完璧・至高の製品


 量産製品を企画設計したことが無い人は知らないかも知れないが、メーカーは「できる限り高性能な製品を作ろう」と考えているわけではない。それはアマチュアの発想だ。最初に仕様(=機能・性能)を決めて、その目標を満たしつつどれだけ安く早く作れるか?を追求するのがプロだ。なので最初に設定した目標を達成したら、それ以上の性能を追求する事は無い(コストが上がるから)。目標は公的規格があればその規格+製造誤差+経年劣化を考慮したマージン、規格が無ければ他社競合製品と同等か僅かに上に設定される場合が多い。シェアを全く持たない新規参入の場合、画期的な新分野の新製品以外は国内外を問わず全てこの手法をとっている筈だ。まあそれ以前にコピーしかしていない企業もあるけど(^^ 業種に依るがPC系は特にこの傾向が強いようだ。業種によっては最初に予算を決めてその中で最高の性能・機能・風味(笑)を目指す事はある。その場合の目標は価格になるが、予算を限定するので最高・完璧・至高というような青天井のものではない。

 例を挙げればATX電源の定常リプルは60mVp_pまで許されているが、目標は大体50mV辺りに設定される。市販製品を測してみれば分かるが、どんな高級電源でも動物電源でもこの程度で大差が無いのはそのためだ。だから電源に抵抗を繋いでオシロで測って、良い電源と悪い電源を選別するのはあまり意味が無い。それは製品仕様のバラつきや不具合の確認に過ぎない。本当に差が出るのは規格には無い耐久性とか仕上げの綺麗さ。仕上げは見た目で分かるが、耐久性は結果論でしか分からない。この結果論とて使用ユーザーのレベルにも大きく関わるので、一部ネットで騒がれているものが公正かつ有効な評価であると断言はできない。

 以前「最高・完璧・至高のマザーはあるの?」のような質問を受けたことがあるが、常識的に考えて量産製品では企画の段階で既に有り得ない。もし製品を完璧な物にしたければコストを気にしないアマチュアが自分で手を入れるしかない。それはアナタの役目なんだよ。HSDLの改造や修理が妙に制限枠があるのはプロの仕事の名残りなのか?(^^