BIOSTAR 865GV Micro 478


 このマザーは"BIOSTAR 865GV Micro 478"と言う名前だが、基板プリントには"I86GV-M4"という名前もある。恐らくこれが生産側の名称なのだろう。筆者的にはI86GV-M4の方がBIOSTARと言うか精成科技(Global Brands Manufacture)兄弟らしくてシックリくる。


i86gv_m4
 これもASRock P4i65Gと共に久々に入手した100円(108円)マザーである。ジャンクマザーはやっぱりこの値段で手に入れたいね。この製品もP4i65Gと同じくかなり遅くなってから、具体的にはソケット478はとっくに終わり、775も終了しようという2000年代後半に発売された。何のために発売されたのかは知らないが(注)、昔自作した時の余っている部品を持て余していた好き者には支持されたらしい。価格が安い(実勢価格で6000円台)のも大きな理由の一つだろう。このくらいの値段だと「板以外は全部揃っているし、ちょっと昔気分で遊んでみるか?」と言う気分になりやすい。ジサカーの君らもそう思うだろ?(^^

注:この時期(2008〜2009年)に865系マザーが各社から一斉に発売されたのは余剰在庫チップセットがどこかで放出されたのではないだろうか?

★全然動かない…(^^;
 実は動作チェック[17/03/09]にも書いた通り動かないんだな(^^; しかもASRock P4i65Gと違って全くPOSTコードが走らない致命的な不動である。VRMには全く異常が無い美品マザーが動かないのは通常はあり得ない…でも現実に動かないからなあ。値段が値段だし修理の時間がもったいないので捨てようと思ったが、捨てる前にもう一度基板チェックを行なった。


vrm
 まずVRMだ。電解コンは破損例の多いKZGだがこの場合は全く異常なし。この電解コンは外見に異常が無ければ問題は無い。パワーMOSFETも異常は無いのでVRMは全く正常と見た。


memory
 メモリ周り。POSTコード=D5h(D7h)で止まったASRock P4i65Gと違って、POSTコードがFFhで動かないこのマザーにメモリは関係無いな(CPUにMCHが内蔵されているわけではないので)。念のため一応見たけど勿論配線などに問題は無い。


mch_dc
 チップセット周り。ここも電解コンの破損は無い。チップセット周りの電解コンでも膨らんでいると動作に問題があるのはここに例がある。しかしこのマザーは何ともない。MCH等の電解コンを疑う必要は無さそうだ。


mch_rev
 MCHとCPUソケットの間の配線が切れている場合がある。これは剥き出しで細い線なので青箱の中で切れるのは普通に有り得る。しかしこのマザーはキレイなもので何ともない。


ich5
 次はICHだ。コイツが原因で動かない865系は数限りない。しかしその場合でも穴が開いていたり変質したり不審な所があるものだ。このマザーにそんなところは全く無い。ジャンパピンもデフォルトで異常は無いし、筆者の動作方法が間違っているわけでもないらしい。こうなったらソケットを水洗してやろうか?イヤその前に。


socket478
 アテにならないけどソケットがおかしいかどうかチェックしてみる。判定ではシロのようだ。しかしこのツールってLEDの点灯用電流がMCHに流れる気がするのだが…低電圧のチップセットだとブチ壊れないのか?それはさておき現時点では洗う必要も無さそうだ。例え洗うにしても今は寒いので春になってからだろう。


 さあ困った!このマザーは全然おかしいところが無い。ここでもう一度最初から考えてみよう。POSTコードが全く走らないのは通常「CPUが動いていない」からだ。だがVRMにも配線にも異常が無いのでその線は消えかけている…イヤ長年のカンでこれは板のせいではない気がしてきた。POSTコードが走らないもう一つの可能性に思い当たったからだ。


fwh
 で、FWHのソケットを見ると…何と一発回答。稚拙な技でFWHを外した跡があるじゃないか!これでFWH飛ばし疑惑が濃厚になった。電撃的に修理は終了したことになる。

 恐らく前ユーザーが何らかの理由でFWHを飛ばしたか、飛ばしたと思い込んでFWHのホットスワップ(笑)でもやろうとしたのではなかろうか?このはずし傷はそれを表しているのだ。それならFWHを書き直してやればいい。尤も前ユーザーの作業でFWH自体が壊れている確率も結構高い。素人ユーザーは書き込み電圧も知らないからだ。過去にホットスワップ記事で電圧を見ている人に会った事が無い。最悪FWH自体を交換することになるかも。


★動かす
 サックリ書き換えた。FWHチップ自体は最悪の予想を覆して無事だった。FWHの在庫は豊富だが換えずに済めばそれに越した事はない。


86gvm111
 ちなみにこれが対応マイクロコードだ。流石に藁は入っていなかったがノースウッド以降は全部動きそうだ。


hwinfo_i86gvm4
 ウッシャー!動いたぜ。動きそうな奴(P4i65G)が動かず、動きそうもない奴が動くのがこのジャンク世界の「よくある話」である。恐らくFWHの反応が無いのでCPUに行くまでに固まっていたのだろう。あれ?マザーボード名が違っているな…このファームウェアはBIOSTAR公式からダウンロードした正統な物なのだが、他の865板と兼用なのか単純に間違っているのかよく分らん。


★注目ポインツ(^^
xgp
 チップセットは865G(Springdale-G)ではなく865GV(Morgan Hill)なんだね。これは仕様でAGPバス・スロットが無いので、インチキしてXGPというなんちゃって互換スロットを付けている。このXGPはBIOSTARのマザーではおなじみで、ソケ939のNF4UL-A9にも付いていたのは記憶に新しい。そして更に記憶を遡れば同腹兄弟のPCchipsのAGProと同じだ。同一人物が作っているのではなかろうか。PCchips M909Gの設計者が移籍したのかな?PCchipsは解散したわけだし。


cpu_dc
 何じゃこのCPU_DCは…恐らくネトバ系マザーの中で最もプアなDCの中に入るだろう。と言うかこれよりヒドイのは一寸思い出せない…イヤM909Gはもっと酷かったか(^^; やはり同一設計者なのか、これも2012のMLCCが数個しかない。基板にも準備が無いので設計段階で潔く省略している…イヤ付けろ。基板にランドがあればHSDLで付けられるのに。取りあえず目立つ真ん中のSP-CAPは付けたいよな。

 究極の骨皮VRMシリーズを読めば解る通り、CPU_DCがまともなら少々VRMが不出来でも安定して動く。このマザーはその逆なので結構ヤバい。だから「憂愁のマザー」にピッタリという事で栄えある第一回に選ばれたのだ(^^ 以前は「BIOSTARは地味だけど堅実」として認識していたが、設計者によってかなり差があるのかもしれない。HSDLではこの手のマザーは改造の餌食になる。早くどこかのOST(RLS)が飛ばないかな。


★終わり
 865GVにXGPというキワモノマザーだが、コンパクトに良くまとまっているので使い易そう。ASRock P4i65Gが現状動く気配が無いので、暫くこれを478の動作チェック用にするかな。ソケAのチェック機K7VM3もそうだけど動作チェック機はIGP付きで小型のがいい。