どーでも良い改造


 サンブラは歴史が長くあまりにも種類が豊富だがCT4750である。判らないって?いや実は筆者も型番をよく知らなかったりする。前世紀にサウンドカードの実力を知ってしまってからサウンドカードには興味が無くなってしまったので詳しくない。その割に金額的にはかなり買っているような気もする。当時はマザーオンボード音源が少なかったので仕方がなかったのだが、これらの投資は今考えても非常に損した気分だ。今なら手軽にちょっとマシなカネの掛かったUSB音源1つで済ませていただろう。内蔵音源の進歩で今更どうでも良くなってしまったが。


★ちょっと見る
ct4750
 基板はEPC INTERNATIONALにて1999年35週に製造されており、カード自体はその直後のアセンブルとなるから確実に前世紀の製品だ。


ct5880
 論理層チップはCT5880-DBQである。このカードは他社製よりも負荷が軽いのが取り柄だったと記憶している(だからこの製品を選んだのだろう)。今の人には全く理解できないかもしれないが、P5〜P6時代にはサウンドカードの負荷は無視できなかった。Live!以降はIRQを2つ持って行かれたりして昔のACPIがあやふやなマザーだと不調に悩んだ記憶がある。

 HSDLブログ読者に知らない人は居ないと思うがICHやVIAのスーパーサウスだとこの論理層が内蔵されている。だからマザーボード内蔵音源には下のAC97コーデックチップしか無いんだね。


stac9708t
 物理層というかAC97コーデックチップはSIGMATEL STAC9708Tである。今となっては仕様自体が高性能とは言えない。全能力を完璧に出し切っても内蔵HDオーディオには及ばないのだ。そもそもAC97自体が1996年の規格である(注1)。


l78m05
 STマイクロのL78M05は定格出力0.5Aの正NPNレギュレータICでありLDOではない。低性能ではあるが特に補償を意識する必要が無いのでこのような負荷には向いている。いやー何と感激、入出力コンが付いている(写真では抜いてあるけど)。マザーボード内蔵音源なら出力は付いていても入力は恐らく付いていないだろう。マザーボード上だと通常は入力の方が効くのだけどね。アナタのマザーで確認してみてね。


l79l05a
 STマイクロ(じゃなくても良いけど)のL79L05Aは定格出力0.1Aの負NPNレギュレータICでありLDOではない。通常OPAMPはマイナス電源を用いる方が高性能になる。これも抜いてあるけど入出力コンは完璧だ。


l3_c60
 電解コンは既に抜いたがR37、L3、C59、60はデジタル電源とアナログ電源を分離するDCである(5Vは共用の為)。流石に単体カードだと手抜きしてない。内蔵AC97音源ならこんな丁寧なDCは絶対にお目にかかれないだろう。尤も内蔵だとDVDDは本体から流用するだろうな。


 普及版とは言え流石にSBは手抜きしていなかった。そんなの当り前って言うかもしれんけど、アナタ方の手元にある安物サウンドカードの電源部やマザーボード内蔵音源見て御覧?多分こうはなっていないから。普及版と言えどもこのような地道な積み重ねの上に回路は成り立っている。こういうところをよく理解せず電解コンだけ交換して得意になっているインターネット上の駄文の何と多い事か。GNDパターンが#になっている意味すら解らんのだろうな。

注1:AC97と一口に言ってもリヴィジョンがあるので全て20年前と言うわけではない。最終Rev2.3は2000年代の規格である。

★電解コン全交換
 ハッキリ言ってボード上の電解コンを全部取り替えても、それが極度に劣化していない限り何も起こらない。よく安物粗悪オーディオ製品の電解コンを交換したら驚くほど高音質になったとか書いている人も居るけど、安物製品は全てが粗悪安物なので電解コンだけがボトルネックなんて有り得ない。電解コンは魔法ではなく回路の一部分を形成するだけの部品に過ぎない。加えてどんなに部品を良くしてもサウンドコーデック以上の音は出ないと言う理論的な限界もある。このカードのサウンドコーデックはAC97規格で、当然ながらどんなに良くしてもIC規格を超える音にはならない。今となっては内蔵HDオーディオにも全く敵わない訳で、落語みたいだけどコーデックICも含め全交換しかない(^^ 良い音はあとから何を付けても発生したりはしないのだ。何かを期待している人には悪いが、電解コンが音質に与える影響は半導体や回路そのものの仕様と比べれば微々たるものである。

 ではなぜ交換するかと言えばボード上の中華コンが目障りだったからに他ならない。この改造はそれ以上でも以下でもない(どーでも良い改造だし^^)。それだけで、イヤそれだからこそ部品交換する大きな理由になる。

 ところでサウンドカードの電解コンを交換する記事は検索すると一杯あるけど、何であんなに左足でハンダ付けしたみたいな小汚い改造ばかりなのだろうか?見た目で良い音が出そうな気配が全く感じられない。良い音は気分が一番大事だって近所のオーディオ変態おじさんが言ってたよ(^^ だから高いのを買うんだね。


★準備
wincap
 このカードの電解コンは全部中華製のショボイ一般用85℃品である。この程度のカードにはこの程度の電解コンが似合いかも知れない。しかし見栄えが良くないのは事実なので交換したい。我々は全交換した姿が見たいわけである。気分だからな(^^

 電源はサウンドカードらしく電源ICの中で最下級の78系(−は79系)が使われている。スイッチングレギュレータではないし、負荷が流れっぱで応答性とかその辺もテキトーで良い。そのため出力コンは低インピーダンス品は必要とせず一般用85℃品アルミ電解コンで充分だ。

