OHM RAD-F1691Mを動かす


f1691m
 中古ラジオは買わないのがHSDLの決まりだったがIC見たさに買ってしまった。名前からして1691系に違いない!と思って買ったのだが、それは巧妙な釣り?で実はとんだ食わせ物だったのだ(^^; あまりの怒り(=勿論自分に対する怒り)に夜中にバッキャロー!と叫びたくなったよ。マジで。人間やはり約束を破るとロクな事にはならんな。


★HSDLのラジオの条件
 HSDLと言うか筆者は海外MWDXはもうやらないだろうけど国内の他県の放送はまだ用がある。なのでMWラジオの基準は「海外超DXは受信できなくて良いけど国内DX程度は出来ないと困る」となる。これは80年代以降のポータブルラジオならごく普通である。具体的なスペックは次のようになる。原則としてこれはアナログラジオの条件である。

=感度=
 感度は高ければ高いほど良いが元々ラジオ用ICの性能はそれなりであり、フルに力を発揮しても大した性能にはならない。そのためフェライトロッドアンテナは最低でも12僂詫澆靴ぁM澆鮓世┐丱リが無いが、このパーツは特に高価なパーツなので市販廉価ラジオでは真っ先に削られるところである。これの長さで力が入っているかどうか判るくらいである。

=選択度=
 AM帯域幅は6kHzあれば申し分ないが8〜10kHzでもスカート特性がシャープなら可。帯域幅はCF採用の殆どのラジオがこれを満たしているが、実際はスカート特性が悪くIF通り抜けも多い。今まで(ごく一部の高級機やマニア専用等を除き)選択度で満足の行く市販ラジオを見た事が無い。

=安定度=
 安定度は連続30分くらい持てばいい。つまり普通のTRラジオレベルで良い。我々は一つの番組を長々と聞き続ける事はほぼ無いからだ。所詮はLC発振器、DSPラジオやPLLアナログラジオに負けるのは致し方ない。

=その他性能=
 強電界なのでもちろん多信号特性は良い方が良いし、謎のスプリアスを受信してしまうようでは困る。ただこれらはほぼIC依存であり、選ぶ際にはほぼ判らないのが普通であるので後からどうする事も出来ないのだが。

=ケース・外見=
 実はノーマル性能的にはどうしようもないこのラジオを入手したのは、HSDLの改造によって上の条件が満たせそうだったから。中は見ていないけど幅16.2僂例体には12僖弌璽▲鵐謄覆麓まると思われるのでER-C54/55Tよりは素質がある。CFを採用しているので換装によってIF選択度は変えられそう。安定度は市販製品なら大体そのままで合格する。

 …と、そんな狙いをもってこのラジオを買ったわけだが、実はコイツとんでもない性能でありほぼ使い物にならない物件だった。素質の無い草野球レベルの高校生を間違ってドラフト上位で指名してしまった感じ(^^; しかも先天的に体に異常があるのだ。


★動かしてみる
 まずは動かしてみる。中身は楽しみなのでまだ見ない。次回の分解解析記事で初めて公開されるわけだ(実はこの記事を書いている時点ではもう見てしまっているのだが^^)。

=外見・形状=
f1691m_01
 このラジオは本来は単三電池で駆動すべき厚みのラジオに無理やり単一電池を組み込んだ強引な形状の製品である。そのため電池の入る下側が極度に幅広で可搬性は大型機並みに低い。駄菓子菓子、その形状のお陰で据置型としての安定性はハンディラジオクラスとしては非常に良い。特にFMでアンテナを伸ばした時にこの形状が活きてくる。申し訳にストラップが付いているものの本質的には据置型ラジオだろう。少なくとも筆者はこれを持ち運びたいとは思わない。

=電源=
f1691m_02
 上にも書いた通り単一電池2本で駆動するのが基本。加えてコストダウン前だから3VのACアダプター端子がある。やはり据置型としての使用がメインかな。

http://www.ohm-electric.co.jp/product/c13/c1313/11915/
 後継機はこれだろうがある時期からの円安コストダウンの波を受けてACアダプター端子は使えない。

f1691m_03
 但し電池蓋は少々ヤバい。数回電池を入れ換えたら折れるかも(^^; 開け閉めしたくないのでここ一番の低ノイズ用途以外はACアダプターで使いたい。

