SONY ICF-7601/7601Lの研究


 ELPA ER-C54Tを解析してから日本メーカー製のアナログスケールの多バンドラジオに興味を持った。このICF-7601は遠い昔にX1等の店頭でしか動かした事が無いが、一応イメージが湧くので回路を見てみた。それで気づいた事を幾つか並べてみる。


★概要
 ER-C54Tとはスケールが縦横の違いがあるがタイプは似ている。スケールの下にバンドスイッチが並んでいるデザインには(遠いけれど)影響を感じさせる。ただ価格が大幅に違う事もあって回路はだいぶ違う。少なくともTA2003のような低性能ワンチップICだけで構成されている訳ではない。

 当然かもしれないが、似た名称のデジタル系とはかなり違っている。回路が機種によってだいぶ違うので80年代当時のSONY技術陣の意欲には驚かされる。ちなみに7601LはSW1がLWに変わったヨーロッパ向けだ。

アナログ系
1977:ICF-7600
1982:ICF-7600A
1988:ICF-7601

デジタル系
1983:ICF-7600D
1987:ICF-7600DS
1987:ICF-7600DA(DE1103のパクリ元?)
1990:ICF-SW7600
1994:ICF-SW7600G/GS
2001:ICF-SW7600GR

 他にもあったっけ?ちなみにアナログ系・デジタル系と書いたがどちらもアナログラジオだ。このA・D分類は単純に周波数表示によるものである。


★気づいた事

‘眤▲謄譽好灰團奪アンテナ(通称ロッドアンテナ)はSW/FMに有効だ。7601と7601Lで基板が同じなら小改造でLWにもロッドアンテナが使えるようになるかも。

FMはワンチップ・ラジオICのCX-20091(SONY)で全てを賄っている。必然的にトップはBPFとなり手抜きを感じる。FMはそこら辺のホームラジオと同じなので期待しない方が良い。

MW_FM
 余談だけどSONYのワンチップラジオICのブロックダイヤグラムはAM(FM)FEとか人をバカにしている(^^ RF段が有るか無いか分らんじゃないか。もっともそれを隠すのが狙いなのかもしれないが。

FMのCFは1段である(デジタル系は2段になる)。CFのランクにも依るがFMの選択度は期待できない。ER-C54Tと大差無かろう。

MWもCX-20091(SONY)でほぼ全てを賄っている。但しMIX-OUTをIFT経由でSWと共通のCFに回しているので選択度はSWとほぼ同等となっている。

SW2〜10は1st-IF=10.7MHz、2nd-IF=455kHzのコリンズタイプ(クリコン方式)のダブルスーパーである。ハイバンドではシングルスーパーと差は歴然。

SW2〜10の1st-OSCはXtalだが2nd-OSCはSW1と共通なので当然LCであり経年劣化はありそう。ちなみにこれより後の90年代になるとXtalがセラロックにランクダウンする(^^;

SW2〜10の高周波増幅には可変の同調回路は無い。固定同調回路と言うか、バンド毎のBPF切り替え方式である。ダイオードではなくメカニカルSW切り替えなので経年劣化は当然ある。

SW1は高周波増幅しており、トップのアンテナ回路はフェライトロッドアンテナ(通称バーアンテナ)を使用した同調形で、フロントエンドはFETのディスクリートである。

 デジタル7600系はMWを含むAMは全てアップコンバーテッド・ダブルスーパーだがトップが非同調なのでアンテナ回路だけは勝っている。デジタル系でも元祖ICF-2001ではバリキャップで同調を取っていたのだが7600(デジタル)になって手抜きされたのはいただけない。

SW1はIF=455kHzのシングルスーパーでSW2〜10とはフロントエンドが異なるが、2ndミクサー以降の回路は全て共通。

SWのフロントエンドはOSCとAGCを除きすべてがFET化されている。

CFはランク不明だがCFU455xである(恐らく音からしてH)。これはAMモードは全て共通だ。

SWがバンドスプレッドなのは選局の容易さも勿論だが、それ以上に高周波増幅の同調回路をBPFにして簡易化(要するにコスト低減・手抜き)するため?

LWはSW1と基板配線が共通でFETを使ったRF1段の独立フロントエンドである。恐らく7601LのLW性能はソコソコ高かったのではないだろうか?ちゃんとトップが同調している分デジタル系にもヒケはとらないはず。


★評価
 MWはワンチップIC対SWと共通のダブルスーパーという事でデジタル系の勝ちだが、デジタル系はトップが同調形ではないのでつけ入る隙はある(^^ FMは独立フロントエンドという事でデジタル系の圧勝。SWはごく下の方を除きデジタル系の勝ち。安定度は勿論デジタル系の完勝。このラジオは使うとすればMW/SW1辺りで地道に使うラジオか?使用者のスキルにも依るがMW/SW1ならばデジタル系の相手になると思う。あと7601LはRF付きFET独立フロントエンド採用の(このクラスとしては)高性能LWラジオなので使ってみたい。

 さてこのイメージで7601の実機を使ってみたいところだが…何故か7600アナログ系の最終機という事で?市場価格がクソ高いな。中身はそんなに素晴らしいものでもないと思うが…(^^; 少なくとも万を出す程のものでは決してないので価格高騰し過ぎだろう。

 もし機会があれば次はマネ下のライバル機を研究してみたい。ま、この記事と同じく埋め草記事なので出ない方が望ましいのだが…(^^;