前回突如爆発?した電源を開けてみる。


★開けてみる
 この電源にはよくある封印は無いようだ。その代り銘板シールがそのまま封印と兼用になっているため開けたらもう元には戻らない。この電源は既にメーカー保証は切れているので関係ないが。基板製造は2008年26週なのでこの電源自体のアセンブルもその直後という事になる。製造後8年だが内4年は放置されていたので4年以内に壊れた事になる。見た目では1年くらいしか使われていないようだが。


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 開けてみるとインダクタ・半導体・抵抗など何所も燃えた形跡はない。どうも「プシュー」音の原因は電解コンデンサが抜ける音だったようだ。それならあのイヤな臭いも当然の事と理解できる。主な電解コンの銘柄はTEAPO SCだがそんなに早く壊れるものなのか?放置期間が4年と長く、ESRが限度以上に増大していたのかもしれない。損壊若しくは変形している電解コンは次の通りだった。

TEAPO SC 1500μF10V(8φ×20)[51mΩ/1070mA]×2
TEAPO SC 1000μF10V(8φ×15)[85mΩ/670mA]
TEAPO SC 2200μF10V(10φ×25)[39mΩ/1450mA]
TEAPO SC 2200μF16V(10φ×30)[32mΩ/1780mA]
*1000μF10Vの8φ×15个鷲現猊覆任呂覆

 意外にも抜けたのは大部分が耐圧10V品で、最も負荷が掛かりそうな16V品は一つしか抜けていない。5Vや3.3Vには電流は殆ど流れていないはずなのだが…。電圧はバラバラで傾向が無い事からSCの時期的なロット不良の可能性もある。


★電解コン交換
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 原因は不明だが、破損した電解コンを交換してもう一度動かしてみたい。一度壊れた電源はもう一線で活躍する事は無いだろうが、もう一度動かしてみないと故障原因が確定しないので。

TEAPO SC 1500μF10V→SEI ME-WG1800μF6.3×2
TEAPO SC 1000μF10V→NCC KZG1000μF6.3V
TEAPO SC 2200μF10V→Rubycon MBZ2200μF6.3V
TEAPO SC 2200μF16V→nichicon PW2200μF16V

 この中では2200μF16Vが困る。超低インピーダンス水系を除いては16Vの2200μFは通常12.5φクラスなのだ。仕方が無いので10φの所に12.5φのPWを無理やり取り付けた。細い1500μF10VはWG1800μF6.3Vに変更。MBZ2200μF6.3Vもそうだが、元と比べESRが低いけれども中古だから良いだろうという甘い読み。あとはジャンクパーツからテキトーに選んで付けておいた。全て使い古しの中古品なので部品代はゼロである。WGはともかくKZGやMBZなんて恐らく3〜4度目の復活だろうな…(^^;


★作業
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 まず前作業としてAC入力電圧切り替えスイッチを廃止する。国外で使うわけではないので全く不要のものだ。このスイッチがあると邪魔で、配線を切らずに基板が引き出しにくいのでメンテナンス上邪魔だ。PFC付だがパッシブ方式(ただのLPF)なのでこんなモノが存在するのだ。ちなみにPFC(LPF)はただのお荷物なので廃止した方が効率は向上するが、現時点では特に効率は求めていないのでそのままにしておく。配線が長いのでこれを付けたままでも基板が引き出せそうなので目をつぶった次第(^^


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 ショートしてスイッチを廃止した結果、基板が楽に引き出せるようになった。今後電解コンを始めとする部品を交換する事は無いだろうとは思うが、折角開けたのだから一応の対策を行なっておく。また爆発もあるかもしれないし。


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 片面基板のハンダはハンダ吸い取り器でスパスパ吸い取れる。通常は電解コンに触れなくともハンダ吸い取り器だけで電解コンが落ちてくるほど。だがコイツは以下の理由でダメだった。指で引っ張ってもなかなか電解コンが抜けないのね。


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 抜いたSCを観察する。何とスナップイン加工されていますwww(外す時に曲がったんじゃないよ)。それにしてもSCで加工されていた製品を初めて見た。中華とは言え台湾最大の電解コンメーカーなのでこの程度はやるか。この加工の為落ちてこなくて面倒だったわけだ。製造には必須でもリワークには迷惑な加工と言える(^^


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 実装完了。10φに12.5φを押し込むのが唯一にして最大の汗をかく部分。リード線を差し込む穴と極性が全く見えないので苦労する(基板の極性がバラバラ)。片面基板なのでハンダ付けは児戯に等しいレベルである。正しい知識があれば小学生でも楽に作業できる。


★テスト
 さてDR-B350ATXの12V最大14Aから22Aにパワーアップした成果が出るだろうか?まずは8Aのダミーロードを繋いでエージングを兼ねて暫く放置してみる。これは問題なく起動して電圧も安定している。


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 一抹の不安があったのでGA-6OXTに繋いでIT8712Fのセンサーで電圧を読んでみた。5Vが出鱈目なのが気になる(^^; 後にP16で測ったら12Vが12.04V、5Vが5.07V、3.3Vが3.34Vだった。これなら何とか実用できるかもしれない。次回は本番だ。


★終わり
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 戦い終わってゴミ少々。コイツはペリフェラルコネクタが1本(5コネクタ)しかないのでHSDLには使いにくいな。SATA1本(5コネクタ)を残してペリフェラルコネクタに入れ替えたい。しかしこのコネクタはワイヤー節約なのだろうが酷い。一杯に付けるとまるでデイジーチェーン(一寸違うけど)のように延々機器が繋がる事になる(^^; ATX規格では1本に沢山コネクタを付けるのは反則っぽいし、相互間の影響もあって品質もよろしくないと思う。現代の電源は昔のPCにはそのままでは使い物にならない。