電解コンの容量


 かなり昔なので何所か忘れたけどマザーボードの修理をやっている人の記事を読んだ。その人が外した中華電解コンの容量を測って「容量ヌケしているので寿命」といった意味の事を書いていた。それでフト疑問に思ったのだが、この人は「正常な容量」というのをどのように規定し理解しているのだろうか?

 電解コンデンサの静電容量は一般的には 120Hzで規定されているが、製品の許容範囲は±20%も許されている。例えば1500μFの場合は1800〜1200μFの間で「合格」となるわけで、よく見かける電解コンの製品ラインナップが1200、1500、1800μFとなっているのはこれを考慮しているのだと思われる。この規定で行けば1200μFは寿命ではなく、まだ規定内の正常な容量という事になる。手持ちの日本メーカー製低インピーダンス電解コンは表示3300μF10Vだが新品で2900μFだったし、別の2700μF16Vは同じく2900μFだった。容量に関してはかなりテキトーな製品なのだ。

 かつてGF440MXから外したCE-AX1500μF6.3Vは現在の容量が実測1371μFでESR=120mΩとなっていた。これは元々の製品規格のESR(注)である90mΩと比べてだいぶ上がっているが容量は充分に規格内である。直流的には寿命とは言えないが、交流的には場合によっては寿命と考えられる(設計依存)。VRMの出力コンには容量的な意味以上にESR性能が重視される。という事で冒頭の人の判断は二重な意味で間違っている可能性があります。

注:製品カタログではESRではなくインピーダンスとなっている。これは自己共振周波数SRF以外ではESRより高くなる。例えば固体電解コンの自己共振周波数は300kHz以上なのでESRは既定の100kHzでは半分くらいになるはず。通常アルミ電解コンのSRF曲線は固体ほどシャープではないので同じと考えても大丈夫。