究極の骨皮VRM(^^;
究極の骨皮VRM(^^;;

 これがこのシリーズ最後の記事になるかな。


★その後
 骨皮までそぎ落として設計されたSAHARA3810のVRM8.4だが、ハッキリ言って超安定してしまって面白くも何ともない。P!!!のマージンが極度に大きいか、思った以上に中華電解コンの性能が高いのだろう。加えてSAHARA3810のCPU_DCが鯖板と同等以上に完璧に近いのも影響しているはずだ。そこで今回は電解コンを動かなくなる寸前まで抜いていく。


vrm_after
 現在のVRM様子。まさかこれでSL4CBまで安定して動いてしまうとは思わなかった…イヤ本音を云えば過去の経験から何となくそんな予感はしていた。

 さてどれから抜くかな?インダクタに最も近いCT11は最後まで残したい。ここをSDにすべきだったと今更のように後悔した。仕方ないので一旦抜いて位置を変えるが、ハンダ付け作業でやや能力低下するだろう。ネタ的に見れば抜くのはAXしかない。チビチビ抜くのも面倒だし、SL46Tなのだから3本とも全部抜いてしまおう。


vrm84_sahara
 一気にAXを全部抜いてしまった。前後の事情を全く知らない人が見たら「これから電解コンを付けるの?」と言われそうなほど何も載っていない(^^; 入力コンが3本中1本実装の実装率33%、出力コンが7本中3本実装で実装率43%なのだ。ちなみにマネ下FCはメモリのDCであり、右のレギュレータ脇のKZHはVtt1.5のDCであってVRMの電解コンではないのだ。今までHSDLブログで見てきた中で最低のVRM8.4はEPOX KP6-BS(注)だが、遂にアレを超えるショボイVRM8.4が完成した。

 三洋AXの強力サポート(笑)が無くなり性能はだいぶ低下したはずだが、多少使用したのでSDもそれなりに調子が出ていると思われる。それでは起動テストをしてみるか。

注:KP6-BSのVRMに使用されているコントローラLX1664は正確に言えばVRM8.2準拠である。ただ仕様でVRM8.4の機能を包含しているのでVRM8.4の範疇に含めている。

★テスト
post_honekawa2
 SL46Tは普通に起動した。おいおい、これで本当に性能低下しているのか?もしかしてSDって普通に高性能なのでは…あくまでも推定だが60mΩ以下だと思われる。マネ下FCと同程度という事になるのだろうか?感じからして水系ではない筈なんだが。恐らくこのマザーのCPU_DCが神レベルなのでテキトーでも動いてしまうのだろう。参りましたm(_ _)m

 但し性能が低下していない訳ではない。実はこれにWindowsXPをインストールしたHDDを繋いだが起動しなかった。正確にはロゴが消える辺りで反応が無くなってしまう。何回もリセットして頑張れば一度くらいは起動するかもしれないが「足りている」とはとてもじゃないが言えない。前回の構成が河童起動・実用の為の最低限の性能と考えられる。大体ESR≦20mΩで容量4000μF程度だろうか。境界が判ったところでこの実験は終了だ。

 結論として入力部分を必要充分に固めれば出力は多少テキトーでも安定して動くという事か。恐らくP!!!系はON-OFFが殆ど無いか、あってもスルーレート的には緩やかなのだろう。尤もCPU_DCが完璧に行なわれていて、しかもある程度スイッチング周波数が高いという前提があってのことだが。やはり実用マザーを選ぶ時は電解コンよりCPU_DCを見て選ぶのが正解だ。


★終わり
 最終的には骨皮バージョンは動かなかったものの、これで漸くSAHARA3810には満足行った。IDEが1chしかなく実用不可能なマザーなので破棄しても良いが、まだ危険な実験を思いつく可能性もあるのでそのためにキープしておく。実はもう次の実験が企画されていたりして…。

 この一連の記事の冗談を完全に理解して笑ったり驚いたりして楽しむのはそれなりの教養が必要だ。全くの初心者だと10年くらいかかると思う。解らない人は試しに2、3年後にまた読んでみよう。尤も全く勉強しなければ何年経っても解らないけど。