=受信周波数=
f1691m_04
 昭和時代からのコンベンショナルなAM/FMの2バンドラジオである。

AM530〜1605kHz
FM76〜90MHz

 このようになっておりFMはワイドバンドではない。目盛を見ると108MHzまで広げられそうだが。研究が終わって不要になったら改造してもイイかな。

=感度=
 MWの感度は不明。ER-C54/55Tも調整前は良くなかったがあれとは全く違う。具体的に言うとER-C54/55TはRFゲインを下げたようにバンド中が静かだったが、このラジオの場合はかなりノイジーでバンド中がガサガサしており回路自体のゲインは高く感じる。要するに混変調気味なのだ。もっとも感度以前に選択度が極度に悪い(後述)ので、当地の二等ローカル局を受信するのは不可能に近い。

E1:ER-C55T
E2:ER-C54T(調整後)
RA:当該ラジオ

E1E2RA
◎◎◎ 594kHz:NHK1
◎◎◎ 693kHz:NHK2
×△× 765kHz:YBS
◎◎◎ 810kHz:AFN
××× 864kHz:CRT(那須)
◎◎◎ 954kHz:TBS
×××1062kHz:CRT(足利)
◎◎◎1134kHz:文化放送
△△×1197kHz:IBS
◎◎◎1242kHz:ニッポン放送
○○○1422kHz:RFラジオ日本
△△×1458kHz:IBS(土浦・筑西)
×××1485kHz:RF(小田原)
△△×1530kHz:CRT
×××1557kHz:SBS(熱海)

◎強力で実用になる
○受信可能で実用になる
△微弱・条件付きで実用は厳しい
×全く受信できない

 何と二等ローカルは全滅!これほどヒドイのは予想していなかった。このラジオもトラッキング調整は全くしていないと思われる。完全調整すれば結果も変わってくるかもしれない(後に判ったが完全には不可能)。実はちょっとやってみたのだが、選択度があまりにも低すぎて受信周波数の調整が出来ない(^^; そのため上の方だけTCで調整したが特に高感度にはならなかった。感度を上げようと窓際に置くとAFNやTBSがバンド全体に広がり実用にならなくなる。ER-C54/55Tも決して良くは無かったが、悪い意味でアレを越える悪の逸材がこんなに早く出て来るとは思わなかった。

 FMの感度は特に悪くもないし良くも無くER-C54/55Tと同等である。こちらも感度より選択度の悪さによって受信局数が伸びない感じ。

=選択度=
 予想より滅茶苦茶悪い。ローカル局を選局する時にどこが山なのか解らない。スカート特性が激悪なのかER-C54/55Tよりも遥かに悪く感じる。QR以下の周波数だとローカル局が全部繋がってしまっている(初めて切れ目が判るのはQRとLFの間)。まるでストレートラジオで聞いているような感じだ。IF通り抜けが大きいのは同じだがRFの選択度が更に低い分ER-C54/55Tより悪いのかも知れない。CFが不良品と言う説もある。CFをバイパスした時と似ているからだ(^^; 中華CFの不良品は少なくないので試しに交換してみるかな。前オーナーもこれにイヤ気がさして処分したのだろう。

 FMの選択度も良くない。これは単板CFが一段なので仕方が無い。ゲインは余っているのでいずれCFを二段にするか。なおFM選局のキレの悪さはこのラジオに使用されているICがAFCが常時入りっぱなしというのもかなり影響しているだろう。ER-C54/55TもAFCは常時入っていた。当方としてはAFCは切れるようにしてくれるとありがたいのだが…。

=安定度=
 MWの安定度はPLLやらDSPが広まった現在では優れているとはお世辞にも言えないが、昔ながらのTRラジオの安定度であり特に実用に困難をきたすものではない。HSDLの安定度に対する要望レベルは低いのでこれで満たしている。ただケースを触ると周波数が変動する場合がある。FMの方はAFCが入りっぱなしなので一度同調すればまずズレない。

=ラジオICの性能=
 どうもIFが漏れまくりなのでハッキリしないが、CD2003GPより唯一良くなったのは225kHzイメージが無いらしい事。感じとしてこのラジオはRF系のゲインを上げ過ぎているように感じる。全体的に混変調気味でレベル配分が滅茶苦茶なのではないだろうか?このラジオはICラジオなので、ラジオがおかしいという事は=ICそのものがおかしいという結論に達する。実はICだけが理由ではない事が次回判るわけだが(^^;

=その他=
 買う前から解っていた事だけど選局ダイヤルがやはりつらい。安物ポケットラジオのVC直回しと同じである。そのため微弱な局のシビヤーな同調は難易度が高い。上で二等ローカル局を受信するのは骨が折れた。


★次回に続く
 感度が極度に低いものの混変調も相互変調も無かったTIME PORT DJの方が実用的にはマシな気がしてきた(^^; 実はこれの主原因はモノスゴイ理由だったのだが、そこら辺は次回以降の記事で明らかにする。