電源コアをRFコイルで使う(その1)


 今までの不良債権は本音を言えば大した不良物件ではない。殆どの物件はある程度利用に目途が立っているものだからだ(1SS990Aはかなり悶絶したけどな^^;)。今回は本当の不良資産である電源用のインダクタやコアである。これらをPCの改造に使う事は今後あるか?と問われたら自信を持って「無い!」と答える。一応コアに寿命はあるが、寿命を迎えたマザーボードのコアを交換した話は今まで一度も聞いた事が無いしHSDLでもやったことはない。寿命まで連続で30年くらい掛かるんじゃないか?PCだったらそんなに連続使用はしないし。そこでもっと違う方面で活用してみようというのが今回のお話。HSDLらしく誰もやったことの無い活用法で行こう。


★Tokin謎コア
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 これはHSDLでVRMのインダクタについて研究している時に実験サンプルとして入手したTOKINのインダクタを解いたトロイダルコアである。電源のインダクタの研究は既に終了しておりこのコアも全くの不要品となっていた。最近ラジオ弄りを始めて、このコアもRF系で役に立たないか?と思い始めた。


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 でそこらにあった線材を一回潜らせて計測してみたら0.2μHだった。ワイヤのオフセットが0.1μH付いてAL=100くらいか?52材より透磁率が大きいような。79回巻けば620μHとなり、そこら辺で売っている150pFのPVCと組み合わせると522kHzとなりMW用コイルとして丁度良い塩梅になる。そうそう、HSDLのハズレ品であるウンコPVCだと並列で245pFだから370μHあればいい(519kHz)。その場合は62回巻けば充分だ。

 サイズが違うけどこれと同じようなTOKINコアの塗装を剥がした事があるが、アレと同じならシルバーコアなのだろう。鉄粉コアは黒っぽい方がインダクタンスが高くなるように思える。フェライトコアは真っ黒だし。シルバーは高周波特性は良さげなんだけど。これらはあくまでも見た目の印象だ。


★T50-52
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 P6マザーボードでは非常におなじみのT50-52である。これかT50-26がP6時代の標準と言える。通は巻きかたで判るだろうが左上と下の二つはASUSのP6マザーのVRMに載っていたT50-52Bである。右上だけ別マザーに載っていたT50-52無印である。これらを計測した事って無かったよね?

下の二つ(T50-52B)が4.2μH
左上(T50-52B)が7.1μH
右上(T50-52)が5.3μH

 下の二つは大体巻き数から予想される通りである(計算上は10T=4.4μH)。このままでは巻き数が少なすぎるので全て巻き直しだが、Qがナゾのバーアンテナより倍くらい大きいので悲喜交々と言った感じである(^^; 線材が太いからなのか?ひょっとして実用になるかも。

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 不思議な事にASUSに載っていたT50-52Bのは右上の他マザーのT50-52無印と比べてQが半分しかない。これはASUSの奴がキャンセル巻き風になっているのが効いているのか?線材の太さは同じだし巻き数もインダクタンスも差は少ないし、そんなものなんですかね。


★謎の緑コア
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 478かソケAマザーのVRMに搭載されていた緑一色の中華コア。サイズはT50-52Bと同じくらいなので恐らく同等品ではないかと思われる。このような素性不明のコアは電源には怖くて使えないので廃品となりますね。3パラの6回巻きで1.0μHだった。線を細くして釈迦力に巻けば使えない事も無いな。何なら3つ重ねて…イヤそれはやりたくないな(^^;


★謎の灰色コア
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 GIGABYTEのP6マザーのVRMでよく見かけたMagnetics互換品っぽいコアだ。但しこれは既に多相化時代のモノなので違うかもしれない。素性は全く不明なので勿論電源関連には使えない。3パラの4回巻きで0.8μHだった。T50-52と同じくらいの大きさなので透磁率はソコソコ高そうだ。


★謎の赤色コア
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 何に付いていたんだろう?一つしかないので多分イソテルマザーの入力だと思うが全身赤一色だ。3パラ5回巻きで0.4μHしかないので高周波系の透磁率の低い奴だろう。SW帯で使ってやるか?


★PC電源のコア
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 どうもPC電源を解体した時に分捕ったと思われるコイル類が出てきた。この当時はまだPC電源が直に捨てられなかった時期だろう。今はPC電源は普通に持って行ってもらえるので解体などする必要はないから。

pc_dengen2
 デカいのを解体してみた。線が太くて硬い上にニスでベタベタ固めてあるので指がいてえ(^^; 30分もかかってしまった…時間の無駄!またバカな事をしてしまった。これはかなりデカいコアだがサイズを測ってみよう。

OD33.3(33.0)
ID19.5(19.8)
Ht11.5(11.1)

 という事でこれはT130-26(AL=81.0)相当か。MMオリジナルではないのでサイズが微妙に異なる(カッコ内はT130-26のオリジナルサイズ)。大きさの割に意外にAL値が低いので泣ける。まあ26材は電源用の中では透磁率は高い方だし、大型なので内径も大きく0.5φでも120回は巻ける。ちなみにMMの電源用で一番透磁率が大きいのは45材(黒一色の奴)で、同サイズでAL値が105.0となる。

 重ねてある方はニスがベタベタで分離できない。しかも色が変わってしまっているが恐らく元々は灰色一色でMagneticsの互換品だろう。CMxxxxxって型番書いてあるので出来合いのインダクタだと思われる。このニスをどうやって除去するか?このまま重ねて使っても良いけど使い勝手が悪いしコア特性が判らないので分離したい。アルコールやフラックスリムーバーでは溶けなかった。汗豚でも買ってきて浸けておくか?地の塗装は焼き付け塗装だから汗豚で解けないだろう。


dousen
 太い線はもう使わないだろうから捨てようかと思ったが、小学生の頃に繋げて作ったアンテナを思い出し(注)やっぱり取っておこうと思った。こうなったら意地でもアンテナに金を使わない路線で行くか。

60cm
65cm
115cm×2
130cm×2
125cm

 曲がっているから正確ではないけど繋げて7.4mもあるのでアンテナくらいにはなるだろう。この曲がっている線をどうやって真っ直ぐにするか?小学校の頃のように角材でしごいて真っ直ぐにするのはアタマ悪そう。もっと劇的でスマートな方法を思いつかねば。

注:筆者が始めて張ったアンテナは短い色々な線材を寄せ集めて繋げて10mくらいまで伸ばした線を張ったモノだった。太さも長さも被覆も色も、それどころか導線の材質も銅やら鉄やらで違っていたけどソコソコ長いのと高さがあったので感度が上がったのを記憶している。これは小学生の頃にゲルマラジオを聞こうとして張ったものだ(ワイヤを買う金は無かった)。あのころの自分なら大喜びでアンテナ線に使っただろう(^^ ちょっと思い出したので書いてしまった。

★続く