当初この原稿は「気になるリンク」の為に書いたが、御覧の通りあまりにも長くなりすぎたために独立した文章になった。

第10話:超高感度ラジオ!「SONY 6R-33」


 最初に断わっておくがこのラジオは使った事は無い。ただ思い出の中に僅かに引っかかる部分があるので書く。もしかすると某ジジイが昔言っていた最強ラジオってこれだったかもしれない…当時小学校低学年だったので覚えてないけど。その最強ラジオをジジイは部品もほぼ使わずにハンダゴテ一本で元より更に高感度にしたのだ。ジジイはその日から筆者のヒーローとなった(^^ 追い付き追い越せでやってきたが、ターゲットが既に居ないので近づいたか追い付いたかどうかすら定かではない。もう何十年も昔の話だ。

 閑話休題、

https://radiojayallen.com/sony-6r-33-super-sensitive-am-radio/
https://www.radiomuseum.org/r/sony_super_sensitive_6_r_336r3.html
 1960年代の製品だが高感度ラジオではなく超高感度ラジオ!粗ニーも昔はこんなホンマ物を作っていたんだね。ダイヤルは見た目でも分るくらい超使いにくそうだがMW専用ラジオとしては日本最強か?

 恐らく時期的にGEのアレに触発されたのだろう。だいたいSONYといえどもMWでRF-AMPを使うことはあまり無いので(注1)、対抗目的で入れたのだろう。このRF-AMPはBJT仕様なのでフル増幅すると大変な事になりそうだ。バイポーラTRはフルスイングするとJFETやMOSFETよりゲインが高いからな。現在のHSDLで使用したら…怖いもの見たさでちょっと興味はある(^^; もっとも見た限りでは増幅度は控えめだが。

 そのRF-AMPは80年代以降の日本メーカー製ではありがちな二連バリコン使用の手抜き物ではなく(注2)、正式な三連バリコンを使ったホンマ物の”Tuned RF-AMP”である。更にIFには当時は一般的ではなかった東光のCFも使っているので選択度も高そう。性能は筆者も保証する(^^ BCL用SWラジオならともかく、こんなMW専用TRラジオは日本メーカー製ではあまり見た事が無い。昔のを全部見た事があるわけではないので割合は知らないけど。

 気になるフェライトロッドは長さ18儖幣紊任靴も太い。中華製の鑢みたいなのではないT○K製の黒光りした美しい奴だ。この時代のラジオはホームラジオクラスならどれも12儖幣18儖未里鯏觝椶靴討い燭里任修譴曚苗舛靴は無い。がしかしやはり感度は高くなるだろう。

 フロントエンドの尖り具合に比較してIF-AMP以降は大人しい。検波後は回路的には特に面白くないP-Pの4石AFアンプだが、この時代に既にトーン切り替えSWがある。今ではローコスト音質変更機能でスタンダードになったが60年代から既にポピュラーだったのね。電源は電池とACアダプター用の外部端子もある。ポータブルにAC電源を入れないのはSONYの昔からの伝統だ。

 これだけの物だと今でもちょっと欲しくなる。がしかし「Recommended!」て言われたってもう手に入らねえよ!(^^; ついでに補修用の2SC537も廃品種でなかなか手に入らない。2SC403(A2)も代替指定されているがこれも廃品種だし、その場合回路定数が一部異なる。電解コンも全とっかえだなあ。VCもローターのバネが劣化していてヘタすると重修理になるし、もし分解できなければ再起不能もありうる。新品の三連バリコン入手はラジオを手に入れるより更に難しいぞ。運よくこのラジオを手に入れても実力を遺憾なく発揮できるとは言い難い。

 何はともあれ粗ニー・糞ニーも昔は良いモノを作っていたというお話でした。設計者も先端行ってる精鋭だもんなあ。昭和中期は良かったなあ…と思わず後ろ向きな気分になる製品でした(^^;

注1:SONYに限らず日本メーカー全てだが、MW専用でRF-AMPを搭載する事は通常は考えられない。RF-AMPは特殊な用途のラジオ、高価なSW用ラジオなどに見られる程度である。

注2:正式には入出力を同調するが、手抜きの場合は出力を非同調にして二連バリコンを使用する。80年代以降はごく一部のBCLラジオを除きこれしか無い。理由は三連PVCが特注だったから一般用には入れられなかった。