ELPA ER-C55TをセコくTUNE UPする(^^


ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ER-C55T受信音
ELPA ER-C55T

 今回からER-C55T(ER-C54T)の色々な不具合を解決していく。今日行なうのは「ステージ1」である(^^ この場合は現在付いている主要部品を変えずに何とかする。言ってみれば再調整段階という事ですね。


★MWトラッキングのズレ
 色々受信してみたが、MWはスーパーローカルを除いてサッパリなので明らかに感度不足を感じる。一番拙いのはバンドの上下で感度が違うこと。つまり選局ダイヤルの位置に依って感度ムラが大きいのだ。この個体は1400kHz以上が良く900kHz以下は低感度である。

 これはトラッキング調整の狂いを予想させる状態だ。道具立てからすれば少なくともMWはもう少し、せめてホームラジオクラス以上の感度にならなければおかしい。所詮は生産手抜きの為に作られたIC使用のラジオなので、顔を真っ赤にしてどう頑張っても超高感度ラジオにはならないが、HSDLではDXに使えるような特別な高感度を望んでいるわけではない。せめてTA2003P+8.5僂離弌璽▲鵐謄覆冒蟇しい感度を求めているのだ。

 このラジオの低い方のRF選択度とその偏りを調べてみた。この個体の場合は594kHzのNHKが大体540〜630kHzまでの範囲で聞こえた。つまり受信周波数より下にRFの中心が来ていることになる。この差がトラッキングのズレである(注1)。低い方はこの数kHzのズレでもかなり効いてくるが、問題はそのズレている周波数が600kHz付近だという事だ。通常はトラッキング調整はこの辺りで行なうわけで、600なり1400kHzはバンド中で最もトラッキングのズレが少ないはずなのだ。このラジオが製造後全く調整されていない根拠がここにある。それ以外の周波数でも調整すれば概ね±5kHzくらいには追い込めるはずだ。真面目な調整をこのように安価な量産品に望んでも仕方が無いので文句は言わないが。あとは我々の仕事なのだ(^^


★トラッキング調整
 このラジオ(に限らず他の大多数の安いラジオ)は容量直線型の親子バリコンを使用しているが変化量の差でトラッキングが完璧に合う事は無い。元々無理な設計なのだ。がしかし上手く調整すると別物と言うくらい感度が上がるのがスーパーヘテロダイン受信機の特徴と言うか醍醐味だ。

ferrite_rodant
 このバーアンテナのコイルにまとわりついているパラフィンがウザくて嫌いな筆者だった。これの除去が面倒でイヤなので今まで市販ラジオのトラッキング調整を敬遠してきたくらいだ。面倒な事をしなくてはいけないのなら性能なんて上がらなくていいよ、と言うのが偽らざる本音だ。でも今日はブログ記事の為に仕方なしにやる(^^ 面戸癖恵那。

 で、驚いたのは600kHzの感度調整の為C54Tのバーアンテナのコイルを動かしたら何と2〜3个眛阿すことになった。それで驚いていたらC55Tの方は4〜5估阿す事に!これってやっぱりトラッキング調整なんてしてないよ(^^; してたらここまでハズレる事は絶対に無いから。夜に正式な調整前だったのでテキトーにCRKやNHKを聞きながら動かしたらグワーンと感度が上がってローバンドが一気に賑やかになった。想像するにバーアンテナの製造マニュアルにはコイルの位置が固定で決まっていて、工員は闇雲にそれに合わせているだけなんだと思う。それでもこのラジオくらいの調整にはなる。冷静に考えてみればこの製品価格でイチイチ精密調整なんて出来ない。これについては筆者はメーカーを批判しない。元々無理難題なのだから。

=MWの場合=
 電源を入れて30分くらい放置してからやる。電源は電池ではなく外部から3V定電圧電源を供給する。このラジオは7V〜1.8Vまで電圧がかなりテキトーでも動いてしまうが、ヘタすると調整している最中に動作点が変わってしまうので無意味になる。規定の3Vで合わせるのだ。

ー波数を合わせる。
 OSCコイルのコアを回して周波数を合わせる。TCは半分抜いておいた。この際530-1620kHzが収まるようにしても上下には余裕があるので、コア(下限)とTC(上限)を何回か調整してあまり偏らないようにする(狭い方が良い)。そうしないと次のトラッキングが合わなくなる可能性が高い。

低い方のトラッキング
 アンテナ側のTCを容量半分の位置にしておき、SG等信号源を用意して600kHz辺りで発振させる(変調はテキトーに1kHzで30%)。そしてその信号を受信しながらバーアンテナのコイルを動かして最大感度になるようにする(TCは動かさない)。調整後Lは仮固定する。

9發なのトラッキング
 同じようにSG等の信号源を1400kHzで発振させ、その信号を受信しながらアンテナ側のTCを回して最大感度になるようにする(Lは動かさない)。

