OHM RAD-F1691Mを解析する


 やられた…前回もちょっと書いたが、このラジオを買ったのは「1691系かも?」と言う理由だったが、それは罠で実際はクソで名高い2003系だったのだ。しかもHSDLのラジオでは新顔メーカーのICだった。それは後に書くとしてまずは開けてみよう。


★開けてみる
f1691m_05
 じゃあ開けてみるか。開けるのが簡単なのは中華製品の良いところ。あれ?何かネジ山に傷があるような…まさか誰か開けたのだろうか?止めとけ、シロートが開けたって良くはならないぞ。しかし開けてみたら特に弄られた様子はない。製造過程で付いた傷なのかもしれない。


f1691m_06
 このラジオを買った理由は倒芝系以外のICを見たかったからである。このラジオは機種名からしてCXA1691(互換)の予感!だったわけだが…何かおかしいぞ!?IFTが何処にも見当たらない。CXA1691系ってIFT省略できるの?そんな話は聞いたことねえ。


csc2003p
 怪しい胸騒ぎにパラフィンまみれのICを確認してみる。なに?CSC2003Pだって?見た事が無いけどこれって2003系じゃないか!(^^; 通りでIFTレスなわけだよ。今回このラジオを買った意義はこの時点で完璧に失われた。ゴミだよゴミ、不燃ゴミ!しかしCSC2003Pって何だ?検索したら一応採用例はあるらしい。CD2003GPと同じく粗悪コピー品だろう。

 もう解析する意義も気力も無くなったので流す(^^; スペースは案外少ない。これだと改造するのは難しいかもしれない。もっと大きなホームラジオじゃないとダメだな。

 予想通りバーアンテナはちっさい(^^; パラフィンまみれなので精密測定は無理だが長さ5.8〜5.9僂箸い辰燭箸海蹇イヤ長さだけに注目するのは間違いで、太さもバーアンテナの性能には大きな影響を与えるのだ。通常バーは殆どが真円ではないが、これも断面は小判形で太さは8×6mmだった。つまり実効は7φくらいだろう。

 この実効7φ×6冖にというポケットラジオのような小さなバーアンテナでは高感度は絶対に望めないだろう。ちょっと前の記事でバーアンテナの大きさについて書いたが、あの階級で言うとこのラジオは「ポケットラジオ級」である。ポケットラジオが大きめのケースに入っているというのがこのラジオの正体だ。


fm_l1
 ギャアア!バーアンテナの進路(伸ばす側^^)にFMのアンテナコイルが!これって長いのを付ける気は設計当初から無かった事を表しているね。サイズから言って12僂離弌璽▲鵐謄覆浪燭箸ケースに入るのだが、このL1が邪魔でこのままでは取り付けできない事が判った。コイツ現時点の実力はもちろん将来性・素質もねえじゃん(^^; これは裏にコイルを取り付けるしかないか?裏にスペースがあればの話だが。


frod_ant_01
 他があまりにもヒドイので見落としていたが、バーアンテナの配線の余分が所構わず捩って束ねてある。そのうえでバーに沿わせて接着してあるのだからもう救いがない。これがこのラジオの欠陥(混変調状態)の原因の半分である事が判った。


frod_ant_02
 これだと一次側・二次側・グラウンドも捻ってあるから容量結合してしまう(^^; 再生でも掛けようって言うのか?悪い冗談はよせ。事実は単に配線をキレイにしようと思った(働き者のバカに有りがち)だけなのだろうが、RFの配線というのは交流であり直流の配線とは全く違うわけで、隣に線を這わせただけで接続したのと同じ事なのである。RFの選択度が皆無に等しく、全体的にピーギャーして混変調っぽいのはこれが原因か。


frod_ant_03
 チョット離してみたがもっと根本的に分離しないとな。バーアンテナごと交換したくなってきた。この辺りの修正は次回やる事にしよう。弄っているうちに電池の配線がドンドン切れて動かなくなってしまった。ほっそい線で頼りないハンダ付けなので当然だが。これも次回直す。


sfu455b
 CFはSFU455Bと言う名前で(M)の字もあるが勿論ムラタ製ではない。お約束の中華のまがい物である(2018/9現在、哀店道で売っているのと同じだ^^)。受信してみた感じでは真っ当な性能とは言い難い。不良品または故障品である可能性もある。IFが殆ど漏れて全域にブチまかれている。実はこれはCF以外にも理由があるのが判ったが後述する。


lt107a
 FMはL10.7A(LT10.7MA5と同じだろう)という哀店道に売っている奴だな。これはMA5相当なのでまだ絞る余地はある。デカいのは入る余地は無い。しかしFMは今のところはどうでも良し。いずれAMで成長の限界が来たら考えよう(^^


j107c
 ディスクリミネータはセラミックである。LCも使えるようになっている。だがそんな物よりIFT(のパターン)を付けてくれ(^^;


★史上最悪ラジオ?(^^;
 このラジオは混変調・相互変調の症状を示しているのだがどうもおかしい。ポケットラジオ並みの8φ×5.9僂瞭眤▲弌璽▲鵐謄覆悩変調を起こすのだ。そんな事が有り得るのだろうか?イヤ無い。何か別の罠があるような気がする。上で書いたバーアンテナの配線が怪しいしICも勿論怪しい。


