このA6600 TD(Geforce6600)は「食べ放題(笑)[15/06/27]」の時に入手したが、「動作チェック[15/07/23]」で動作チェックしたら内1枚の画面にゴミが出ていたため廃用となった。もしかすると再リフローで炙れば治るかもしれないが、既に1枚完全動作しているのでこれは解剖する。


a6600td_f
 表面。ファンの吹き出し口のホコリは少ないので正しく使われていたか、若しくは使われた期間が非常に短いのかもしれない。つまり不具合が出て戻ってきたカードの可能性もある。


a6600td_r
 裏面。やはりホコリは皆無ではないが殆ど無い。ファンの音も静かだったし、あまり使われていないのは間違いない。

 WinfastはLeadtekのブランドで、正式にはLR2A28(Rev.A1)と言うのだろう。基板は2005年13週の製造なのでアセンブリはそれ以降。メモリがHynixの2005年14週なのでほぼ間違いなくその辺りだ。ちなみにA6600GT TDHはLR2A21だが、消費電力が倍近いGTとは電源部の回路が全く違う。AGP版は外部電源だが、これはソースが12Vだから。消費電力自体は無印は28WなのでAGP給電で余裕で足りる。


cooler
 GPUクーラーは一般用のやっすいグリスが使われていた(^^; HSIは固体のサーマルコンパウンド。


gpu_gf6600
 2004年41週製造のGF6600無印(A2ステップ)である。このパッケージはGTも無印もLEもない。違いはシールを貼り換えただけだ。恐らくNV43は全て同じで、違いがあるとしたら作り分けではなく選別だろう。と以前は思っていたが、この写真を見たら違うような気がしてきた。実はNV43は選別すらせず全部同じで、無印やLEはDCコンが無いだけではないだろうか?GTはDCコンが全部貼ってあったんだよね。という事は無印でもMLCCを貼りまくればGTに昇格する可能性はある。尤も電源部がかなり違うので全く同等になるとも思えないが、無印6600をもう1、2枚手に入れたら実験してみたい。


mem_ware
 ここで何と不具合を発見してしまった。50円シールを剥がす時によく見たら、メモリのピンのパッケージが割れていたのだ。更によく見たら貼り合わせ面に沿ってヒビが入っている。この33ピン自体はVDDなのであまり関係ないが、ヒビが入って周辺のピンにも影響が出ているのかもしれない。

 これも前回のV9999と同じくメモリ割れだったか。このように同じ不具合は何故か同時に複数見つかる事が多い。当初予想したような再リフローではなくメモリ交換で直る予感…捨てられないじゃん。でも現在128Mbitの3.6nsメモリが無いので多分やらないと思う。どちらかと言えばこれがメモリ取りになりそうな予感。6600は多すぎるんだな。


apl1581
 見た目GTとの一番大きな違いはこのVDD/VDDQ。GTはスイッチング電源だが、この無印は最大5AのLDOで済ませている。275MHz(DDR550MHz)だとこれで良いのかな。尤もOCする際にはここがネックになる可能性も無い事はない。メモリの規格では2.5Vだと275MHzが限界で、300MHz以上はVDD/VDDQに2.8V掛けなくてはいけない。OC時には昇圧は必至だ。この電圧はAPL1581の2番ピンに繋がるR84とR85で決定される。


capacitor
 電解コンのメーカーはバラバラ。左上がVDDC入力コンのPS、右上がメモリ電源のHM、左下がAGP3.3DCのAX、右下がVDDC出力のSAMXON[CG]だ。最後のCGはSAMXONのカタログには載っていない。恐らくHM〜HCあたりと同等だろう。他にOSTのRLGが2本ある。


★ベンチマーク
gpuz
 64bitのインチキGF6600(既に死亡)は使った事があるが、まともな128bitは初めてなので動く方でベンチマークを取ってみた。プラットホームはK8T Neo+SMS3000BQX2LFである。

a6600td_bench
 右の数値はドライバの「おまかせOC」によるもの。一部数値が落ちているのが気になるが…。


★終わり
 当初の目論見(解体部品取り)とは違って予想外の展開(修理可能)になった。解体作業中に原因を発見してしまうというのはよくある事だ。解体がストップしてしまうのでちょっと困る部分もある。工事現場で遺跡が発見されたみたいな感じか。HMが2本とPSが2本しかない粗末なカードなので部品取りとしてもあまりおいしくないし、かと言って修理をするのも面倒だし扱いに困る…。