 そして↓を繰り返して変化が無くなったら終わり。今回はSGを出すのが面倒なので放送波を使った。東京では上手い具合に594kHz(600kHzの代用)と1422kHz(1400kHzの代用)に放送波が出ている。勿論真昼間でなければ使えないが。

注1:実際はLC共振回路の減衰量は(理論的に)上下均一にはならない。がしかしこの場合はそれは無視できる量である。

注2:このラジオのバーアンテナは8.5僂覆里蚤召犯罎拔謀戮肪擦い錣韻任呂覆ぁ事実としてER-C57WRは6僂靴ない(ロット依存だが)。問題は長さよりも太さで、断面が長方形で薄い形状なので実質は8φどころか7φくらいの実効なのではないだろうか?高感度受信には最低でも10φ×12僂詫澆靴い箸海蹇Iが10冂度のこのラジオには物理的に入らないんだけどね。

★その他バンドの調整(省略)

=SWの場合=
 ER-C55TのANTコイルはC54Tと同じくコア無し固定となっている。またコイルに其々TCは付いていない。つまりトラッキング調整は全く不可能という事になる。元々シングルスーパーで12MHz以上を受信するのは難しい上に、このラジオのANTコイルは非常に低性能なので感度はお察し。実際聞いても2、3の中国語とノイズと付近の電子機器のスプリアスが受信できるだけだ。

 これの前身のER-2xT-Nはリードアキシャルなインダクタだった(表に実装)。アレの方がだいぶマシと言うかQが高い。何よりSMDと違って別のインダクタに換装出来る可能性があった。器用に工作すれば補正容量を抱かせることも可能だろう。昨今の円の為替相場の差が取り返しのつかない断絶(=越えられない改造不能の壁)をもたらしたか…。

=FMの場合=
 FMは現在のところ感度に不満は無いので弄らないことにする。調子の良いモノは弄らないがHSDLの鉄則だ。それに元々FMは調整がブロードで、FMバンド中心で合わせれば事足りる程度である。どうしても感度が気になるならコイルは触らずTCだけ動かせばいい。それなら失敗しても取り返しが付くからだ。IFTもMPXコイルも存在しないのでそれ以外の調整は不要だ。


★現在までの結果
 実はまだ完全に調整できたわけではない。どうも昔ながらの600-1400調整法では上手く行かないので試行錯誤が必要だ。取り敢えず2018年9月17日現在の状況である。

=リザルト(ベランダにて)=
Date:2018/07→2018/09
Time:10:00〜14:00(この間不定、同時ではない)
ANT:Ferrite-Rod Antenna(内蔵)
Rx(E1):ER-C55Tノーマル
Rx(E2):ER-C55T改良版

result180917
*[0−5]の数値は信号強度ではなく実用度と考えてほしい。

 御覧のように上の方の感度がノーマルより微妙に下がってしまっている。これはまだ調整が完全ではない事を表している。冒頭に書いたように教科書的な調整では完全にならないっぽい。それでも下の方の感度は驚くほど上がった。このラジオの潜在能力が充分な性能を持っている事が判る。感度が上がり過ぎてベランダでは混変調気味になったのは想定外だったが、そのくらい感度が余っていないと鉄筋室内では実用にならない。室内だとこれから二段階落ちて二等ローカル局は殆どノイズレベル以下になってしまうからだ。


639kHz:NHK静岡第二(JOPB)[10kW](DLパスワードはtoku、およそ9215.5日間の保存ができる見込みです)

 不明の外来ノイズがあったのでベランダではなく室内窓際で受信してみた。そのため少々信号強度が弱くて検波入力が足りない感じだが(^^; 第二放送で最も受信難易度の高い13時のローカルIDである。生まれながらにポンコツのこのラジオで静岡の10kWの中波放送が当地で真昼間に受信できるとちょっと感動してしまう。なお同型ノーマル版では信号強度が録音できる程に上がらず、ラジカセのAIWA CSD-SR700は本体が動けないのでノイズで受信不能だった。ある程度の受信性能であれば受信環境が最も重要だという事が判る。HSDLではその「ある程度の受信性能」を求めているわけだ。


★続く
 以上の調整でMWの感度は段違いに向上した。なにより調整をやり抜いた事で精神的に満足した。今回はステージ1と称して潜在能力を一杯に引き出しただけだが、次回ステージ2で根本的な性能向上を図るため更に突っ込んで改造を行なう。特にこのシリーズ全ての選択度の低さは我慢できるレベルではない。強力局の並ぶ当地では本当にスーパーヘテロダインなのか疑問を感じるほどだ。これはスーパーヘロヘロダヨンとかスーパーヘタレダイン方式と名付けるしかない(^^

 ハンダゴテを使うには暑いし色々と面倒なのでヤル気が出るのはまだ先だろう。ラジオを使って欠陥を発見して、それでハッキョーしそうなくらいムカつかないと市販ラジオを改造しよう等という意欲は湧いてこないのが普通だ。アンタら普通の人は幸せもんだよ。