OHM RAD-F1691Mの不具合を修正する


RAD-F1691M
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 このラジオは来た時から「良いか?悪いか?」の評価以前に正常動作していない。恐らく新品で買った時からこんな調子で使い物にならないのだ。そのため真っ当に評価するには不具合修正しなくてはいけない。前回までのHSDLの仮説によれば「抵抗を変えただけで設計時の選択度に戻る」という事なのだが実際試してみよう。その前にこれも前回指摘のアンテナ系の配線もやり直しだ。


★フェライトロッドアンテナ配線やり直し(^^;
 ある意味今回最も重要な修正である。前回指摘したグラウンド以外の配線が全部繋がっている状態を解消する。これも立派なDCの一種と言えよう。配線はどうするかな?邪魔なら短く切ってしまっても良いかもしれない。もちろんトラッキング調整は全部やり直しである。製造の時に調整されているとは思えないので当初からやり直すつもりだったが、このバーアンテナは製造が手抜きなのかコストダウンなのか知らんけど滅茶苦茶シロートっぽい出来なので無理かも。具体的に言うと、ロッドに被せた筒にコイルが巻いてあるのではなくて、ロッドに絶縁紙が巻いてあってその上にコイルが巻いてある。おまけにタップリと蝋がかかって止まっている。つまりスライドはできないんだなこれが…(^^; 最初からトラッキング調整をするつもりが無い事を部品自らが表しているというわけだ。クソが。TCだけでやるしかないのか?下の方は捨てだな…。


frod_ant_05
 フェライトロッドアンテナから出ている線の中で、このVCに接続されている線が一番の問題だ。これが接続されているのは同調回路のホット側なので当然ながらハイインピーダンスノードである。丸めて入れたら恐らくケースのその辺りを触っただけでノイズが上がったり何らかの影響が出るハズだ。ちなみにここにCCを介して内蔵テレスコピックアンテナを繋ぐと感度が上がるが、このようなフルタップは高感度な反面ノイズ拾いまくりの可能性もある。ロッド交換前に一度は実験する予定だ。もっともその前にこのアンテナ自体を巻き直してみたい。

 真ん中の黒く塗ってある線はタップに繋がる引き込み線なのでインピーダンスはローインピーダンスで問題無し。一番向うは同調回路のコールド側なのでインピーダンスはゼロだ。もちろんこれらも長くならない方が良いだろうけどね。これらを最低限のマージンを残して切ってしまおう。


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 リッツ線を切ったのでバラしてみた。実はこれが何本合わせてあるのか知りたかったのだ。バラしてみたら毛が3本しかねえ!オバQかよ(^^; これだと単線や撚り線と大差無いのでは…。糸に巻いてあるのでハンダ付けする時にウザい。現在では流石に絹は使っていないのでハンダゴテを当てていれば溶けると思うが、短く詰める作業は皆様にはお勧めしない。


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 どうせコイルは動かせないので短く切ったがもっと短くても良かった。コイルの絶縁紙が破れかけて汚いのは何とか動かそうと頑張ったから。しかし動かなかったのでトラッキング調整はフェライトロッドアンテナを交換してから行なう。VCの取り付けが汚かったので掃除していたら一部溶けてしまった。この端子が汚く曲がっているのはVCの基板接続用の端子を切って使っているから。本来これは右の二つと同じく下の基板まで伸びているものだ。このPVCはNCE製で、先日哀店道を覗いたらこれと同じと思われるのが売っていた。もしこれが死んだらアレを買えばいい。PVCは頻繁に死ぬものではないけど。殆どはPVCが死ぬ前にラジオ又は使用している人の方が使えなくなってしまいます(^^;


hot_b
 関係無いけどこのリード線の取り付け部分のホットボンドには参った(^^; ハンダを除去しても穴が無いので新しい線が入らない。恐ろしく時間が掛かってしまった。


★CF抵抗交換
 今回問題になっているのはAMモードの抵抗だがこれを設計値に変更する。この設計値の1.2kΩが意味不明だったが、どうもこれはSFZ455F、G用のインピーダンス(注)に合わせられているようだ。がしかし付いているのはSFU455Bなんだよね(^^; その場合は300Ωとなるのでこれも300Ωに変えてみるか?でも元々IFTレスのICだからな…この点で設計者を問い詰めたい。抵抗は2012の1.2kΩと1608の300Ωの2つとも在庫があったのでこれを使用する。MB弄りもやっていないし、恐らく一生使い切れないであろう量があるので減らさねば。


cf_reg1
 剥がした。これが一番難易度が高い作業だ。何しろアンダーフィルで固めてある30年前のドブ漬け実装法なので、コテでハンダを溶かしただけでは剥がれないのだ。加えて中華基板は製造の時に殆どの耐久性マージンを使い果たしているので基板も作業に耐えてくれない。つまりリワークできるようなものではないのだ。ヘタを打って銅箔が剥がれても誰も怨めない。


cf_reg2
 外れてしまえばあとは電子工作と同様、単層基板なので付けるのは簡単だ。と言いつつしばたよしとみ氏の判定はハンダが汚い(^^; 実はSMD用の0.3φハンダを持ってこなかった(作業は別の場所で行なった)。当初は300Ωで次に1.2kΩで試す。もし本物のTA2003Pなら抵抗無しでも良いと思う。IFTレスなのでSFU455Aのインピーダンス(2kΩ)に合わせてあるはずだ。

