この記事は「ラジオを製作・組立した事がある」「ラジオの回路に深い関心がありスーパーヘテロダイン方式について理解がある」「感度・選択度・安定度・多信号特性について其々完全に理解している」「HSDL用語集を全部読んでいる」「前回までの記事を全て読んでいる」この条件を全て満たしていることを読者の条件とする(リンクについての条件はこちらを参照)。

来たばかりのRAD-F620Zが本格的に不動になったの巻(^^;


RAD-F620Z
RAD-F620Z

 今回は調整とパワーアップ改造を行なうつもりであったが、前回調査で改造する以前に正常に組み立てられていない事が判明した。まさか分解調査の最中に不具合修理させられるとは思わなかったので参ったよ(^^;


★配線ミス
 一番重要であるフェライトロッドアンテナに致命的∧決定的な配線ミスが見つかった。いや「コレを書いた当時はそう確信していた」が正しいかも(^^;


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 いつものようにアンテナ線が全部束ねてある。束ねるというか捻って固めてある。つまり全部の線がコンデンサで結線されているわけだ。働き者のお前らはもう働くな!人生もっと怠けていいのよ?(^^


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 このようにバラしてハンダ付けをチェックしたら(掲示板に書いたように)配線が間違っているのを発見したわけ。いくら中華工場がテキトーとは言え、そんな初歩的な酷い間違いは想定していなかったので白目を剥いた(^^;


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 正常ならば左のようになるが、このラジオのは右のようになっている。ホットから中間タップまでの間で同調回路が構成されてしまっている。それで既定の巻き数に足りないためインダクタンスが足りず同調が取れないのだろうとこの時点では予想した(後から分ったがこれで間違いでもないらしい)。


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 推測だが、これはフェライトロッドアンテナの製造がミスっているのかもしれない。正式には赤線が中間タップで青線がコールド(グラウンド)なのではないか?ラジオ工場の工員は色で作業を指示されているだろうからマニュアル通りやって結果として間違えたのだろう。

 これで解るようにこのラジオはトラッキング調整をしていないのだ。もし調整していたらその段階で大幅な(数100kHz)同調周波数の違いに気づくはず。同じく未調整と思われるF1691Mを見た時からそうだとは思っていたけど。恐らくトラッキングは正常に動いた一台と同じコイルとTCの位置に合わせているのだろう。そりゃ部品の精度が恐ろしく高ければそれで同一になるけどよ…実際なるわきゃない。


 まとめると.侫Д薀ぅ肇蹈奪疋▲鵐謄覆寮渋す場が出力線の色を間違えた△修譴魍稜Г擦困縫薀献の工場が色を信じてそのまま使ったしかも後調整も検査もしなかったので不良品出荷!という流れになる。,録篦蠅鵬瓩ないが恐らく間違いなかろう。ラジオ工場を信頼すれば(^^ この推理はこの時点のものだ。

 そうと決まれば配線のやり直しだ。青と赤の配線を入れ換えるだけだから数十秒で出来る。駄菓子菓子、そうは問屋が卸さなかった。


★修正する…だがしかし。
 で入れ替え作業が終わって配線をやり直したのだが、電源を入れたらサッパリ何も聞こえなくなってしまった!焦った。これはマズイ!もしかすると配線の時にICをブチ壊したのかも…と思ってFMにしたらちゃんと聞こえるじゃないの。じゃあAMだけブチ壊れたのか?と思い、かなり危ないがICのAM入力ピンを触ってみたらAFNやTBSが混ざって聞こえた。つまりこれはICの不良ではない。

 あと弄ったところはフェライトロッド・アンテナしかないのでこれの不良と言う事になる。しかもこのフェライトロッド・アンテナは入手当時はちゃんと動いていたので、壊れたとすればさっきの配線作業かその前で破壊した事になる。解りやすく言えば筆者が壊したわけだ。マジかよ…(^^;

 確定すべくテスターで3本の線を当ってみたら導通していない線がある。この影響で同調回路になっていない事が判った。必死でリッツ線を確認したが何処も切れているようには見えないんだけどなあ。でもこのリッツ線は繋がっているように見えて繋がっていない事があるので油断はできない。セパレーターが支えるので繋がって見える不完全断裂があり得るのだ。もし原因不明の低感度のラジオが有ったらフェライトロッド・アンテナのコイル断線を疑ってみるのも手だ。


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 仕方がないから外す。まずは小汚くブチまかれた接着剤とそれに絡まるコイル止めのパラフィンを取り去らねばならない。


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 ゼーゼーハーハー、これは難易度が高い。イヤ作業自体は容易なのだが割れそうなんだよ(^^; 中華製の難しさはそこにあるのだ。


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 フェライトロッドを取り出した。接着剤を取り去ろうと清掃を開始したのだが、その時悲劇が起こった。


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 ギニャ〜!何とフェライトロッドが静かに折れていた。そんなに力を入れたわけではないのに、少々引っ張り力を加えたらポロリと取れるように折れてしまったのだ。折れるというより分断したというのが正しいかも。もう何か呪われているとしか言いようがない(^^;

 これを見て興味深いことが分かった。折れ口を見て中央右の方に何か均質でないものが見えるだろうか?本来これは全く均質でなければならないのだが、何らかの大きな不純物が混じっているようだ。そのためここが弱くなって折れたのだろう。触れば折れやすい状態だったのだ。


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 もちろん捨てたりはしない。これは接着してまた使う事にする。もっとも将来的には交換するつもりだけど。いやー、全くこんなフェライトロッドは初めて見たよ。今まで折れなかったのが運が良かっただけなのだろう。ホント中華製は面白いので止められない。こんなのは日本メーカー製ではまず見られないからな。もっとも野次馬としては面白くても修理人としては困った。一日で終わらせるつもりがかなり時間が掛かりそうで萎える。


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 それにこのコイル。これのどこが切れているのか判らないとどうしようもない。最悪巻き直しになる可能性もある。巻き直しと言っても、まずポリVCの総容量を測って必要なインダクタンスを計算し、そのあとで巻くので面倒くさいぞ。線材は余っているみたいなので解いて流用すればいいか。


★続く
 そんなわけで取るに足らない小修整が思わぬ重修理になってしまった。今回終わらせるつもりだったがそれどころではなくなった。次回はまずフェライトロッドを繋いで、その後で切れているらしい?コイルの修理をする。コイルの方はまだどこが切れているのか判らないので難易度が高いがやってみるしかない。ダメならフェライトロッド・アンテナごと全部交換することになる。交換した方が多分性能が上がるけどなるべくならそれは避けたい。