>ER-C55Tによる1458kHz受信。
https://www.axfc.net/u/3940471(DLパスワードはiri、およそ9237.3日間の保存ができる見込みです)

 低感度?イヤイヤ、HSDLの屋内ならこれでもマシな方だ。そこら辺で売っているラジオは全部これ以下で聞こえないのだから。感度なんて↓の音を聞けばこれが高性能ラジオに思えるから(^^;


>RAD-F1691Mによる1458kHz受信。
https://www.axfc.net/u/3940473(DLパスワードはiri、およそ9237.3日間の保存ができる見込みです)

 このように相互変調やら混変調やらで実用にはならない。細く短い5〜6cmの内蔵バーアンテナで多信号特性が問題になるなんて今まで見た事も聞いた事も無いよ。HSDLがいくら強電界だと言ってもこれでは他地域でも使えないだろう。何しろ窓際に寄せただけでこうなってしまうのだから。


 もっともこのCSC2003PがCD2003GPより良くなったところも皆無ではない。それは例の±225kHzイメージが全く出ないことだ。この事から両ICは回路が全く違っていると考えざるを得ない。2003と付けば全部デッドコピーと言う単純なものではなく一部は華晶オリジナル回路なのだろう。これは新鮮な驚きだ!つまりCD2003GPはまさかの中華オリジナルICだったんだね。


★更に基板を外すと…そこは驚きの世界(^^;
 テキトーに終わらせようかと思ったが、ICやCF部分がどうなっているのか激しく知りたくなったので基板を外すことにした。


tune_dial
 うわ何だこりゃ?ダイヤルにプラスチックのヒゲがまとわりついているぞ?!実はこれダイヤル機構なのだ。ギヤどころか糸も使わないダイヤル表示だ。もちろん安物ポケットラジオと同じくVC直回しで変速は出来ないが、流石にこれは手抜きの帝王である筆者も想像していなかった。でもVC直回しは辛いので何とか中華アイデアで変速してほしい。君たちなら絶対に出来るはずだ!m9(^^


am_fm_sw
 ここまでセコく上げながらこのバンドスイッチの大仰な無駄は何だろう?(^^; 筆者ならもっと簡単な機構を思いつく(ライバルには教えてやらねー)。恐らくSONY ICF-S19の流れを汲むデザインの方を重視したのだろうが。


kiban_r
 基板はこうなっている。なんかER-C54/55Tとは全く違うな。SWが無いのだから当たり前だが非常に簡単に見える。で見ていったらリファレンスと比べおかしいところを幾つか発見してしまった。


★バグ発見!?
 製造に起因するミスを発見した。たったこれだけのミスで上記の通り滅茶苦茶になっている可能性がある。多分このロット(多分リール1つは死んでいる^^;)は全てこうなっているはずだが不良品はどのくらいあるのだろうか?


r14
 ER-C54/55Tと違ってCFの手前に抵抗が入っている。これは恐らくインピーダンスマッチング用なのだが…何か数値がおかしいぞ。特にCF2の前に入っているのは何と12kΩという桁外れに大きな値だった。CFのインピーダンスはこんなに大きくない(公称2kΩ)ので恐らく乗数を間違えたのだろう。中華の生産現場ではこれ専門の対策本が出ているくらい日常茶飯事のミスである。この話は10年前に「続・古のマザー FREEWAY FW-6400GX/150」という記事で書いたのだがよく見たら没になっていた(^^; この記事はいずれもう一度実験し直して書いてみたい。閑話休題、

 恐らくこれが大き過ぎてCFのGND側からRFが流れ込んでいるのではないか?悪いことにVccラインのDCが殆どしていないのでRFとIFは事実上繋がってしまっている。こうなると選択度が異様に低いのは当たり前で、RFから突き抜けた信号がそのまま非同調IFで増幅・検波されているのだろう。ひょっとすると抵抗を取っ払うだけで選択度問題は解決するかもしれない。


F1691M
 IF部はこんな感じ。CF1の560ΩもCFインピーダンス(中華公称だけど^^)と合っていない。一体何の根拠でこの数値になっているのだろうか?計測してこれでベストなのであれば「どうもスンマヘン」だけどそんな事してるとは思えないぞ。こことは関係無いけどCDの100Ωだって怪しい。これは増減してみる価値がある。


★続く
 という事で次回はこのCF抵抗を変えてみる。取っ払うか、設計値?に合わせて1.2kΩにしてみたい。これで解決したら結構お笑い、イヤ爆笑なのだが…。


★追記
 前回・今回とこのラジオの事を最悪ラジオ呼ばわりしているが、実はこれの後継機であるRAD-F1771Mの方がもっとヒドイ事が判明した。

http://www.ohm-direct.com/shopdetail/000000010374/
 実はこの後継機は偽アナログDSPラジオなのだ。DSPとはどこにも書いていないのにすっとぼけてデジタルなのは許せない。後継機は安いので候補に挙がっていたから買わずに済んでよかった。いずれこの手の偽アナログDSPラジオデータベースを構築したい(勿論不買運動のためだ^^)。

 ということでRAD-F1691Mはアナログラジオとしては悪い製品だがラジオとしては最悪ではないという事になった。