呼ばせてもらう。実用するならもっと良い部品を付けても良かったかな?と思わないでもない。