長年の経験でマザーボードによってFDDとの相性が出る場合がある。例えばMITSUMIは動くがTEACは動かないとかその逆とか。動かないだけでなく調子が悪い場合もあり、特にマイナーメーカーのドライブはテストが甘いのか怪しい。ステップレートを速めている?FreeDOS等もFDDの不調の影響を受けやすい。HSDLでも以前VMTCE(FreeDOSベース)が立ちあがらなくて困った事がある。それが根本的なドライブの劣化・故障でなければある程度解消する方法はある。この方法はヘッド摩耗や位置ずれ等の経年劣化から来る不調は解消できない。あくまでも電気的な相性(のようなもの)を解消するだけだ。


 FDDコネクタとFDCを繋いでいるラインの内、次の信号線に注目する。全てマザーボードにとっては受取り信号である。

[08]INDEX(インデックスホールの検出信号)
[26]TRACK 00(トラック0の検出信号)
[28]WRITE PROTECT(FDがライトプロテクトされているか)
[30]READ DATA(読み込んだデータそのもの)
[34]DISK CHANGE(FDが交換されたかどうか)

 FDDのI/Fを見るとこの信号線が抵抗を介して5Vに吊られている(注1)。この抵抗値は440辺りから見てきたがリファレンスは全て1kΩだった。経験上はドライブのメーカーや機種によってはこれを上下した方が明らかに快調になる場合がある。しかもドライブの個体差?によって最適値は全部違っているようだった。つまりここをアナタの使っているドライブに合わせればいいのだ(注2)。抵抗値は470〜2kΩの間で良いだろう。互換製品はあまり見ていないがintelと同じく1kが多いようだ。問題としてはこのRがネットワーク抵抗でまとめられている場合が多く、しかも実装されている場所がよろしくないのでそれなりの技術が必要となる。バラバラなら信号ごとに最適化とか暇人向けな妄想もできるが…イヤ特に意味はないか(^^;


rn15
 GA-6OXT(FDCはIT8712F)の例。FDDコネクタ横のRN15が件のネットワーク抵抗。26〜34ピンに繋がるプルアップ抵抗である。これは交換は難易度が高い。ハンダゴテでは慣れた人でも苦戦しそうだし、ホットエアーを使うとしてもコネクタが溶けそうでいかん。


r83
 同じくGA-6OXT。5本なので1本はRNから外れたところにポツンとある。これは8ピン(INDEX信号)の抵抗だ。これは簡単に換えられる。上のRN15もだが470Ωは小さい。1kΩが標準らしいのだが。


 本当はケーブルやコネクタも見直さなくてはいけないのだろう。高品質のケーブルは信号をあまり劣化させない。気分も左右するオーディオ製品よりハッキリ結果が出るだけにテキトーに誤魔化すことはできない。

注1:Winbond系等のSuperI/Oチップは内部プルアップされている為かRが存在しない製品も少なくない。と言うか478〜775以降ではその方が多いのかも?そうなるとマザー側では汚くなるのでドライブ側で対応する手もある(構想だけ^^)。

注2:実際はドライブだけでなくケーブルも含めた最適値となる。あまり厳しく追い込むと汎用性を無くす可能性が高い。ひょっとすると電源電圧(動作電圧)のバラつきも影響するかも…キリが無いな。

 このような問題が起こる原因はドライブやマザーボード上の信号電圧がかなりテキトーだという事だ。規格が緩い事も勿論あるが、製作上の問題もありそれほど厳密にはできまい。相手が規格の下限で当方が上限だったら何かの拍子に信号が外れても不思議はない。

 FDDインターフェイスの問題としてこの記事を書いたが、実は全てのPC/ATインターフェイスにこの手法は有効だったりする。応用については現時点でHSDLの需要が無いので書かないが、相性(のようなもの)に悩んでいる人が居たら各自研究してみると良い。