数年前からやろうとしていたが、イマイチ思い切りが足りなくて出来なかったバカな遊びを試す。部品とCPUの限界を探るべく、超ウルトラ粗末なVRMを作ってみよう。言うまでも無く非常に危険な遊びなのでターゲットはP6マザーである。


★今回の犠牲者
 あの人気記事(釣り記事とも言う?)「セミ・バッテリーレス改造」に引き続きFICSAHARA3810である。もう何か「頼むから早く死んでくれ」「死に場所は俺が決めてやる」と言われているようなマザーだが、2016年現在、HSDLに死んでも良いP6マザーはこれしかない。死んだ奴なら他にもあるが死んでいては実験もできない。尤も絶対に起動しないマザーボードのVRMで延々と実験を繰り返した伝説のバカ記事もあるのでHSDLとしては普通か。

 コイツはご存じの通りICH内部のターミネータを破壊してしまい、セカンダリIDEが使えないという致命的な不具合を持つ。尤もBKV8601などはセカンダリIDEが当初より無いし(IDEコネクタが1つしかない)、そもそも最近のマザーは1つか全く無いのが普通なので致命的とは言えないか。でもFDDもノートPC用コネクタで使えねー!なんだな。更にダメ押しでUSBブートは一切のデバイスで不可能である。


★計算&部品選定
 骨皮のVRMなので設計時に搭載CPUを限定する。今回はSL46T専用とする。尤もこのCPUで普通に動いたら次は格上の奴を無理やり載せられるのは確実だ。厳しい渡世である。閑話休題、SL46Tの定格はだいたい下のようになっている。
VccCORE:1.50V(AMR<2.2V)
IccCORE:11.9A
ISGNT:6.9A
静的リプル:-80〜+40mV
動的リプル:-130〜+80mV
 IccCOREの11.9Aとはp_pであり突入電流も含めた値だ。通常ソフトウェアで負荷を掛けてこれが流れるわけではない。実測の最大電流は75%程度である。という事で最大電流9Aで計算する。Stop-Grantが6.9AだからIも究極の2.1Aだ。例のツールで計算したらこうなった。
=入力=
静電容量:126.7μF
リプル電流:4298mA

=出力=
静電容量:142.9μF
ESR:21.1mΩ
 入力コンは計算通りでイケるのでリプルを4で割って容量は150μFで充分だ。HSDLで余っているのと言えば…ルビコンZL470μF16Vしかない。これは53mΩ・1030mAで容量が少々大きいだけでピッタリと言える。入力コン1本と言えばEPOX KP6-BSを思い出す。先達が居るので心配するな。

 出力はこのままでは動かないのは分っているので容量を最低でも計算値の5倍、出来れば10倍以上にしなくてはいけない。ギリギリで押さえるために5倍にする。ESRは何をやっても足りてしまいそう。既定の本数を立てたら一般用85℃品でも充分にイケそうだ。そうなると日本メーカー製ではスリルが無くて詰まらないな。何故なら一般用85℃品はBKi810で既にやっているから。


suscon_sd
 という事で掘り出してきたのがこれ。オオッ!これは2010年9月20日に手に入れたSu'scon(冠坤電子)SD1000μF6.3Vではないか。ここで使われることになるとは想像もしていなかった。これは低インピーダンスと言っても一般用と大差ないのでソコソコ本数は必要だ。データシートに拠れば100mΩなので5本(=20mΩ)は必要となる。総容量は5000μFとなって狙わずとも10倍以上になってしまった。これはまあ仕方が無いか。

 これで性能だけでなく外見的にもビンボーくさいVRMが出来そう。完全動作するかはSu'sconがカタログ通りの性能を裏切らずに発揮するか?にかかっている。もう古いので暫くカツ入れする必要があるな。


★続く