C8,9,41,51,52,56,57(入出力CC):4.7μF50V
C11(入出力CC):4.7μF16V
C14,15,34,35(入出力CC):10μF16V
C43(Vref):10μF16V
C48(ADCref):10μF16V
C55,60(VddのDC):10μF16V
C36,83(-5V入出力DC):47μF16V
C77(PCI12VのDC):47μF16V
C37,39(+5V入出力DC):100μF16V

 論理層のCT5880-DBQには電解コンは無い。電解コンが付いているのは物理層のコーデックチップ側だけである。STAC9708の25と38ピンがアナログ電源、1と9ピンがデジタル電源である。このピンに繋がっている電解コンが電源のDCという事になる。他にはCCとリファレンス電源用かな。音声信号に直接関係する電解コンは非常に少ない事が判る。


nichicon
 主力はWincapで、100μF16Vと4.7μF50Vにはnichiconと書いてあるが本物か?何か大きさがバラバラに見えるんだが。ちなみに新しい方のCT4750(注2)はWincapとJAMICONが使われていた。本物だろうが偽物だろうが、どちらにしても一般用85℃品だし抜いてしまうので構わない。クソコンであるほど交換した時の喜びは大きい。気分的に(^^


nec_dn
 一般用85℃品で充分のところだが所有していない。代わりに用意したのは主にタンタル電解コンである。タンタルだと見た目に国籍不明感が漂うがそれがいい。要はそこら辺のニワカにはサッパリ理解できない外見になればいい。比較的大容量の電源ラインの電解コンは余っている低インピーダンスコンを付ける。カップリングにタンタルは使わない方が良いのだが気分なので構わん。

注2:もう1つのCT4750は基板が四海電路板製で2001年38週製造だったのでその直後アセンブルされたと推定される。

★作業開始
ct4750_removecap
 全部抜いた。ホールが細いのでハンダ掃除するときにブチ壊しそうでヒヤヒヤする。こんな小さなカードでもマザーやビデオカード以上に油断は禁物である。実はランドが2か所3/4になってしまった。このスッキリした基板をこのまま動かしてみたい衝動に駆られるな(注3)。

 付けるのは外すのと比べれば1000倍楽なので、元の電解コンを外してホール掃除すれば作業はもう終わったも同然。あ、部品揃えてねえや!また明日な(^^;


ct4750_mod
 結構渋い。これまでに世間で見た事の無い外見になったので気分は良いが深い意味は無い。サウンドブラスターの電解コンは割とたくさん載っているので一度全交換をやってみたかった。CCがタンタルだとまともに動かないような気もするが、これらの大部分はCD-INやAUXや入力CCなので今後使われる事は無い。サウンド出力は100円SPに出力されるだけだから。

注3:この話題は次回バカ記事として書く事になるだろう。

★動かす…いや動かない!(^^;
 ここからは私しばたよしとみ々罎お送りします(^^ ノーマルのCT4750をHSDL45に付けて起動してみたが動かない。具体的に不具合を言えばこれをPCI2に挿したらFX5700と82559が出刃マネから消えた。完全にIRQルーティングを破壊してやがります。PCI4に挿したら一見正常に動いたがこれもダメ。OS起動時間が3、4倍だしサウンド機能を使うソフトがOSごと固まってしまう。しかもこの時ドライバはXP内蔵が勝手に入ってしまったのだが消せない。削除しようとすると出刃マネが固まってしまうのだった。久々に9x時代のテイストを味わってしまった(^^;


device_ct4750
 PCI5は82559が入っているしPCI4とPCI2は動かない。ではどこで動かせというのか?PCI1はビデオカードの真横なので不可能。消去法で3に挿すしかないようだ。PCI3に挿した後は何食わぬ顔で安定している。あと気づいたのだがもう20年物なので電解コン以上にコネクタが劣化している。フォーンジャックの穴から覗くと汚れや錆びのようなものが見えるのだ。分解して掃除したい!とビックリマーク付きで思ったが元に戻らない可能性が高いので止めた。何とか接点を磨きたいので爪楊枝に不織布を巻きつけて磨いておいた。音は出ているしガリも無いので当面問題は無さそうだ。


★一応比較してみる
noise_normal
 さすがにサウンドカードのデファクトスタンダード、ドライバはXP内蔵で入ってしまったのでそのまま使用する。これがノーマルのノイズフロアレベルだ。


noise_mod
 これが改造後のノイズだ。稍平坦になったのは元のが劣化していたからなのかな。聴感上の比較は無意味なので行なわない。恐らく差は無いし、人間の耳は日によって時間によっても大幅に調子が違うからアテにならない。測定器としては使い物にならないのだ。


3tone_mod
 試しに3TONEをブチ込んでみる。思ったより良くないね…CMI8738の方が断然良かったな。この調子だとRMAAは大してよくないだろうし面倒なので止めた。


★使用部品
 電源ライン以外の耐圧は考えずに付けてしまった。音声のようなP_Pなら倍掛かっても壊れないだろうし大丈夫だとは思う。

NCC KZH 150μF25V×2
NEC DN 10μF16V×8
NEC DN 4.7μF6.3V×8
TK UTWRZ 47μF25V×3
合計100円(税込み・銭単位切り上げ・副資材+電気代別)

 ジャンクなら100円のカードなのに部品代高過ぎ(UTWRZの@13.5円が高い)。まあ当該カードは当時バルクとは言え(故・クレバリーにて)新品で買っているので価格的に問題ないか。


★終わり
 どーでも良い改造を長々引っ張ってもしょうがないので終了。次回はバカ記事でお目にかかりましょう(^^