哀愁のマザー P4B533(前)

 今回は実際に動作させてみる。


★動かす
 このマザーはUSB2.0対応マザーなのにUSBメモリブートに対応していない。お陰でFDDの出番となってしまった。同時期のMSI 845E MAX2は対応していた(注1)。ASUSはこの辺りが他社よりかなり遅れている。


cooler1
 クーラーはリテール品だが、ジャンカーの方々ならばご存知の通り一口にリテールクーラーと言っても分類に困るくらい何種類もある。パッと見た目、表からは似たようなものだが…。


cooler2
 裏はこんな感じ。アルミだけで出来たセレ論用の廉価版から、銅が埋め込まれているペン4用高級タイプもある。銅だけでなくこの3つはファンも全部違っている。それどころかヒートシンク自体の材質も異なる。総合的な出来の良さで言うと藤倉>山洋>ニデックとなる。今回はHSDLらしく一番安っぽいニデック(多分北セレ用)を使う。

注1:845E MAX2の動作チェック記事では「USBブートに対応していない」と書いたが、後にBIOSを最終に上げたら対応した。少なくとも最終5.7とその前の5.5では完全に対応している(入手時は初期の5.1だった)。

memtest_sl6k8
 まずはMEMTESTを回してみる。メモリはHSDLの中でも最下級に位置する512MBモジュールであるA-DATAのPC3200-512MB×2で、CPUはHSDLで最低のSL6K8(100×16.0)である。メモリはマニュアルに書いてあるようにチップセット側から順には挿さず、1番目と3番目に挿している。実際これが一番調子が良くなった。それにしても、この時期のマザーは大容量を積むと周回が長いので疲れるな(^^;

 P4B533の最終BIOSが対応しているCPUIDは以下の通り。

0xF0A:藁C
0xF12:藁D
0xF13:藁E(藁セレ等)
0xF21:Xeon
0xF23:北A
0xF24:北B
0xF27:北C(北セレ等)
0xF29:北D(P4-HT)

 マイクロコードはHT付きにも対応しているが、チップセットが845EなのでHT自体には対応してないハズだ。しかし実際にSL6WH(HT対応)を載せてみるとBIOSにはHTのON・OFFメニューが現れた。という事はこのマザーに関して言えばHTに対応しているのだろうか?残念ながらSL6WHはFSB800のCPUなのでクロックが一杯にならない。HTはいずれどこかで試したい。

//HSDL27
MB:P4B533[Rev1.03/1015]
CPU:Celeron1.6A SL6K8(100x16.0)
MEM:DDR512MB(PC3200)×2
IDE1:MPC3032AT
IDE3:FB lct20
PCI4:3C905CX-TX-M
OS:WindowsXP SP3

irq_p5b533
device_p4b533
 相変わらずHDDが壊滅的にショボイ(DMA33^^)が、HSDLではいつもの事だから気にするな。CPUは2002年35週フィリピン製造。

 ソケ478のCPUは本当にタフで、今までジャンクで不動を引いた事は一度も無い。加えて使用中に壊れた事もまだ一度も無い。HSDLで唯一登録抹消した石は、HSDLでカラ割に失敗して壊したものである。元々絶対数の少ないマイナーソケットを除けば生存確率が一番高い。考えてみればネットバースト以降のイソテル石は本当に壊れない。恐らく各種プロテクション技術が発達したからだと思う。CPUジャンク箱に入っている石の半分以上はAthlon・Duronと言ったソケA以前のアム石である。動作マージンの大小とESD対策の差と言えるかな。


★ベンチマーク
 いつものようにHSDLの制式ベンチマークを食わせる(但し3Dベンチは省略)。

=FSB400=
bench_sl6k8
 午後ベンチは定格で30.02倍だったが、同じSL6K8をGA-8IG1000 Pro-Gに載せると34.16倍まで向上する。これが845Eと865Gのチップセットの差なのだろう。π焼は振り向けばP!!!という感じだが、これはL2がP!!!の半分(128k)しかないし、消費電力も同程度なので致し方ない。まあ何とか実用範囲内には入っているよ。

cine_sl6k8
 怖いもの見たさにCINEBENCH(R11.5)も動かしてみた。同格のAthlonXPに確実に勝てる唯一のベンチマークソフトである。なぜ確実に勝てるかと言うとAthlonXPはSSE2に対応していないので動かないからだ(^^ 身も蓋も無いけど結構重要だ。動かなければ速さもへったくれも無いからな。結果は御覧の通りで、HSDLのCPUの中では現時点で最低のスコアである。


=FSB533=
bench_sl6k8@133
 全てのスコアが上がっている。実用ならこれで良いだろうな。あれ?何故かCPU-ZでVcoreが表示されていないぞ。何かバグっているのだろうか。


=FSB667=
 このFSB667はイソテルの規定には無いのだが、キリが良いので試しにやってみた。実はこれの上のFSB800が動作しないので代わりの意味もある。MEMTEST86+を回したらFSB533の時より落ちている。これはエラーが出ているのではなく、メモリクロックを自動的に下げているからだ。なおこのクロックではコア電圧は1.400⇒1.600Vに昇圧している。

bench_sl6k8@166
 FSB533と比べると殆んどのスコアは上がっているのだが、やはりメモリは遅くなっている。HDB上でもハッキリと判るくらい落ちている。その証拠にπ焼はFSB533よりも落ちた。

cine_sl6k8@166
 CINEBENCHもやってみた。このベンチはメモリよりもクロック・CPUコア数が非常に効いてくる。結果を見ると地のメモリが遅くなってもクロックが上がった分だけ大幅に速くなっており、格上のPentium4とでも対等に戦える。

 ただやはりπ焼が遅くなったのはメモリアクセスの遅さを表しているわけで、大メモリを使うプログラムには少なからず影響を与えるはず。総合的に見ればFSB533で使うのが良いようだ。勿論良いメモリを使って設定を自分で行なえば、このクロックであってもさらにメモリ速度を上げる事はできる。ただ昇圧するのは色々な意味で抵抗がある。


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Bay/8103/pai_t.html
 P4B533を使用したπ焼の記録を探してみたが、流石に10年以上経った今はもうインターネット上にも殆ど残っていない。呆気ないものだな。ネットワークの情報の寿命なんてこんなものだ。これに拠れば1分くらいで回せるらしい。HSDLではSL6K8@175[01:05.172]、SL6DV@166[00:57.047]がP4B533での記録だった。


★終わり
 元記事は98SEでのテストだったが、後に最も適当と思われるXPに変更した。ほぼ完成されたこの時期のソフトウェア環境で久々に845Eの遅さを堪能できた。

2015年7月追記:この記事は改造を含め常連読者の人が書いてくれる予定だったのだが、結局挫折したらしいのでHSDLが構成を頂き、面倒な改造等は省略して完成させた。打ち切り感というか物足りなさが残るのはそのせいだ。シリーズ唯一の一般投稿原稿だったので残念だが懲りずにまたよろしく(^_^)/