 しかしこの基板配線パターン、何とかならんのだろうか?SWを迂回するのはまあ仕方が無いかもしれんが筆者なら別のパターンを考える。SWの配線なんて伸びても良いのだから表にジャンパ入れたって何の問題も無い。高周波基板配線の抵抗は無視できてもインダクタンスは無視できない(幅が細いとミリ当たり数nHに達する)。でもまあCFの入出力にFB入れたおバカさんも見た事あるけど。

 FMモードの抵抗も少々おかしいがAMほど懸け離れているわけではないので放置する。これを調整すると多分CDの抵抗(100Ω)もやり直さなくてはいけないので時間が掛かるのだ。

注:IFTの二次側Z2の設計目標値のこと。CFの終端インピーダンス(2kΩ)とは違う。

★結果
 結果は低感度だが正常動作するようになった。HSDLに来たばかりの頃は第二回記事のファイルのようにダイヤルを回すと上の方は「プギャーギュルギュルピュー」という感じで少々発振気味の腐った状態で、主要ローカル局が全てゴチャ混ぜに聞こえる混変調地獄状態だった。アレで正常に思える人はラジオを一度も使った事が無い人だけだろう。何で前オーナーは不良返品しなかったのか?何故HOはこれを普通に買い取って中古で並べて売っているのか?全く不思議でしょうがない。その明らかな不良品を返品もせずに普通に弄って遊んでいるHSDLも稀有な存在かもしれんが…。

 閑話休題、これでこの製品は漸く不良品から正常品に生まれ変わったわけだ。このCSC2003PではCD2003GPで発生した±225kHzイメージは発生しないらしい。つまりHSDLの所有するTA2003系ラジオでは一番まともなラジオになった事になる。ヤレヤレ、何て低レベルなのだろう!HSDLのラジオは…(^^; ER-C55Tの不良CD2003GPは近い内にに交換したい。±225kHzイメージが無くなるだけで受信できる周波数が大幅に増える。最低11波はクリヤーが増える事になる(注)。

 今後このラジオは「故障・不具合修理品」という扱いなので、HSDL法に拠れば改造は全面OKとなる。カッコ悪くなる穴開けはやらないが、それ以外の改造を今後記事に書いていく。HSDLのアナログラジオは2003系が主力なのでこれで実験して他にノウハウを移植するつもり。ER-C54/55Tよりアホだがガタイが良いだけにもうちょっと成長の余地がある。あとはトレーナーの腕次第だ(^^

注:当地で不良CD2003GP搭載ラジオで±225kHzイメージが発生してまともに受信できない周波数は以下の通り。

585kHz(AFNが発生)
729kHz(TBSが発生)
819kHz(NHK1が発生)
909kHz(QRが発生)
918kHz(NHK2が発生)
1017kHz(LFが発生)
1035kHz(AFNが発生、超強力^^;)
1179kHz(TBSが発生、強力^^;)
1197kHz(RFが発生)
1359kHz(QRが発生、強力^^;)
1467kHz(LFが発生)

 超強力と書いた周波数は八王子で基本波を受信するより強力だ(^^; 585や819kHzはローカル局の影響で元々受信できない周波数だが1035、1197、1359、1467kHzといった局数の多いところが受信できないのは痛すぎる(全部で53局がパー)。サイドも入れれば更に増える。CSC2003Pもレベル配分がおかしいけどイメージが出ないだけ不良CD2003GPよりはずいぶんマシ。何しろ9波+サイド6波が受信可能になるのだから。

★一応完成
 修正して不具合が無くなったため現在の格は不動船→対空機銃搭載輸送船程度かな(^^ 何とかもっと大改造して軍籍に入れたい。漸く実戦テストが可能となったのでまずは1局受信したいが、6冖にのフェライトロッドアンテナのハンデは当方の想像以上だった。何しろ夜になってもバンドが騒がしくならないのだ。2018年現在市販されている5000円以下のラジオはこの程度の長さ(5〜8)のが殆どなので感度も評価するまでも無く「お察し下さい」だ。上がり目の無いラジオはループアンテナでも自作したいところだね。